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代理戦争編
居城
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大阪市港区にあるその会社は港湾事業に携わっているというが、そういう実態はなく、垂水組の隠れ家的な存在となっていた。
垂水組の構成員自体はあまり出入りしておらず、主に本当の作業員と沢木組の人間がたまに顔を出していた。
大西は受付で内線電話の受話器を取り
「もしもし、連絡していた大西と松山です」
と、伝えた。
しばらくすると、エレベーターから男が降りてきた。
「!!」
男の顔を見て、亮輔は驚き、そして、絶句した。
「話は聞いてます。
どうぞ、こちらへ」
男は左腕を三角巾で吊っていたので、右手でエレベーターのボタンを押し、二人を乗せた。
亮輔が驚いたのも無理はない。
男は沢木組構成員の赤石功太だったからだ。
以前にこの男達に多喜と共に捕まり、暴行を受けた憎き相手。
「どこかでお会いしたことありますか?」
赤石は亮輔の視線を感じ、そう伝えたが…顔をまじまじと見ていて
「あっ!」
と、声を出した。
スーツ姿と短髪だった事で気付かなかったが、よく見れば顔が麗華…いや、綾香と瓜二つではないか!
「アンタはあのときの?」
「その節はどうも…
なんとか男に戻れました。」
亮輔が言うと、赤石は
「あのときは色々すまんかったな。
まあ、お互い立場っちゅーもんがあるから」
と、バツ悪そうに答えた。
四階に着き、赤石に案内されて突き当たり奥の事務所入ると、何処をどう見てもヤクザな面構えの連中数人が座っており、皆が鋭い目つきで二人の方を見た。
「鷹村先生から連絡もらったお二人ですわ。」
赤石は皆に大西と亮輔を紹介した。
「大西です」
「松山です、よろしく」
二人が頭を下げると、赤石の兄貴分の山崎が立ち上がり、二人に座るように促した。
「沢木組の山﨑です。
アンタらとは色々あって敵対してきたが、まあ、今はこうやって協力関係にある。
よろしく頼みます。」
山崎が言うと、大西も
「ええ。我々は組の…いや、多村のやり方に反発して袂を分けました。
何としてでも止めなければなりません。
どうか皆さんのお力を貸してください。」
頭を下げて言った。
沢木組七名、多村組離脱者二名での話し合いが始まった。
垂水組の構成員自体はあまり出入りしておらず、主に本当の作業員と沢木組の人間がたまに顔を出していた。
大西は受付で内線電話の受話器を取り
「もしもし、連絡していた大西と松山です」
と、伝えた。
しばらくすると、エレベーターから男が降りてきた。
「!!」
男の顔を見て、亮輔は驚き、そして、絶句した。
「話は聞いてます。
どうぞ、こちらへ」
男は左腕を三角巾で吊っていたので、右手でエレベーターのボタンを押し、二人を乗せた。
亮輔が驚いたのも無理はない。
男は沢木組構成員の赤石功太だったからだ。
以前にこの男達に多喜と共に捕まり、暴行を受けた憎き相手。
「どこかでお会いしたことありますか?」
赤石は亮輔の視線を感じ、そう伝えたが…顔をまじまじと見ていて
「あっ!」
と、声を出した。
スーツ姿と短髪だった事で気付かなかったが、よく見れば顔が麗華…いや、綾香と瓜二つではないか!
「アンタはあのときの?」
「その節はどうも…
なんとか男に戻れました。」
亮輔が言うと、赤石は
「あのときは色々すまんかったな。
まあ、お互い立場っちゅーもんがあるから」
と、バツ悪そうに答えた。
四階に着き、赤石に案内されて突き当たり奥の事務所入ると、何処をどう見てもヤクザな面構えの連中数人が座っており、皆が鋭い目つきで二人の方を見た。
「鷹村先生から連絡もらったお二人ですわ。」
赤石は皆に大西と亮輔を紹介した。
「大西です」
「松山です、よろしく」
二人が頭を下げると、赤石の兄貴分の山崎が立ち上がり、二人に座るように促した。
「沢木組の山﨑です。
アンタらとは色々あって敵対してきたが、まあ、今はこうやって協力関係にある。
よろしく頼みます。」
山崎が言うと、大西も
「ええ。我々は組の…いや、多村のやり方に反発して袂を分けました。
何としてでも止めなければなりません。
どうか皆さんのお力を貸してください。」
頭を下げて言った。
沢木組七名、多村組離脱者二名での話し合いが始まった。
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