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沢木組編
分水嶺
しおりを挟む「なんで兄貴が破門にならなあかんぬん!
ムチャクチャやないか!」
薫の引っ越し作業を手伝いながら功太は怒りを抑えることが出来なかった。
「いいんだよ、これで。功太、お前のことは山崎さんに頼んであるから、後の事は心配しなくていい。」
薫は功太の肩をポンとたたいた。
「兄貴、俺は兄貴がおるからここまでやってこれたんです。
それやのに、こんな理不尽な辞め方させられて、ホンマにキレてしまいそうですわ。」
「功太、理不尽でも何でもなく、俺が望んだ事なんだよ。」
「どういう事ですか?」
薫は一瞬迷ったが、全てを話す事を決心した。
「功太、俺が何でヤクザになったかって、前に言ったよな」
「はい。地元でなんか色々あって、お母さんが‥」
「そう。母親の自殺があって、自暴自棄になってたところをオヤジと姐さんに拾われたんだけど、母の死は、自分が原因だったんだ。」
「えっ」
「最後だし、俺の話を聞いてもらおうかな。」
「兄貴‥」
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