ニューハーフ極道ZERO

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代理戦争編

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亮輔は、垂水組が所有するマンションの一室で多村の潜伏先を見つけるべく、情報を集めていた。


「松山さん、何か進展はありましたか?」


「あ、鷹村先生」


部屋に垂水組の顧問弁護士の鷹村が入ってきて、亮輔に言った。


「いえ、まだ目星が付いていません。」


「差し出がましいようだが、多村の潜伏先をこちらで特定させてもらいましたよ。」


「えっ、本当ですか!」


「残念ながら大西さんはあなた達のお仲間を救出に向かい失敗して捕まった。

警戒心旺盛の多村の事だ。

さすがにこれ以上は大人しくしておくでしょう。」


「兄貴が捕まった…


大人しくするとは、どういう事ですか?」


「多村はこのタイミングでお仲間を囮にしてあなたと大西さんを誘き出そうとした。
沢木との抗争中で彼自身が動くのは危険極まりなかったが、あなた達を捕まえるのはここしかなかったからね。

まんまと嵌められた大西さんは、あえなくそこで捕まってしまった。

多村にとってここまでは計算通りだったんでしょう。

唯一の誤算はそこに現れたのは大西さんだけで、あなたは現れなかった。

これ以上の危険は冒せない多村は、不本意ながらあなたの事は諦めて完全に身を隠し、今はただ、沢木組壊滅を命じた手下の活躍を夢見ている。」


「なるほど」


「これが潜伏先の住所です。

あなたの好きにすればいい。
もし、あなたがやらなければ沢木が急襲するでしょう。」


「いえ、俺がやります。

ありがとうございます。」


「ほう、単身で向かわれるんですね
向こうはボディーガードが少なくとも2名は付いています。
大丈夫ですか?」


「ええ。コレもありますし、なんとかやってみます」


亮輔はジャケットの上から左胸を触り、鷹村に言った。


「そうですか。

では、私は失礼します。」


「鷹村先生、ありがとうございました。」


「あ、そうだ。
ちょっと面白いものを手に入れましたので、あなたに差し上げましょう。
今のこの時代で、昔ながらのタマの取り合いの抗争ってのをまともにやろうとしてるんだから、そんな相手には確かに銃で向かうのが有効かもしれません。
しかし、こっちが敢えてそんなものに合わせる事もないですよ。
たとえば、こういうものを有効利用するとかね

どちらにしてもやり方はあなたが決める事だ。
頑張って下さい」

鷹村は鞄から何やら取り出して亮輔に手渡し、笑みを浮かべながら部屋を出ていった。


亮輔は手渡されたものを見つめていたが、すぐに前を向き、出立の準備を始めた。

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