ニューハーフ極道ZERO

新章〜新たなる潮流〜

運命の再会

功太と優磨は店の奥にあるVIPルームに通された。

「良い店じゃん」

優磨はソファにどっかと腰掛けると、天井を見ながら言った。

すると、すぐにキャストが入ってきた。

「こんばんはー」

功太はキャストに視線を送ると、すぐに目を逸らし、優磨に向かって言った。

「あの、若

さっき言うてた、これが俺の付き合うてる女です…
うーん、女っちゅーか、ニューハーフというか…」

と…


「えーっ、そうなんだ

めっちゃ美人じゃん！」

優磨は思わず声を上擦らせてしまった。

「おい、こちらの岡田社長はウチの大事なお客様なんや。
ちゃんと挨拶せえ」

功太はキャストに向かって早口で言った。

「はーい

はじめまして、ユウといいます。
よろしくお願いしまーす」

「ユウさんね。

よろしく、岡田と申します。
いつも赤石さんにお世話になってます」


「そうなんですね。

ねえねえ功ちゃん

めっちゃ可愛い新人さんが入ったのよ。
社長さんにも絶対気に入ってもらえるはずだから、ここに呼んでも良い？」


「新人？

大丈夫か

くれぐれも粗相のないように頼むで」

功太はユウに小声で言った。


「大丈夫よ」

ユウはそう言ってVIPルームを出て行き、しばらくして新人を連れて戻ってきた。

「新人の未来ちゃんです。
ウチの次世代アイドル
可愛いでしょ？

未来ちゃん、ご挨拶して。」　


いきなり連れてこられて面食らっていた未来だったが、失礼があってはいけないと、慌てて挨拶をした。

「未来です。

よろしくお願いします…」

未来は深々と頭を下げた。

「おー、ホントだ

可愛い…」

優磨はそう言いかけて、固まった。

未来もまた、ここで初めて優磨の顔を確認して、絶句した。



「…ひょっとして、キミは…」

優磨が絶句したのも無理はない。


化粧してタイトなドレスを着た未来の姿は、この前対面した時以上の強いインパクトがあり、女性の姿になった事により。亡くなった恋人の夏希に似ていると感じたからだ。、

「この前は…わざわざ来ていただいてすみませんでした。」

未来は接客業である事をすっかり忘れ、ぎこちなく優磨に言った。