Two seam

フロイライン

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意地

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高島大附属のエース敷島の初球はストレート。
内角高めに投げ込まれたその球に、一番の斎藤はバットが出ずに見送った。

「速い」

村上はその投球を見て思わず唸るように言った。


大輔もまた同じ思いで見つめていた。

中学のときは優里が圧倒していたが、高校入学後は順調に力をつけてきた敷島

対する優里は女性への性転換により二年近くを棒に振り、停滞してしまった。

ただ。優里もその類稀な才能でハンデをここまでカバーしてきたのだが。



互角の戦いになる

そして優里の体力がどこまでもつのかで勝敗は決するだろう。

大輔はベンチの奥からバットを持って出てきた優里を見つめた。


優里は大輔の視線に気付き、顔を上げると、はにかんだような笑みを浮かべた。

(大丈夫だな)

大輔もまた笑った。


優里はトレーナーのマッサージのおかげもあり、肩も張らず、コンディションを維持していた。

変わった点といえば、肩の代わりに胸が張っている事だった。

一昨日の夜、大輔と裸で抱き合い、セックスをしたと言ってもいいくらいのところまで足を踏み入れてしまった。

それにより、優里の体の中の女性ホルモンが活性化して、女性化が進んでしまったのである。

実際のところ、計測してみれば胸のサイズが本当に大きくなってしまっているかもしれない。

体の変化は女性ホルモン剤等の薬の影響を受けているのは勿論だが、精神的な部分の影響でなる事も多分にある。

優里の場合は、その両方の効果も相俟って、著しい肉体の変化が短期間で起きていた。

だが、最愛の大輔を甲子園に連れて行きたいという大きな夢が、優里のモチベーションとなり、気力で筋力の低下を防いでいた。

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