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大阪第二次抗争編
不穏
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「また抗争があるかもしれへんやなんて…
全くヤクザいうもんは時代が変わっても成長せえへんのやから。」
小百合は、功太と薫からここのところの大友組や多村の不穏な動きを聞き、呆れたように呟いた。
「姐さん、心配はいりません。
奴らに勝手な事をさせるつもりもありませんし、カタギになった薫さんを危険な目に遭わせるつもりもありません。
絶対に守って見せます。」
「そんなこと言うたかて、相手はイケイケ集団て言うやないの。
どうせ警察に牽制されてるんやろうし、こっちは動くに動けんやろ。」
「はぁ…
垂水組からもその辺は釘を刺されてます。
しかし、何やかんや言うてもワシらはヤクザです。
譲れん部分は絶対に譲ってはダメなんですよ。」
「ええか功太
アンタに一つだけ言うとく。
ヤクザの意地や矜持なんて、そんなつまらんものの為に命を投げ出したら絶対にあかん。
もう、アンタは一人やないんや。
この可愛いお嫁さんのためにも、何が何でも生き抜かなあかんのやで。
ワタシみたいな思いをする人間はもう出したらあかん。
それだけは肝に銘じとき!」
小百合は強い口調で功太に言った。
「はい。
俺もコイツと付き合うようになって、初めて自分以外の者のために生きたいって思うようになったんです。
昔みたいな考えではいませんので、ご心配なく。」
功太は、少し照れ臭そうに言って俯いた。
ユウはそんな功太を優しげな瞳で見つめて笑った。
薫は線香を上げると
「姐さんをお元気な姿を見る事が出来て、本当によかったです。
それじゃあ、ワタシ、主人を待たせてるんでこの辺で失礼します。」
「何や、旦那さんも一緒に来てるんかいな。
家に来てもろたらええのに」
「いえ、彼は元々対立していた多村組の元組員ですし、その多村組を支援していたのはオヤジを死なせる原因となった組です。
ここに来ることは出来ないと本人も言っていますので。」
「ほう、旦那さんが一緒なんでっか」
功太も反応した。
「功太がいるなら尚更連れて来なくてよかったわよ。」
「待ってくださいよアニキ、いや薫さん
確かに昔、多喜とやり合って撃たれもしましたが、あれは組織の人間としてやむなくそうなってしまったと、ちゃんと理解してるんでっせ。
それが証拠に、今は大西組とも友好関係にあるし、その嫁さんとも個人的な付き合いもあります。」
「ありがとう、功太。
それを聞いたらうちの人も喜ぶと思うわ。
ずっと気にしてたから。
ユウちゃん、功太の事を頼むわね。
ちょっとガサツで短気なところもあるけど、根は良いヤツで寂しがり屋さんだから。」
「はい。
二人の時はめちゃめちゃ甘えてきますし、可愛いんですよ。」
「おい、何をアホな事を言うてんねん」
功太はしどろもどろになりながら、顔を真っ赤にした。
全くヤクザいうもんは時代が変わっても成長せえへんのやから。」
小百合は、功太と薫からここのところの大友組や多村の不穏な動きを聞き、呆れたように呟いた。
「姐さん、心配はいりません。
奴らに勝手な事をさせるつもりもありませんし、カタギになった薫さんを危険な目に遭わせるつもりもありません。
絶対に守って見せます。」
「そんなこと言うたかて、相手はイケイケ集団て言うやないの。
どうせ警察に牽制されてるんやろうし、こっちは動くに動けんやろ。」
「はぁ…
垂水組からもその辺は釘を刺されてます。
しかし、何やかんや言うてもワシらはヤクザです。
譲れん部分は絶対に譲ってはダメなんですよ。」
「ええか功太
アンタに一つだけ言うとく。
ヤクザの意地や矜持なんて、そんなつまらんものの為に命を投げ出したら絶対にあかん。
もう、アンタは一人やないんや。
この可愛いお嫁さんのためにも、何が何でも生き抜かなあかんのやで。
ワタシみたいな思いをする人間はもう出したらあかん。
それだけは肝に銘じとき!」
小百合は強い口調で功太に言った。
「はい。
俺もコイツと付き合うようになって、初めて自分以外の者のために生きたいって思うようになったんです。
昔みたいな考えではいませんので、ご心配なく。」
功太は、少し照れ臭そうに言って俯いた。
ユウはそんな功太を優しげな瞳で見つめて笑った。
薫は線香を上げると
「姐さんをお元気な姿を見る事が出来て、本当によかったです。
それじゃあ、ワタシ、主人を待たせてるんでこの辺で失礼します。」
「何や、旦那さんも一緒に来てるんかいな。
家に来てもろたらええのに」
「いえ、彼は元々対立していた多村組の元組員ですし、その多村組を支援していたのはオヤジを死なせる原因となった組です。
ここに来ることは出来ないと本人も言っていますので。」
「ほう、旦那さんが一緒なんでっか」
功太も反応した。
「功太がいるなら尚更連れて来なくてよかったわよ。」
「待ってくださいよアニキ、いや薫さん
確かに昔、多喜とやり合って撃たれもしましたが、あれは組織の人間としてやむなくそうなってしまったと、ちゃんと理解してるんでっせ。
それが証拠に、今は大西組とも友好関係にあるし、その嫁さんとも個人的な付き合いもあります。」
「ありがとう、功太。
それを聞いたらうちの人も喜ぶと思うわ。
ずっと気にしてたから。
ユウちゃん、功太の事を頼むわね。
ちょっとガサツで短気なところもあるけど、根は良いヤツで寂しがり屋さんだから。」
「はい。
二人の時はめちゃめちゃ甘えてきますし、可愛いんですよ。」
「おい、何をアホな事を言うてんねん」
功太はしどろもどろになりながら、顔を真っ赤にした。
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