73 / 333
失意
しおりを挟む
「亮輔、お前が性転換されて、誰かに会ったか?」
「… えっと、多喜に会いました。」
「そうだったな。アイツは俺のところにお前の居場所を聞きに来たんだった。
お前らは仲が良かったから、仕方無しに教えてやったんだった。」
「はい…」
「それ以外は?」
「いえ… 誰とも…」
「じゃあ大丈夫だな。」
「それが何か…」
「亮輔、お前との結婚式だがな、良い考えが浮かんだんだよ。」
「…?」
「お前は綾香として、俺と結婚するんだ。」
「えっ? それじゃあ… やっぱり影武者ってことですか?」
「違う。お前が本物の綾香になるんだよ。」
「おっしゃってる意味がよくわからないんですが…」
「綾香の戸籍をそっくり頂くのさ。」
「!!」
「つまり、お前は影武者ではなくて、本物の綾香になる。」
「そんなこと…」
「無理に決まってると思ってんだろ?
まあ任せておけ。」
「綾香はどうなるんですか?」
「言ったはずだ。アイツは絶対に許さないとな。」
亮輔は背筋が凍る思いで、多村の話を聞いていた。
多村への愛情から、すっかり忘れていたが、彼の本当の恐ろしさを身をもって知っているのは自分ではないか…
やはりカタギではないのだ。
「亮輔、お前も一度は俺の杯を受けて、この世界に入ったんだ。覚悟を決めろ。
それに、俺はまだお前を破門にはしてねえんだから。
今も松山亮輔は、多村組の組員なんだよ。
わかったな?」
「わかりました…」
「心配するな。これはあくまでも一過性の措置だ。いずれ正式に女性としての戸籍を取ってやる。」
「はい… よろしくお願いします…」
亮輔は前途に不安を抱きながらも、従わざるを得ない自分の無力さに肩を落とした。
「… えっと、多喜に会いました。」
「そうだったな。アイツは俺のところにお前の居場所を聞きに来たんだった。
お前らは仲が良かったから、仕方無しに教えてやったんだった。」
「はい…」
「それ以外は?」
「いえ… 誰とも…」
「じゃあ大丈夫だな。」
「それが何か…」
「亮輔、お前との結婚式だがな、良い考えが浮かんだんだよ。」
「…?」
「お前は綾香として、俺と結婚するんだ。」
「えっ? それじゃあ… やっぱり影武者ってことですか?」
「違う。お前が本物の綾香になるんだよ。」
「おっしゃってる意味がよくわからないんですが…」
「綾香の戸籍をそっくり頂くのさ。」
「!!」
「つまり、お前は影武者ではなくて、本物の綾香になる。」
「そんなこと…」
「無理に決まってると思ってんだろ?
まあ任せておけ。」
「綾香はどうなるんですか?」
「言ったはずだ。アイツは絶対に許さないとな。」
亮輔は背筋が凍る思いで、多村の話を聞いていた。
多村への愛情から、すっかり忘れていたが、彼の本当の恐ろしさを身をもって知っているのは自分ではないか…
やはりカタギではないのだ。
「亮輔、お前も一度は俺の杯を受けて、この世界に入ったんだ。覚悟を決めろ。
それに、俺はまだお前を破門にはしてねえんだから。
今も松山亮輔は、多村組の組員なんだよ。
わかったな?」
「わかりました…」
「心配するな。これはあくまでも一過性の措置だ。いずれ正式に女性としての戸籍を取ってやる。」
「はい… よろしくお願いします…」
亮輔は前途に不安を抱きながらも、従わざるを得ない自分の無力さに肩を落とした。
2
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
pretty preschool teacher
フロイライン
BL
愛多幼稚園新人教諭の石川遥は、その美貌と優しい性格から、子供達は勿論のこと、その保護者からも圧倒的な支持が寄せられていた。
しかし、遥には誰にも言えない秘密があった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる