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筒井未来〜女子力向上計画編〜
ファイナルアンサー
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「社長、ワタシ
今までの人生で、誰も好きになった事もなかったし、勿論お付き合いした事もありませんでした。
だから、社長に付き合いたいって言っていただいた時も、どうお答えしていいかわからず、少し頭が混乱してしまって…
素直になる事が出来ませんでした。」
「うん。そうだったよね」
「でも、ワタシも社長のことは、漠然と素敵な人だなって思いましたし、会えば会うほど、どんどん惹かれていきました。」
「そうだったんだ
それは嬉しいな。」
「ワタシの心の整理がついて、そして、もっと女らしくなったとき、その時点でもまだワタシの事を好いていてくれるのなら、お受けしようって思ったんです。
あれから一年経って、自分としてはまだまだだと思いますが、少しは女らしくなれたかなって…」
「うん。すごく変わったと思うよ。」
「こんなワタシですけど…
社長とお付き合いさせていただきたいです…」
未来は顔を真っ赤にして言うと、すぐに視線を逸らして下を向いてしまった。
「未来ちゃん…
ありがとう
すごく嬉しいよ。」
そんな未来に、優磨は優しげな表情で微笑んだ。
こうして、未来と優磨は正式に付き合う事となり、紆余曲折があったが、一年の時を経て、晴れて恋人同士となった。
ここで食事が運ばれてきて、二人は一旦話をやめた。
未来はドキドキしすぎて、この時の食事で何を食べて、それがどんな味だったか、一切の記憶がない。
食事の後、二人はしばらく話を続けていたが、優磨に連れて行きたいところがあると言われて、店を出た。
心斎橋にある高級時計店の前に来ると、優磨は未来に言った。
「今日は付き合いだした記念日だし、何かお揃いのものを買いたいなって思ってね」
と、言った。
「えっ、でも…」
大学生の未来でも、その店の時計がどれくらいの値段で売られているくらいは知っている。
だから、固辞しようと思ったが、優磨は気にする事なく店に入っていった。
仕方なく未来も慌ててその後を追い、店内に入ったのである。
優磨はショーケースの中を覗き込み、すぐに目ぼしいものを見つけ出した。
「未来ちゃん、これ良くない?」
「えっ、はい
そうですね…」
未来も視線を向け、本当に良い感じの時計だったので素直に答えた。
すると、優磨は
「じゃあ、これを男女用で下さい」
と店員に告げて即決した。
「えっ…」
未来は大いに驚き、戸惑ったが、静かな店内だったのであまり大きな声も出せず、内心とは裏腹のリアクションになってしまった。
付き合った記念のこの腕時計は、その後、未来の宝物となり、ずっと大切にしていくことになった。
今までの人生で、誰も好きになった事もなかったし、勿論お付き合いした事もありませんでした。
だから、社長に付き合いたいって言っていただいた時も、どうお答えしていいかわからず、少し頭が混乱してしまって…
素直になる事が出来ませんでした。」
「うん。そうだったよね」
「でも、ワタシも社長のことは、漠然と素敵な人だなって思いましたし、会えば会うほど、どんどん惹かれていきました。」
「そうだったんだ
それは嬉しいな。」
「ワタシの心の整理がついて、そして、もっと女らしくなったとき、その時点でもまだワタシの事を好いていてくれるのなら、お受けしようって思ったんです。
あれから一年経って、自分としてはまだまだだと思いますが、少しは女らしくなれたかなって…」
「うん。すごく変わったと思うよ。」
「こんなワタシですけど…
社長とお付き合いさせていただきたいです…」
未来は顔を真っ赤にして言うと、すぐに視線を逸らして下を向いてしまった。
「未来ちゃん…
ありがとう
すごく嬉しいよ。」
そんな未来に、優磨は優しげな表情で微笑んだ。
こうして、未来と優磨は正式に付き合う事となり、紆余曲折があったが、一年の時を経て、晴れて恋人同士となった。
ここで食事が運ばれてきて、二人は一旦話をやめた。
未来はドキドキしすぎて、この時の食事で何を食べて、それがどんな味だったか、一切の記憶がない。
食事の後、二人はしばらく話を続けていたが、優磨に連れて行きたいところがあると言われて、店を出た。
心斎橋にある高級時計店の前に来ると、優磨は未来に言った。
「今日は付き合いだした記念日だし、何かお揃いのものを買いたいなって思ってね」
と、言った。
「えっ、でも…」
大学生の未来でも、その店の時計がどれくらいの値段で売られているくらいは知っている。
だから、固辞しようと思ったが、優磨は気にする事なく店に入っていった。
仕方なく未来も慌ててその後を追い、店内に入ったのである。
優磨はショーケースの中を覗き込み、すぐに目ぼしいものを見つけ出した。
「未来ちゃん、これ良くない?」
「えっ、はい
そうですね…」
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すると、優磨は
「じゃあ、これを男女用で下さい」
と店員に告げて即決した。
「えっ…」
未来は大いに驚き、戸惑ったが、静かな店内だったのであまり大きな声も出せず、内心とは裏腹のリアクションになってしまった。
付き合った記念のこの腕時計は、その後、未来の宝物となり、ずっと大切にしていくことになった。
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yoshieeesan
現代文学
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