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前後不覚
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俺は最低だ。
蒼とこの東京で再会し、愛を誓ったあの日の事をすっかり忘れて、浮気をした。
彼女が病気で入院中なのをいい事に…
それもその母親と。
蒼という美しい恋人がいるにもかかわらず、母親の友梨奈さんとしてしまったのは一体何故か。
いくら魅力的だとはいえ、自分と倍ほど歳の離れた女性とそういう関係になってしまったのは、やはり心のどこかでニューハーフではなく、本物の女性とセックスしてみたいという気持ちがあったからだ。
そして、その欲求に負けてしてみたら、予想以上に良かった…
いや、良すぎた
俺は隣で眠る友梨奈さんを見つめながらそのような事を考えていた。
「愁ちゃん、どうしたの?」
友梨奈さんが目を覚まして、見つめる俺に言った。
「あ、ごめん
起こしちゃったね」
「ううん、いいのよ
でも、あんまりまじまじ見ないで。
オバサンのすっぴん見られるの恥ずかしいわ」
「何言ってるの
友梨奈さんはすごく綺麗だし、魅力的だよ」
「愁ちゃん
これ以上あなたを好きにさせないで。
もうすぐお別れなのに、忘れられなくなっちゃうわ」
「友梨奈さん…」
「私はホント悪い母親ね。
自分の子供の恋人を寝取ってしまうなんて。
それもあの子が入院してるっていうのに」
「そう言わないで下さい。
俺があなたの魅力に負けてしまったからこうなったわけで…
お互いに同意したから、今の状況があるんです。」
「そうね
そう言ってもらえると、少し気持ちがラクになるわ。
主人とはもう十年以上セックスレスで、そんな生活が当たり前だと自分に言い聞かせながら生活してきた。
元々性欲は強いって自覚がありながらね。
そして今回、蒼太が倒れたって連絡を受けて東京まで来て、ほぼパニック状態になりながら看病をしていた。
あなたのおかげもあって、蒼太は意識を取り戻して、私はホッとしたというか…
お酒のせいかもしれないけど、今まで抑えていたものが一気に出ちゃったというか…」
「それは俺も同じです。
蒼と付き合うようになってから、他の女性に興味が湧く事なんて一切なかったんです。
なのに、酔ったあなたを抱き抱えてベッドに連れていったとき、抑えられない感情が出てしまい…」
「正直言うとね、私をそういう目で見てくれたのがすごく嬉しくて、舞い上がっちゃったわ。
幾つになっても女として見られたい…
それはみんなに共通する事だと思う。」
「友梨奈さん…」
「悪い事とわかってても、自分の気持ちに嘘はつけないわ。
愁ちゃん、大好きよ」
「俺もです」
こんなにも波長の合う女性に出会うとは思ってもみなかった…
その一言に尽きる
蒼とこの東京で再会し、愛を誓ったあの日の事をすっかり忘れて、浮気をした。
彼女が病気で入院中なのをいい事に…
それもその母親と。
蒼という美しい恋人がいるにもかかわらず、母親の友梨奈さんとしてしまったのは一体何故か。
いくら魅力的だとはいえ、自分と倍ほど歳の離れた女性とそういう関係になってしまったのは、やはり心のどこかでニューハーフではなく、本物の女性とセックスしてみたいという気持ちがあったからだ。
そして、その欲求に負けてしてみたら、予想以上に良かった…
いや、良すぎた
俺は隣で眠る友梨奈さんを見つめながらそのような事を考えていた。
「愁ちゃん、どうしたの?」
友梨奈さんが目を覚まして、見つめる俺に言った。
「あ、ごめん
起こしちゃったね」
「ううん、いいのよ
でも、あんまりまじまじ見ないで。
オバサンのすっぴん見られるの恥ずかしいわ」
「何言ってるの
友梨奈さんはすごく綺麗だし、魅力的だよ」
「愁ちゃん
これ以上あなたを好きにさせないで。
もうすぐお別れなのに、忘れられなくなっちゃうわ」
「友梨奈さん…」
「私はホント悪い母親ね。
自分の子供の恋人を寝取ってしまうなんて。
それもあの子が入院してるっていうのに」
「そう言わないで下さい。
俺があなたの魅力に負けてしまったからこうなったわけで…
お互いに同意したから、今の状況があるんです。」
「そうね
そう言ってもらえると、少し気持ちがラクになるわ。
主人とはもう十年以上セックスレスで、そんな生活が当たり前だと自分に言い聞かせながら生活してきた。
元々性欲は強いって自覚がありながらね。
そして今回、蒼太が倒れたって連絡を受けて東京まで来て、ほぼパニック状態になりながら看病をしていた。
あなたのおかげもあって、蒼太は意識を取り戻して、私はホッとしたというか…
お酒のせいかもしれないけど、今まで抑えていたものが一気に出ちゃったというか…」
「それは俺も同じです。
蒼と付き合うようになってから、他の女性に興味が湧く事なんて一切なかったんです。
なのに、酔ったあなたを抱き抱えてベッドに連れていったとき、抑えられない感情が出てしまい…」
「正直言うとね、私をそういう目で見てくれたのがすごく嬉しくて、舞い上がっちゃったわ。
幾つになっても女として見られたい…
それはみんなに共通する事だと思う。」
「友梨奈さん…」
「悪い事とわかってても、自分の気持ちに嘘はつけないわ。
愁ちゃん、大好きよ」
「俺もです」
こんなにも波長の合う女性に出会うとは思ってもみなかった…
その一言に尽きる
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