ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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新章〜新たなる潮流〜

願望

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優磨と鷹村が帰った後、未来は外出し、地下鉄に乗っていた。

西長堀から三駅、長堀橋駅に到着した。
六番出口を出て、堺筋を南に進むと、目的の場所があった。


「すいません、初めてなんですけど」


未来は緊張しながら受付で伝えると、問診票を渡された。

全てに記入して手渡すと、座って待つように言われた。


未来はさらに緊張しながら、自分の名前が呼ばれるのを待った。

幸い、自分意外は誰もおらず、その点だけは良かったと思いながら待つ未来であった。


「筒井さん、どうぞ」

ドアが開いて、キレイな女性が顔を出し、座って待つ未来に声をかけた。

「はい…」

未来は蚊の鳴くような声で返事して立ち上がり、女性に続いて中に入っていった。


中では白衣で眼鏡をかけた中年男性が座って待っており

「こんにちは」

と、声をかけてきた。

未来は慌てて頭を下げ、前に腰掛けた。


「今日は女性ホルモン剤の投与をご希望という事ですが、初めてですか?」

「はい。」

「そうですか。
当医院は国のガイドラインに沿って治療を行っているわけではありませんので、すぐに女性ホルモン剤の投与は可能ですが、事後の事については全て、患者さんの自己責任となりますので、事前に承諾書にもサインしていただいたと思いますが、その辺りの事はご了承下さい。」


「はい。
それは、理解しています。

今日二十歳の誕生日を迎えましたので、前からこの日にここに来ようと思っていました。」

「わかりました。
それでは、注射による効能、デメリットなど、詳しく説明していきます。」

医師の男は、未来に詳細を語ったが、殆どの事は事前にネットで調べていた通りであった。

説明が終わると、約束通りお尻に注射を2本打ってくれた。

未来は初診料1100円と注射代1540円の計2640円を支払い、病院を後にした。

子供の頃からずっと夢見てきた女性ホルモンを体に入れる事が出来て、嬉しい気持ちでいっぱいだったが、即効性の薬ではなく、長期間に渡って緩やかに変化するものなので、焦らずに気長に行こうと自分に言い聞かせた。

この時点で時刻は午後三時過ぎ
次の予定まで二時間近くある為、未来は近くにあるコーヒーチェーン店に入り、時間を潰すことにした。

未来は自分が思い描いていた世界に向かうべく、その第一歩を今踏み出したのであった。
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