Two seam

フロイライン

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親心

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「お帰り」

「ただいま」

再び野球をやるようになった優里は、毎晩遅くまで練習をしている為、家に帰るのはいつも8時を過ぎていた。

「どうだったの?練習
その体じゃキツイんじゃない?」

母の千春は、優里が野球を再びするようになってから、毎日を不安に思いながらすごしており、出来る事ならやめて欲しいとさえ思っていた。

「なんとかやれてるよ、今のところはね

でもさあ、ママ」


「どうしたの?」


「ワタシさあ、性転換してからというもの
おっぱいを大きくしたいって、そればっかり思ってたの。
それで、思ったより大きくなってすごく嬉しかったんだけど…

野球を男子達とやり始めてからはその逆で、この胸が邪魔で邪魔で仕方ないのよ。」


「まあ、勝手な事言うわね。」

「うん。
でもね、練習がキツくてけっこう痩せてきたから、胸も少しは小さくなってきてる感じがする。」

「あんまり痩せすぎるのも良くないよ。
女の子は男子と違って皮下脂肪が付いてて当たり前なんだから」

「わかってるよ」

「さあ、早くご飯食べちゃいなさい」

「はーい

いただきます。」


千春は心配はしていたが、優里の明るい表情を見て、少し気が楽になった。

やはり、優里は野球をしている時が一番楽しそうで、一番輝いている。

これだけは揺るぎのない事実だと思ったのである。
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