ニューハーフ学園

フロイライン

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CHEMISTRY

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「あれ、光瑠ちゃん、もう帰ってたんだ。」


晴翔が寮に帰ってくると、光瑠が二段ベッドの下段で、毛布に包まって横になっていた。


「あ、お帰り」


光瑠は、上半身を起こして晴翔を出迎えたが、言われた晴翔は思いっきり驚いた。


「えっ、どうしたの…光瑠ちゃん

いつもお帰りなんて言った事なかったのに…」


「今までがおかしかったんだよ。
ホントにごめんね」

日頃のガラの悪い言葉ではなく、トーンも優しく、それに薬の影響で声も甲高くなった光瑠の言葉は、女子そのものだった。

「光瑠ちゃん、何があったの?

朝はこんなんじゃなかったじゃない…」


「ううん。
ホントはムリしてたの。

今、ハルちゃんに見せてる姿が本当のワタシよ。」


「ワタシって…

いやいや、ちゃんとワケを教えて。
今日何があったの?」

晴翔が側に行って詰め寄ると、ようやく光瑠はちゃんと起き上がり、力なく笑いながら、今日の実験について詳しく話をした。



「えーっ、イッたって?

ホントに?」


「うん…」


「それはあり得ないんじゃないかなあ。

ワタシもニューハーフ志望だから、ずっと前からネットとかで色々と調べてきたのよ。

去勢した状態で、胸とか触られただけでイッちゃうなんて、まずあり得ないわ。」


「でも、ホントにイッたもん。

頭が真っ白になって、体が痙攣して…」


「ウソ…
マジで言ってる?」


「マジよ大マジ。

おかげで、今まで辛うじて守ってきた男の尊厳みたいなものが、音を立てて壊れちゃった。

もう、ムリすんのやめよって。」


「じゃあ、これが本当の光瑠ちゃんなの?」


「そうだよ。

ハルちゃん、ワタシ、素直になるから…
これからもよろしくね。」


「うん…

あっ」


「どうしたの?」


「光瑠ちゃん、コレ何?」

晴翔は、机の上に置いてあるバイブとローションを目ざとく見つけ、光瑠を問いただした。


「あ、これね…

来週までにお尻の穴を拡げとけって渡されたの…」


「ヤダ、そんな事までさせられるの?」


「ハルちゃんはしたことあるの?」

「うん…
実は、ワタシも前に内緒で買ってきて、一人で試してみたんだけど、全然入らなかったわ。」


「そうだよね。
ワタシもさっき、早速試してみたけど全然ムリだった。

実験に来てた人からは、先ずは指一本からって言われたから、少しずつやってみるよ。」


晴翔は、光瑠の変貌ぶりに驚きながらも、自分が目指す姿になっていく彼女に、羨ましさを感じるのだった。
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