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再会
しおりを挟む「綾香…」
「亮ちゃん?
ホントに亮ちゃんなの!?」
綾香は変わり果てた亮輔の姿を呆然と見つめて言った。
「綾香… 俺の顔、一体どうなってる?
ここは鏡も窓も無くてな… どんな風にされたか、自分でわかんねえんだよ。」
「亮ちゃん…
女の子みたいに整形されちゃってるよ…
っていうか… 私とそっくりな顔になってる…」
「え!? 鏡持ってるか?」
綾香は頷いてバックから鏡を取り出した。
「ま、まさか…」
亮輔は綾香から受け取った鏡を見て愕然とした。
3ヶ月振りに見た自分の顔は
自分が19年間見てきたものではなく、全くの別人…
いや
今目の前に立つ女性とよく似た顔にされているではないか!
「一体何のために… こんなことを…」
亮輔は多村の真意がわからず、頭を抱え、また恐怖した。
「ところで綾香… お前、何でここに?」
「うん。 パパに… ここにいる女に化粧して私の服を着せるようにって命令されて来たの。」
「なんだって?」
「私もあの後パパにヒドい目に遭わされたわ。
今日初めて外出させてくれると思ったら
いきなりこんな事を命令されて…
おかしいと思ったわ。」
「見せしめってわけか…」
「亮ちゃんには悪いけど
パパの命令通りにしなきゃまた何されるかわかんないからメイクと着替え
させちゃうからね。」
綾香はそう言うと
持ってきた黒のキャミソールを亮輔に着せようとした。
「お前、俺にこんなもん着せるつもりか!
もっとちゃんとした服ねえのかよ!」
「私の服装がこんなのばかりだって
一番知ってるのは亮ちゃんでしょ?
それにこれを着せるのもパパの命令なのよ。
パンティとブラも持ってきてるから
ちゃんと着けてね。」
「ちっ もうどうでもいい。」
亮輔は諦めて下着を受け取った。
「亮ちゃん… それ…!?」
綾香は着替えようと
服を脱ぎ捨てた亮輔の体を見て絶句した。
「ああ、これか…
豊胸されたんだよ。 すげー胸してんだろ?
下は下でタマ取られちまったよ
これで女とも一生出来ないし、第一 、今は全く性欲すら湧いて来ねえんだよ。」
亮輔は敢えて明るく笑いながら言った。
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