ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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大阪抗争編

捕縛

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多喜と亮輔は別々に店から連れ出され 
車に乗せられた。 

亮輔は目隠しされていたが、匂いと空気感で 
どうやら倉庫のようなところに連れてこられたと感じていた。 

目隠しを外されると、そこは、やはり倉庫だった。 

見上げると男が二人立っている。 

後ろ手に縛られている亮輔は ただ男達を睨むことしか出来なかった。 

「しかし似てるのう。瓜二つっちゅうのはこういう事を言うねんなあ。姉ちゃん、お前一体何者や?」 

「だから言ってるでしょ!私は麗華の姉の美香よ!なんでこんな目に遭わされなきゃなんないのよ!」 


「そんな嘘つかんでええねん。 
麗華、いや、綾香には身内はおらん。お前は多村のとこから来た奴やろ?」 

今まで後ろで黙っていた若い男がしゃがんで亮輔の髪を掴みながら静かに言った。 

亮輔は全てがバレていることにショックを受けつつも、その若い男から目を切ることなく睨み続けた。 

「なかなか気の強い姉ちゃんやな。根性だけは綾香以上にあるのは認めたる。 

けどなあ、ワシらヤクザやで。いつまでも黙ってられると、色んなことせなあかんねん。」 

「…」 

「一個だけ教えといたるわ。お前をこんな目に遭わしてんのは綾香やで。」 

「えっ!?」 

「前々から、アイツ言うとったんや。同じ顔したヤツがこの辺に現れたら、自分を殺すために来たに違いないから、捕まえてくれってな。」 

「…」 

綾香がそう思うのは無理もない。あの多村なら、亮輔を使ってそれくらいの事をしてもおかしくないと考えていたのであろう。 

だからこそ、それを防ごうと先手を打とうとしたのに… 

亮輔は悔しい思いで唇を噛んだ。 

「俺らもな、あんな小娘のために一々動きたくなかったんやが、あのガキ、いつの間にか 
ウチの組長の愛人におさまりやがってな。 
お前ら不審者を捕まえたってわけや。」 

「…」 

「あかんなあ、調子に乗って喋りすぎてしもたわ。

とりあえず、体に教えこんだるわ。 
ここはワシらが調教に使うてる部屋もあるしな、楽しみにしとけや。」 

亮輔は腕を両サイドから持たれて、無理やり立たされて、奥にある小部屋に連れて行かれた。 

「よっしゃ、服脱がせ。」 

若い方の男が命令すると、もう一人の男が亮輔の服を乱暴に剥ぎ取った。
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