ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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実効支配

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夜になって、多村が帰ってきた。 
亮輔がいるマンションの方に。

「お帰りなさい。今日はこちらの方に帰って来たんですね。」 

亮輔は意外な表情を浮かべて多村を見つめた。 

「毎日綾香のとこばかり帰ってたんじゃ 
お前も寂しいかと思ってな。」 

多村はニヤリと笑って言った。 


「嬉しい!」 

亮輔は多村に抱きついて激しいキスをした。 

勿論、演技が多分に入っていたが、身も心もすっかり女性化してしまっている亮輔は 
寂しいという感情を時折感じるようになっていた。 
それ故に、自分の方から抱きついていったのも、自然の感情から出たものであるとも言えた。

しかし、昼間の綾香の話が頭をよぎると、一気に気持ちが萎えた。 

「相変わらずやらしい女だな。まあ、そういうのは嫌いじゃないぞ。 
じゃあ、先に風呂入るか。 
お前も一緒に入って背中を流してくれ」 

「はい。すぐに用意します。」 

亮輔は二人分のタオルと着替えの準備を手早くして、多村を風呂に案内した。 

「入ります。」 

多村が風呂に入ってからしばらくして 

亮輔も裸になり、恥ずかしそうな表情を浮かべながら中に入った。 

亮輔は多村の背中にくっつき、全身を使って体を洗い流した。 

多村は亮輔のサービスをたっぷり受けた後、湯船に浸かり、亮輔の見事な肢体を見つめて言った。 

「いつ見ても、いい体をしているな… さあ、お前も入れ。」 

亮輔はかけ湯をした後、多村の前にはまり込むようにして湯船に体を浸けた。 

「体の調子はどうだ?」 

多村は後ろから亮輔を抱きしめて、耳にキスしながら質問した。 

「ええ… もうすっかりいいです。」 

「そうか。 それは何よりだな… ここはどうだ?」 

今度は亮輔の乳房を両手で揉みながら笑って言った。 

「あんっ… そこも… 大丈夫です…」 

亮輔はゾクッとするような快感に包まれながら、身を硬直させた。 

「亮輔、俺は綾香と同じくらいお前を愛している。 
これはウソじゃない。内面的にはお前の方が素晴らしいとさえ感じてる。

だから、今日はこっちに帰ってきたんだ。」 


「ありがとうございます…」 

亮輔は振り返って多村とまた激しいキスをした。 
舌を絡めながら、亮輔は男性に対して平気でキスが出来る自分の変化に、あらためて驚いた。

しかし、明日の夜、綾香が消えた瞬間から始まるであろう修羅場を想像すると、背筋に冷たいものが走るのを感じずにはいられなかった。
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