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玉の輿
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「そんなに大きくはないが、私は福山で不動産関係の会社を経営しているんだが。
息子には後を継がせたいと考えていて、小さい頃から英才教育といっては大袈裟だが、厳しく育ててきたつもりだ。
だが、蒼太は私の敷いたレールに乗ることを快くは思っていなかった。」
「そうですね。
ても、後を継ぐのがイヤというより、偽りの自分を演じるのがキツかったんだと思います。」
「ああ。君に色々話を聞いて、それはようやく理解したつもりだ。
本来ならアイツの生き方を肯定して、応援してやるのが一番だと思う。
しかし、蒼太は倒れてしまった。
それ故に今の仕事を続けるのはもう無理だろう
だったら蒼太を福山に連れ帰って家業を継がせようと考えているんだ。
勿論、もうアイツの生き方を否定するつもりはない。
ニューハーフとして生きたいのであれば、今の姿で仕事をすればいい。」
「なるほど…
そういうことですか」
「君と蒼太が結婚したいのならば、それは本人同士の事だからもう反対はしない。
しかし、君が東京で蒼太が福山というわけにはいかないと思うんだ。
ならば、勝手な言い方だとは思うが、君に福山に来てもらいたい。」
「…」
「勿論、蒼太ではなく君がウチの会社を引き継いでくれてもいいと思っている。」
「いや、あの、まだ大学卒業まで三年もありますし、そんな状況の中、福山に行くっていうのは…」
蒼の事を認めたのはいいとして、何なんだ、このムチャな話は。
「そうだったね
色々と考えすぎて、メチャクチャな話を君にしてしまった。
許してくれ」
「いえ…
でも、蒼さんが実家に戻って住むのは僕も賛成です。
これから色々心配な事も多いですし。
それから、もし可能でしたら、大学を卒業したら、福山で仕事を探して、蒼さんと一緒に住みたいと思っています。
それまでは遠距離になりますが。」
「山崎君、それはあまりにも悪いわ
福山で就職活動なんて、結構大変だと思うし、そこまであなたに負担はかけられないわ。」
ここでお母さんが会話に入ってきた。
「いえ、それは自分のためでもありますし、二人にとって一番いい形なんじゃないかなって。」
偽らざる俺の気持ちを伝えると、二人共申し訳なさげに頭を下げた。
息子には後を継がせたいと考えていて、小さい頃から英才教育といっては大袈裟だが、厳しく育ててきたつもりだ。
だが、蒼太は私の敷いたレールに乗ることを快くは思っていなかった。」
「そうですね。
ても、後を継ぐのがイヤというより、偽りの自分を演じるのがキツかったんだと思います。」
「ああ。君に色々話を聞いて、それはようやく理解したつもりだ。
本来ならアイツの生き方を肯定して、応援してやるのが一番だと思う。
しかし、蒼太は倒れてしまった。
それ故に今の仕事を続けるのはもう無理だろう
だったら蒼太を福山に連れ帰って家業を継がせようと考えているんだ。
勿論、もうアイツの生き方を否定するつもりはない。
ニューハーフとして生きたいのであれば、今の姿で仕事をすればいい。」
「なるほど…
そういうことですか」
「君と蒼太が結婚したいのならば、それは本人同士の事だからもう反対はしない。
しかし、君が東京で蒼太が福山というわけにはいかないと思うんだ。
ならば、勝手な言い方だとは思うが、君に福山に来てもらいたい。」
「…」
「勿論、蒼太ではなく君がウチの会社を引き継いでくれてもいいと思っている。」
「いや、あの、まだ大学卒業まで三年もありますし、そんな状況の中、福山に行くっていうのは…」
蒼の事を認めたのはいいとして、何なんだ、このムチャな話は。
「そうだったね
色々と考えすぎて、メチャクチャな話を君にしてしまった。
許してくれ」
「いえ…
でも、蒼さんが実家に戻って住むのは僕も賛成です。
これから色々心配な事も多いですし。
それから、もし可能でしたら、大学を卒業したら、福山で仕事を探して、蒼さんと一緒に住みたいと思っています。
それまでは遠距離になりますが。」
「山崎君、それはあまりにも悪いわ
福山で就職活動なんて、結構大変だと思うし、そこまであなたに負担はかけられないわ。」
ここでお母さんが会話に入ってきた。
「いえ、それは自分のためでもありますし、二人にとって一番いい形なんじゃないかなって。」
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