16 / 202
蒼の独白②
しおりを挟む
中学生になって、何が嫌って、あの学生服が嫌で嫌で仕方なかった。
それと相俟って、自分を理解してくれない両親への反発と寂しさがどんどん積み重なって、ついに、ワタシの心は壊れてしまった。
一年の一学期の終わり頃には、学校を休みがちになり、夏休みが明けて、二学期が始まっても、ワタシが学校へ行く事はなかった。
父は小さいながらも、地元で会社を経営しており、一人息子のワタシに跡を継がせるつもりで英才教育を施してきた。
それなのに、ワタシが不登校になったもんだから、激怒し、引き摺られるようにして無理矢理学校に通わされた日もあった。
中学入学時、ワタシの成績は学年トップだったけど、三年生になる頃には最下位に近いくらいに落ちていて、まともな高校には入れないと、面談で担任の先生に言われていた。
親への体裁を取り繕うため、ワタシは県内でも有数の低偏差値の私立高校に進学をした。
勿論、高校でも休みがちになり、友達なんて一人もいなかった。
苦しくて苦しくて、ワタシは自分と同じような境遇の人はいないかって、探すようになっていった。
ほどなくして、夏休みの終わり頃に、SNSがきっかけで知り合った人がいたの。
ユウさんていう人で、年齢はワタシの一個上で、隣町に住んでるって事で、ワタシは早速コンタクトを取る事にしたわ。
ユウさんは、ワタシのメールにすぐに返事をくれて、一度会おうって事になり、一週間後、ワタシ達は待ち合わせをした。
待ち合わせ場所に現れたユウさんは、バッチリメイクしてて、スカート姿で髪も長く、どこから見ても女性そのものだった。
ワタシは女装も何もしてなかったからとても恥ずかしかったんだけど、ユウさんのあまりの美しさに息を呑んだ。
私たちはすぐに意気投合し、同じ悩みを持つ者同士、大の仲良しになったわ。
ユウさんは、知り合いから譲ってもらった女性ホルモンの錠剤を持っており、定期的にそれを服用してた。
ワタシにも分けてくれたから、飲み始めて、何ヶ月かすると、少し胸が膨らんできた。
それがとっても嬉しくて、ワタシはもっともっと女っぽくなりたいって思うようになっていった。
ユウさんと知り合ってから一年が経ったある日、ワタシが17、ユウさんが18のときね。
ユウさんが高校を中退して、東京に行くって言ってきた。
本格的にニューハーフとして生きていく決心がついたからって。
ワタシはまたどん底に堕ちてしまった。
仲良かった人がまたワタシの前から消えてしまうって。
もう一人になるのは嫌。
そう考えたワタシは、ユウさんに話して
ワタシも東京に行ってニューハーフになる事を決めた。
勿論、両親は反対するに決まってる。
女性ホルモンだって内緒で服用してるけど、バレたら多分殺されてると思うし。
ワタシは書き置きを残し、キャリーケース一つと大きなボストンバックだけ持って家出同然で東京に向かった。
ユウさんはワタシの事もちゃんと話してくれてて、ワタシはユウさんが借りたお部屋に住ませてもらい、なんとかニューハーフとしての生活が送れるようになった。
それから三年、ワタシはがむしゃらに働き、一人暮らしもして、女性ホルモンもちゃんと病院で打つようになったわ。
去年、タマ抜き‥えっと去勢手術も行なった。
それと相俟って、自分を理解してくれない両親への反発と寂しさがどんどん積み重なって、ついに、ワタシの心は壊れてしまった。
一年の一学期の終わり頃には、学校を休みがちになり、夏休みが明けて、二学期が始まっても、ワタシが学校へ行く事はなかった。
父は小さいながらも、地元で会社を経営しており、一人息子のワタシに跡を継がせるつもりで英才教育を施してきた。
それなのに、ワタシが不登校になったもんだから、激怒し、引き摺られるようにして無理矢理学校に通わされた日もあった。
中学入学時、ワタシの成績は学年トップだったけど、三年生になる頃には最下位に近いくらいに落ちていて、まともな高校には入れないと、面談で担任の先生に言われていた。
親への体裁を取り繕うため、ワタシは県内でも有数の低偏差値の私立高校に進学をした。
勿論、高校でも休みがちになり、友達なんて一人もいなかった。
苦しくて苦しくて、ワタシは自分と同じような境遇の人はいないかって、探すようになっていった。
ほどなくして、夏休みの終わり頃に、SNSがきっかけで知り合った人がいたの。
ユウさんていう人で、年齢はワタシの一個上で、隣町に住んでるって事で、ワタシは早速コンタクトを取る事にしたわ。
ユウさんは、ワタシのメールにすぐに返事をくれて、一度会おうって事になり、一週間後、ワタシ達は待ち合わせをした。
待ち合わせ場所に現れたユウさんは、バッチリメイクしてて、スカート姿で髪も長く、どこから見ても女性そのものだった。
ワタシは女装も何もしてなかったからとても恥ずかしかったんだけど、ユウさんのあまりの美しさに息を呑んだ。
私たちはすぐに意気投合し、同じ悩みを持つ者同士、大の仲良しになったわ。
ユウさんは、知り合いから譲ってもらった女性ホルモンの錠剤を持っており、定期的にそれを服用してた。
ワタシにも分けてくれたから、飲み始めて、何ヶ月かすると、少し胸が膨らんできた。
それがとっても嬉しくて、ワタシはもっともっと女っぽくなりたいって思うようになっていった。
ユウさんと知り合ってから一年が経ったある日、ワタシが17、ユウさんが18のときね。
ユウさんが高校を中退して、東京に行くって言ってきた。
本格的にニューハーフとして生きていく決心がついたからって。
ワタシはまたどん底に堕ちてしまった。
仲良かった人がまたワタシの前から消えてしまうって。
もう一人になるのは嫌。
そう考えたワタシは、ユウさんに話して
ワタシも東京に行ってニューハーフになる事を決めた。
勿論、両親は反対するに決まってる。
女性ホルモンだって内緒で服用してるけど、バレたら多分殺されてると思うし。
ワタシは書き置きを残し、キャリーケース一つと大きなボストンバックだけ持って家出同然で東京に向かった。
ユウさんはワタシの事もちゃんと話してくれてて、ワタシはユウさんが借りたお部屋に住ませてもらい、なんとかニューハーフとしての生活が送れるようになった。
それから三年、ワタシはがむしゃらに働き、一人暮らしもして、女性ホルモンもちゃんと病院で打つようになったわ。
去年、タマ抜き‥えっと去勢手術も行なった。
2
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説

NH大戦争
フロイライン
ファンタジー
呪詛を家業として代々暮らしてきた二階堂家。
その二十六代目にあたる高校二年生の零は、二階堂家始まって以来の落ちこぼれで、呪詛も出来なければ、代々身についているとされる霊能力すら皆無だった
そんな中、彼の周りで次々と事件が起きるのだが…
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる