Two seam

フロイライン

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団結

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「というわけで、明日の先発は水谷で行く。」


その後、他のメンバーにも村上から説明がなされ、他のポジションについても発表があった。


一番 セカンド  斎藤翔太
二番 ショート  田上成樹
三番 ピッチャー 水谷優里
四番 キャッチャー富田大輔
五番 ファースト 田宮大吾
六番 サード   佐藤晴翔
七番 ライト   松本大樹
八番 センター  久本祐希
九番 レフト   重松広大


「泣いても笑ってもこれが最後だ。

ウチは何も失うものはない。
怖がらずに全力を尽くそう。

いいな!?」


「はいっ!」

元気よく返事をすると、それぞれのポジションに入り、最終の確認をしながら練習を行った。

だが、優里だけは別メニューで、二日連続でマッサージを受け、軽いストレッチのみで上がった。


練習終了後、選手達だけで集まり、主将の田宮からの話に耳を傾けていた。


「監督が仰ったように、明日で最後だ。

自分でこんな事言うのはアレなんだけど、本来ならここまで来れる実力は、無かったと思う。
富田と水谷が今年になって入部してくれて、ひょっとしたら甲子園に行けるんじゃないかって思わせてくれるところまで引き上げてくれた。
だから、明日は他のメンバーも、自分の持てる力を全て出し切って、悔いのない試合にしよう。」


田宮の言葉に皆が頷いた。


「じゃあ、ラストは重松から一言貰うか。

重松、どうぞ」


田宮はチームのムードメーカーである二年の重松を指名した。

重松は一歩前へ出て、ニヤッと笑って皆に一礼した。

「えーっと、じゃない方メンバーの重松です。」

皆が笑い、つかみはオッケーのようだ。


「キャプテンが言われたように、富田さんと水谷さんに引っ張ってもらってここまで来ました。

一つ言えることは、二人は野球が上手いのは当然ですが、富田さんはイケメンで、水谷さんはめっちゃ可愛いって事です。」

重松がそう言うと、皆が笑いながら二人の方を見た。

大輔はただ笑うだけだったが、優里は手をジタバタさせて、首を横に振り否定し、顔を真っ赤にした。


「とにかく、じゃない方メンバーの重松広大もかなり気合いが入ってますので、明日は全力を出し切って、先輩方を甲子園に連れて行きます!」

重松はそう言うと、帽子を取って深々と頭を下げた。

全員が拍手をして解散となり、部室に戻っていった。
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