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代理戦争編
作戦決行
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「いよいよ明日、庄山が出所してきますね」
亮輔は大西と大阪市内の垂水組所有のマンションに身を潜めていた。
「亮輔、庄山を殺るとしたら、ムショから出てきたタイミングしかねえ。
キムならどれだけリスクがあってもこの機会を逃さねえ筈だ。
そして、オヤジは何処かに身を隠して事の成り行きを見守る事だろう。」
「多喜を奪還するにはこのタイミングしかないって事ですね。」
「いや、用意周到にしてヘビのようにしつこいオヤジの事だ。
多喜を放置するとは考えられねえ。
多村組、三宅組、立正会の何れかに監視させてるのは予想がつくが、立正会は垂水組との絡みから表立って支援する事はないだろう。
と、なると、多村組か三宅組かって事だろうが、庄山を狙った瞬間から戦争になるのは目に見えてるんだ。
多喜に人員を割けるかどうかだな。」
「どうします?
一気に二人で多喜を救いに行きますか?」
「いや、多喜は俺が救い出す。
亮輔、お前はギリギリまでオヤジの行方を追え。」
「と、言われましても、この大阪の何処に潜伏しているかもわかりませんし、ひょっとしたら大阪を離れてしまっているかもしれません。」
「いや、オヤジは間違いなくこっちにいる
そして、この近くに潜伏して、事の成り行きを見てる筈だ。」
「何故わかるんです?」
「俺の勘だよ。
オヤジの性格を知り尽くした者のな。
それとな、オヤジの潜伏先を特定するのに、垂水組は勿論、大阪府警まで味方についてるって話だぜ。」
「大阪府警が?」
「知ってるか?
この辺は治安が悪くてな。Nシステムが至る所にあるって話だ。
警察の威信をかけても居場所を特定するはずだ。
だが、今のところオヤジを引っ張れるだけの罪状が無いから、特定したところで何も出来ない。
だから、その情報を垂水に流すってわけだが、垂水はそんなくだらない事に首を突っ込まない。
ならば垂水組から沢木へ、となるところだが、沢木だと三宅組との絡みもあって、それこそ戦争になるから警察も垂水組も情報は渡さない。」
「なるほど、そこで俺達なんですね。
俺達がオヤジを殺そうが警察に突き出そうが、それは内部抗争でしかないから、戦争にはならないってことですね。」
「ああ。
だからこそ、沢木には是が非でも庄山の身を守ってもらい、後は俺達とオヤジとの戦いの構図に導いていくってな。」
「わかりました。
俺の手でオヤジを止めます。」
「亮輔、これ持ってけ。」
大西は鞄から銃を取り出して亮輔に手渡した。
「これは」
「俺は多喜を連れ出すだけだ。
そんなものは必要ねえから。」
「リボルバーの38口径っすか…」
亮輔はやや緊張した面持ちで、手渡された銃を見つめながら言った。
亮輔は大西と大阪市内の垂水組所有のマンションに身を潜めていた。
「亮輔、庄山を殺るとしたら、ムショから出てきたタイミングしかねえ。
キムならどれだけリスクがあってもこの機会を逃さねえ筈だ。
そして、オヤジは何処かに身を隠して事の成り行きを見守る事だろう。」
「多喜を奪還するにはこのタイミングしかないって事ですね。」
「いや、用意周到にしてヘビのようにしつこいオヤジの事だ。
多喜を放置するとは考えられねえ。
多村組、三宅組、立正会の何れかに監視させてるのは予想がつくが、立正会は垂水組との絡みから表立って支援する事はないだろう。
と、なると、多村組か三宅組かって事だろうが、庄山を狙った瞬間から戦争になるのは目に見えてるんだ。
多喜に人員を割けるかどうかだな。」
「どうします?
一気に二人で多喜を救いに行きますか?」
「いや、多喜は俺が救い出す。
亮輔、お前はギリギリまでオヤジの行方を追え。」
「と、言われましても、この大阪の何処に潜伏しているかもわかりませんし、ひょっとしたら大阪を離れてしまっているかもしれません。」
「いや、オヤジは間違いなくこっちにいる
そして、この近くに潜伏して、事の成り行きを見てる筈だ。」
「何故わかるんです?」
「俺の勘だよ。
オヤジの性格を知り尽くした者のな。
それとな、オヤジの潜伏先を特定するのに、垂水組は勿論、大阪府警まで味方についてるって話だぜ。」
「大阪府警が?」
「知ってるか?
この辺は治安が悪くてな。Nシステムが至る所にあるって話だ。
警察の威信をかけても居場所を特定するはずだ。
だが、今のところオヤジを引っ張れるだけの罪状が無いから、特定したところで何も出来ない。
だから、その情報を垂水に流すってわけだが、垂水はそんなくだらない事に首を突っ込まない。
ならば垂水組から沢木へ、となるところだが、沢木だと三宅組との絡みもあって、それこそ戦争になるから警察も垂水組も情報は渡さない。」
「なるほど、そこで俺達なんですね。
俺達がオヤジを殺そうが警察に突き出そうが、それは内部抗争でしかないから、戦争にはならないってことですね。」
「ああ。
だからこそ、沢木には是が非でも庄山の身を守ってもらい、後は俺達とオヤジとの戦いの構図に導いていくってな。」
「わかりました。
俺の手でオヤジを止めます。」
「亮輔、これ持ってけ。」
大西は鞄から銃を取り出して亮輔に手渡した。
「これは」
「俺は多喜を連れ出すだけだ。
そんなものは必要ねえから。」
「リボルバーの38口径っすか…」
亮輔はやや緊張した面持ちで、手渡された銃を見つめながら言った。
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