oh my little love

フロイライン

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新生活宣言

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ついに!根本友梨奈とその娘の蒼が東京に到着した。
蒼が入院してたとき以来だから、二人にとっては、実に一年半振りの東京だった。


「あっ」


東京駅のホームで待つ俺の目の前に、友梨奈さんと蒼が姿を現した。



相変わらず二人共美しい。



蒼もすっかり髪が伸び、倒れる前と変わらぬビジュアルを取り戻した。

それともう一つ、すぐに気づいたことがある。

それは、蒼が予想以上に体の具合が回復していた事だ。

一年前は一目見てわかるくらいの麻痺があった。
でも、今、俺の目の前にいる蒼は、そのような感じには全く見えず、倒れる前と変わらない状態に見える。

これは、本人の強い意思の賜物であり、相当辛いリハビリを文句を言わずに黙々と頑張ってきた結果であろう。

「蒼、すっかり良くなったんだな」


「うん。おかげさまで、かなり動くようになったの。」


蒼がそう言うと、友梨奈さんが


「この子、愁ちゃんをビックリさせるんだって言って、内緒で頑張ってたの。

体の回復具合を、電話でも全然言わなかったでしょ?」

と、横から俺に言って笑った。


次の瞬間、俺は蒼を抱きしめていた。


蒼は一瞬ビクッとしたが、すぐに手を俺の背中に回して、力強く抱き返してきた。

思わず、感極まって取ってしまった行動だったが、俺は横目で友梨奈さんの方を見た。


少しビビりながら友梨奈さんの表情を確認したんだけど、抱き合う俺達を笑顔で見つめていた。



よかった…ホッとした…



でも、よくよく見ると、目が全然笑ってなくて、ビー玉みたいな無機質な視線を送ってきていた。


怖っ



抱擁を終えた俺は、少し動揺しながら


「昼まだですよね?

メシ食べていきます?」

と、提案。

二人共頷いた。

八重洲北口の改札を出た俺達は、そのまま地下におり、何か良い店がないか探しながら歩いた。


「広島焼きは要らないよね?」

右手に見えてきた店を指さして聞くと


「うん。
福山も一応広島だからね」

と、友梨奈さんは言って笑った。


「相変わらずラーメン屋はどこも混んでるよなあ」


「そうだね、並んでまで食べるのは」

蒼も呟くように言った


「あ、ここ左に行ったところにも食べるとこ、結構あるんすよ」

俺達は突き当たりを左に進んだ。


もう一本並行して通る地下の通りがあり、そこにも多くの飲食店が立ち並んでた。


「ホントね。

回転寿司屋もある」


「都市型店舗なので、少し値段が高いですけど…
ここにします?」


俺の提案に二人共頷いた。

俺ら三人は回転寿司屋に入っていった。

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