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新章〜新たなる潮流〜
絆
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「若、お知り合いですか?」
功太は優磨と未来を見て言った。
「そうなんだよ。
ちょっとしたね。」
そう言って優磨に視線を向けられた未来は慌てて二回ほど頷いた。
「赤石さん
申し訳ないんだけど、未来ちゃんと二人で話がしたいんだけど、いいかな?」
優磨は功太に耳打ちした。
「ええ。それは勿論
ユウ、ちょっと席移るで」
功太はユウに立つように促した。
「はーい
未来ちゃん、あとはよろしくねー」
ユウは未来にそう言うと、功太と二人でVIPルームを出ていった。
二人きりになり、若干の気まずさを感じた未来は、精一杯の笑顔で優磨に話しかけた。
「まさか、こんなところでお会いするなんて、思ってもみませんでした…
心臓がバクバクいってます」
「ハッハッハ
そうだね、僕も信じられない思いさ。
まあ、これも何かの縁だよ。」
「そうですね。
ちょっとまだ不慣れでご迷惑をおかけするかもしれませんが、今日はよろしくお願いします。」
「そう?
ここに来てからそんなに経ってないの?」
「はい。
まだ一ヶ月くらいなんです。」
「へえ、ホントの新人さんなんだ。」
「はい。色々と勉強中です。
ところで、社長、何飲まれます?」
「未来ちゃんの成績になるんだったらちょっと良い酒でも飲むかな。
サロンはある?」
「えっ、いいんですか
すごく高いですよ」
水商売に不慣れな未来は、恐縮しながら言った。
そんな姿を優磨は新鮮に思いながら、笑って問題ない事を伝えた。
ボトルが運ばれてくると、未来は慣れない手つきでグラスに注ぎ、優磨に差し出した。
そして、自分の分も用意すると、ぎこちない笑みを浮かべながら乾杯をした。
「じゃあ、未来ちゃんがもっともっと可愛い女性になる事を祈って、乾杯」
「ありがとうございます」
未来は優磨の言葉に顔を真っ赤にしながら微笑み、そしてグラスに口をつけた。
それから二人は、お互いのプロフィール的な話をし合い、意気投合していった。
「へえ、じゃあ未来ちゃんはずっと小さいときから女性になりたかったんだ。」
「はい。
なりたかったっていうか、他の男の子達とは違うんだなあって思ってました。」
「恋愛対象も男の子だったの?」
「でも、その頃はよくわかんなくて…
なんとなく興味がある男の子もいたんですけど、そんな事思っちゃダメだって自分に言い聞かせて、敢えて避けるようにしていました。」
「そっか。
よっぽどお父さんが怖かったんだね」
「怖かったです、すごく」
「まあ、俺も似たようなもんか
親父がめちゃ怖かった…」
「社長もそうなんですか?」
「未来ちゃんも最初に会った時から気付いていたと思うけど、俺ヤクザなんだよ。
俺の家っていうか、親父もヤクザでね」
「最初に弁護士さんと来られたときは、そうなのかなあって思いましたけど、今こうしてお話ししていると、全然そんな風には思いません。」
未来は素直に思った事を口にした。
功太は優磨と未来を見て言った。
「そうなんだよ。
ちょっとしたね。」
そう言って優磨に視線を向けられた未来は慌てて二回ほど頷いた。
「赤石さん
申し訳ないんだけど、未来ちゃんと二人で話がしたいんだけど、いいかな?」
優磨は功太に耳打ちした。
「ええ。それは勿論
ユウ、ちょっと席移るで」
功太はユウに立つように促した。
「はーい
未来ちゃん、あとはよろしくねー」
ユウは未来にそう言うと、功太と二人でVIPルームを出ていった。
二人きりになり、若干の気まずさを感じた未来は、精一杯の笑顔で優磨に話しかけた。
「まさか、こんなところでお会いするなんて、思ってもみませんでした…
心臓がバクバクいってます」
「ハッハッハ
そうだね、僕も信じられない思いさ。
まあ、これも何かの縁だよ。」
「そうですね。
ちょっとまだ不慣れでご迷惑をおかけするかもしれませんが、今日はよろしくお願いします。」
「そう?
ここに来てからそんなに経ってないの?」
「はい。
まだ一ヶ月くらいなんです。」
「へえ、ホントの新人さんなんだ。」
「はい。色々と勉強中です。
ところで、社長、何飲まれます?」
「未来ちゃんの成績になるんだったらちょっと良い酒でも飲むかな。
サロンはある?」
「えっ、いいんですか
すごく高いですよ」
水商売に不慣れな未来は、恐縮しながら言った。
そんな姿を優磨は新鮮に思いながら、笑って問題ない事を伝えた。
ボトルが運ばれてくると、未来は慣れない手つきでグラスに注ぎ、優磨に差し出した。
そして、自分の分も用意すると、ぎこちない笑みを浮かべながら乾杯をした。
「じゃあ、未来ちゃんがもっともっと可愛い女性になる事を祈って、乾杯」
「ありがとうございます」
未来は優磨の言葉に顔を真っ赤にしながら微笑み、そしてグラスに口をつけた。
それから二人は、お互いのプロフィール的な話をし合い、意気投合していった。
「へえ、じゃあ未来ちゃんはずっと小さいときから女性になりたかったんだ。」
「はい。
なりたかったっていうか、他の男の子達とは違うんだなあって思ってました。」
「恋愛対象も男の子だったの?」
「でも、その頃はよくわかんなくて…
なんとなく興味がある男の子もいたんですけど、そんな事思っちゃダメだって自分に言い聞かせて、敢えて避けるようにしていました。」
「そっか。
よっぽどお父さんが怖かったんだね」
「怖かったです、すごく」
「まあ、俺も似たようなもんか
親父がめちゃ怖かった…」
「社長もそうなんですか?」
「未来ちゃんも最初に会った時から気付いていたと思うけど、俺ヤクザなんだよ。
俺の家っていうか、親父もヤクザでね」
「最初に弁護士さんと来られたときは、そうなのかなあって思いましたけど、今こうしてお話ししていると、全然そんな風には思いません。」
未来は素直に思った事を口にした。
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