oh my little love

交差する思い

終わりのとき

俺と友梨奈は昼前まで、嫌というほどヤリまくり、二人ともグッタリしてしまっていた。


しばらく寝ようってなったんだけど、家事が気になるらしく、友梨奈がなんとか先に起き上がった。


「もうちょっと寝てなよ。」


俺は、友梨奈の腕を引っ張ったが、彼女は少し笑みを浮かべ、俺の手を優しく外し、そして布団の中にしまった。


「お洗濯して早く干さないと、乾かなくなっちゃうしね。」



「ごめんね、友梨奈

家の事を任せっきりにして。」


「何言ってんのよ。
私は昭和の人間だよ。

旦那さんに尽くしたいっていう本能があるの。」


「えーっ、そんなのないよ。」


「あるある。」


友梨奈は楽しそうに笑った。


そして、起きて立ち上がった瞬間、ベッドの中にいる俺に向かって


「あ、言うの忘れてたんだけど、前の旦那の会社、倒産したって。」


「えっ…

ウソ…」


「ホントよ。

元々財務体質もそれほどよかったわけじゃないからね。

全てはバカ女に引っかかってしまったバカ男が悪いんだけど。」


「いや、友梨奈はお金を貸してたじゃん。

あの金は…」


「それは勿論、パァよね。

家も債権者に押さえられちゃってるだろうから、どう足掻いても回収は無理だね。」


「いいの？
何千万のお金を…」


「いいのよ。
貸した時点で返ってこないって事もある程度想定していたのよ。

これもまた運命だね」


「えーっ」


「それに、あの家に住めなくなって、どこに行ったかは知らないけど、もう一生会わなくても済むしね。

あの家にいるとなったら、また会ってしまう可能性もあったわけだし。」


「そっか…
でも、あれは友梨奈の大切なお金だったわけだし…」


「昔の私だったら惜しいって思ってたかもしれない。

でも、今はお金なんかよりも遥かに大切なものが私にはあるから。」


そう言って、友梨奈は俺のところに戻り、熱いキスをしてきた。

俺も望むところで、友梨奈を抱きしめ、さらに深いキスをした。