ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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新章〜新たなる潮流〜

吐露

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「未来ちゃん
会ったばっかりでこんな事言うのもアレなんだけど…

よかったら俺とお付き合いしてくれませんか」


「えっ…」


突然の優磨からの告白に戸惑いを見せる未来だったが


「あの、岡田社長…
女でもないワタシにそんな事を言っていただいてありがとうございます…

でも、ワタシはまだ女として生き始めて一ヶ月です。

今は、日々を生きるのに精一杯で、誰かと恋をするとか、そこまで考えられないっていうのが本心です。」


「そうか

キミの気持ちも考えずにこんな告白するのはどうかと思ったんだが、自分が未来ちゃんを好きだって気持ちに嘘はつけないし、それだけは伝えておきたかったんだ。」


「ありがとうございます…
ワタシも社長のことすごく気になりますし、今めっちゃドキドキしています。」


「ハッハッハ
やっぱりキミは可愛いよ。

もし、心に余裕が出来て、俺と付き合ってもいいって思える時が来たら、その時はよろしく頼むよ。」

優磨は笑って言った。


「はい。
ワタシも岡田社長とは生意気な言い方ですけど、話しやすくて自分を素直に出せるって、今日話していてすごく思いました。」

未来は優磨の好意を受けて、自分もまた優磨に好意を持っているという事に気付き、素直に思っている事を伝えた。

「連絡先も交換したし、毎日猛アタックするよ。」

「はいっ

ワタシも連絡します」


「じゃあ、タクシー乗り場に行こう。
これで足りるかな」

優磨は一万円札を未来に手渡そうとしたが

「あ、ワタシ、西長堀だし、歩いても二十分くらいなので大丈夫ですよ。」


未来は手をバタバタさせて受け取ろうとしなかった。


「ダメダメ、女の子が夜道を一人で歩くもんじゃないよ。」


「ワタシ女の子じゃないし、大丈夫です。」


「まあ、たしかに未来ちゃん、ケンカめっちゃ強いけど

でもね、自分で女の子じゃないとか言っちゃダメだよ。
キミが女の子より素敵だって事は、周りはみんなわかっている事なんだから。

先ずはキミ自身が自分を信じる事だよ」


「はい。
ごめんなさい

少し照れ臭くて」

未来は舌を出して笑った。



優磨は停車中のタクシーに未来を乗せると

「それじゃあ気をつけて帰るんだよ」

と、窓越しに声をかけて送り出した。

未来は走り出した車の中で、後ろを振り返り、優磨に向かって何度もお辞儀をした。

そして、優磨が完全に見えなくなると、ようやく前を向いたが…

ふと我に返ると、胸がキュンキュンしている事に気付いた。

恋愛未経験の未来でも、これが恋だとハッキリと認識できたのだった。
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