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男の証
しおりを挟む簡単にイカせる事が出来た綾香に対して、喘ぎ声一つ上げさせられない現実が、辛うじて気を張っていた亮輔を一気に萎えさせた。
そして、挿入中であるにもかかわらず、中折れしてしまい、継続出来なくなってしまったのである。
「…ごめんなさい。これ以上ムリみたい。」
元に戻ってしまった貧相なペニスを抜いて、亮輔は二人に申し訳なさそうに謝った。
多村はニヤッと笑いながら言った。
「有紀ちゃん、全然ダメじゃないかあ。
綾香、久しぶりに最愛の元男とやってみてどうだった?」
綾香は寝たまま、多村の方を向き首を横に振った。
「全然良くなかった… 少しガッカリしたわ。」
綾香はさっき自分のプライドを傷つけられた仕返しで言ったのか、多村への恐怖心から出た言葉だったのかはわからない。
しかし、その言葉は、ほんの僅か残っていた
亮輔の男としての自尊心をえぐり取るように傷つけた。
「女を満足させてやらないと、男とは言えんからな。
どれ、俺が代わってやろう。有紀はしばらく休んでおけ。」
多村は寝ている綾香に、さっき亮輔がしたように覆い被さり、蛇のような執拗な責めを浴びせた。
綾香は一転して反応良く声を上げ始めた。
明らかに亮輔のときより声が大きい。
多村は気を良くして、チラッと亮輔の方に視線を送った。
亮輔は寂しげな表情で二人を見つめている。
多村は前戯もそこそこに、早くも挿入しようと体勢を変えた。
綾香の方も充分に受け入れ体勢が整い、顔を紅潮させている 。
多村は亮輔のとは比べものにならないくらい大きくなったペニスをグイグイと綾香の中に押し込んだ。
「ああっ!」
挿れた瞬間に綾香は大きな声を上げた。
まさに極道ならではの激しい責め方であった。
時間にして僅か一分で、綾香は体をピクピクと痙攣させてイッてしまった。
亮輔は思い出していた。
綾香は元々すぐにイッてしまうタイプであった。亮輔がまだ男のときにしていたときも、一晩に何度もイッていた。
それが… 今の亮輔では声一つ上げさせることが出来なくなっているのだ。
多村が綾香にヘンな薬を使っていようが使っていまいが、こうやって改めて現実を見せつけられてしまうと、胸が締めつけられそうになった。
まさに多村の狙い通りに事が進んでいった。
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