Two seam

フロイライン

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盟友

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二回の表は四番の大輔からであった。



スタンドの中里と今津も前のめりでこの対戦に胸を熱くした。

「これは面白い対決ですね。

元バッテリーを組んでいた者同士の勝負…」


「中里さん、あそこを見て下さい。」

今津はバックネット裏のやや上段を指差して言った。


「あ、来てますねえ」


「プロのスカウトが何人も来ています。

彼らの目当ては誰だと思いますか?」


「まあ、普通に考えれば
高島大のエース敷島君と四番の山東君を見に来たと考えるのが妥当でしょう。
高島大は優勝候補だし、甲子園に出てもそこそこ良いところまでいけるって評判でしたからね。」

「でも、富田君もあの二人に負けず劣らずの才能があるんじゃないですか」

「そうですね。
ブランクこそあれど、あれだけのバッティングを見せつけられたら、当然リストには入っている事でしょう。

それと、水谷さんもいけるんじゃないかって、僕は思いますね。」


「水谷さんですか。

たしかに才能的なものでいえば、四人の中で一番あると思います。

しかし、性転換の影響を加味すると、そこをどう判断するかですね。」


「いや、性転換とかそういうのを抜きにして、単純にピッチングだけを見たら、凄いものがありますよ。

もし、プロに進んだとして、抑えなんかを任されたらすごく面白いと思いますけどね。」


「そうですね…


さて、敷島君対富田君の元チームメイト同士の勝負に注目しましょう。」

中里がそう言うと、今津も頷き、グランドに視線を注いだ。




敷島は大輔が打席に入り、構えると、不適な笑みを浮かべた。

そして、サインの交換を済ませると、今度はセットポジションの構えから、少しタイミングをずらすような形で外角低めに投げ込んできた。

コースいっぱいに決まった。


(器用なヤローだな)


大輔はヘルメットに手を置き、バットの先でホームベースを触ると、再び構えた。


二球目は一転して内角厳しいところに速球を投げ込んできたが
大輔は腕を折りたたんで振り抜くと、打球はフラフラと一二塁間に上がり、そのまま二塁手の頭を越えて、ライト前にワンバウンドした。


大輔は一塁を回ったところでストップし、塁に戻った。

大輔的には不本意なバッティングながらも、ヒットを飛ばし、マウンド上の敷島を悔しがらせた。

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