38 / 119
はみ出し者
しおりを挟む
「岸、もっと思い切って投げてこいよ
お前の球速で逃げる投球してたんじゃどうしようもねえって」
大輔は投球練習をする岸に向かって叱咤した。
「キャプテン、富田にあんな事言わせといていいんすか?
アイツ、転校してきたばっかなのに、偉そうにしやがって」
グランドの遠くでキャッチボールをしていたレフトを守る重松広大は、主将を務める田宮 大吾に訴えた。
「まあ、しゃあねえよ。
富田はあんな感じだけど、野球の実力は確かなものがあるからな。」
「そうっすね。たしかに上手いっす」
「アイツなりにこの野球部を何とかして勝たせたいって思ってるんだろ」
田宮の言った通り、大輔は野球部をどうにかしたいと焦りを感じながら練習に参加していた。
(ここの野球部は予想以上に酷い…)
この状態で自分が四番に座った場合、対戦相手は間違いなく敬遠してくるだろう。
そしたら万事休す
岸だって大したピッチャーじゃないし、終盤まで抑えられるような投球は出来まい
やはり、優里が必要なのだ
圧巻のピッチングをし、自分ほどではないが、バッターとしても光る才能を持ち合わせた優里が…
彼女を五番に置けば、必ず自分と勝負してもらえる…
大輔は何が何でも優里を翻意させなければならないと、決意を新たにしたのである。
お前の球速で逃げる投球してたんじゃどうしようもねえって」
大輔は投球練習をする岸に向かって叱咤した。
「キャプテン、富田にあんな事言わせといていいんすか?
アイツ、転校してきたばっかなのに、偉そうにしやがって」
グランドの遠くでキャッチボールをしていたレフトを守る重松広大は、主将を務める田宮 大吾に訴えた。
「まあ、しゃあねえよ。
富田はあんな感じだけど、野球の実力は確かなものがあるからな。」
「そうっすね。たしかに上手いっす」
「アイツなりにこの野球部を何とかして勝たせたいって思ってるんだろ」
田宮の言った通り、大輔は野球部をどうにかしたいと焦りを感じながら練習に参加していた。
(ここの野球部は予想以上に酷い…)
この状態で自分が四番に座った場合、対戦相手は間違いなく敬遠してくるだろう。
そしたら万事休す
岸だって大したピッチャーじゃないし、終盤まで抑えられるような投球は出来まい
やはり、優里が必要なのだ
圧巻のピッチングをし、自分ほどではないが、バッターとしても光る才能を持ち合わせた優里が…
彼女を五番に置けば、必ず自分と勝負してもらえる…
大輔は何が何でも優里を翻意させなければならないと、決意を新たにしたのである。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説

W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
NH大戦争
フロイライン
ファンタジー
呪詛を家業として代々暮らしてきた二階堂家。
その二十六代目にあたる高校二年生の零は、二階堂家始まって以来の落ちこぼれで、呪詛も出来なければ、代々身についているとされる霊能力すら皆無だった
そんな中、彼の周りで次々と事件が起きるのだが…

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる