帝国宇宙軍所属の俺ですが、未開の惑星に遭難しました。〜なんかこの星、魔法とか存在しているんですけど!?〜

ネコミコズッキーニ

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教官補佐と警備の仕事をはじめました。

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 軍学校の警備兵と武術教官補佐の職に就いて数日が経っていた。今のところ、まぁまぁ順調に働いているほうだろう。
 
「はい、つぎ~」

「おねがいします!」
 
 軍学校に通う生徒はいくつかの科に分かれている。だが平民は全員共通して〈普通科〉という科に所属していた。
 
 また人数もそれなりにいる。全生徒を一斉に見ることはないが、それでもそこそこの人数だ。

 俺は彼らに対し、木剣で1対1の鍛錬を繰り返して行っていた。
 
「ほいっと」

「ああ!?」
 
 相手の木剣を弾き飛ばす。そこそこ裕福な平民が多いせいか、みんな体つきもいい。普段から身体を鍛えているのもわかる。
 
「はい、つぎ~」

「よろしくお願いします!」
 
 いきなり現れた教官に対して、彼らも最初は戸惑っていた。だが俺がブルバスを倒したことを知っていた者もおり、気づけばそこそこ名が知れ渡っていたのだ。
 
 また基本的に真面目な者が多い。おかげでみんな素直に俺の鍛錬を受けてくれていた。
 
「ぐっ!?」

「おしかったな~。はい、つぎ~……って、これで全員か」
 
 1人最低1回は俺と模擬戦を行い、それ以外の時間は自主トレーニングをさせている。だが希望者には再度俺との模擬戦を行っていた。
 
 今日も模擬戦が一周したので、自主トレーニングを行うように指示を出す。

 もともと長期間教官不在で自主トレーニングをしていたためか、これもしっかりと行っている者が多い。そしてこのタイミングで俺のもとにやってきた青年がいた。
 
「マグナ教官! また俺と模擬戦をお願いします!」

「おお……ブレンはいつも元気だな」
 
 ブレンは俺の見ている平民生徒の中では、たぶん最も筋がいい。やる気もあるしな。
 
「俺……うれしいんです。これまでは誰も俺の相手が務まらなかったから……」
 
 成績を確認したが、ブレンは体力測定の結果も高レベル帯に位置していた。

 勉学の方は知らないが、実技面では強い自信をもっているのだろう。
 
「ふ……いいぜ、ブレン。お前の全力……! 俺にぶつけてみろよ……!」

「…………! はい、教官!」
 
 ブレンはうれしそうに木剣を振ってくる。俺はそれを雑に払いながら考えごとをしていた。
 
(……飽きたな)
 
 そう。俺はこの日常にはやくも飽きはじめていた。
 
 午前中は警備兵として敷地内をパトロールして昼食を取る。午後からはこうして教官仕事をするのだが、楽しかったのは最初の1日目だけだ。
 
 なんというか……そう。刺激がない。ただ同じことを繰り返しおり、これに波がまったくないのだ。

 まぁブレンは元気だし、師匠面して木剣を交わすのはわるくないのだが。
 
 またこの数日はアバンクスの屋敷にも戻っていない。敷地内にある専用寮の一室を与えられているので、そこで暮らしているのだ。

 だってあの屋敷まで帰るの、わりと面倒だし。
 
「おおおおおおお!!」
 
 そろそろ辞めようかな……。

 警備兵をやっている時間は、貴族生徒の使用している敷地内にはほとんど入れないため、竜魔族の姿を見ることができないのだ。青竜公の娘もいるっていう話だったのに……。
 
「ああっ!?」
 
 ブレンが大きく木剣を振りかぶったところで、一気に距離を詰める。そして握りしめられた柄部分を弾き飛ばした。
 
「はぁ、はぁ……! や……やっぱり……。まだまだ教官には敵いませんね……」

「いや。ブレンも打ち合うたびに強くなっているぜ!」

「…………! ほ、本当ですか……!」

「ああ!」
 
 うそだ。ほとんど変化らしい変化は感じ取れていない。

 まぁこれくらい適当にほめておいた方が、ブレンくらいの年齢だとどんどん伸びていくだろ。俺、褒めて伸ばすタイプだし。
 
 しかし平民生徒は全員が男なんだなぁ……。貴族生徒の中には女性もけっこう多いらしいけど。

 どうやら向こうは、魔力属性に応じて科がわけられているらしい。
 
「マグナ教官補佐!」
 
 突然怒った口調で名を呼ばれる。振り返ると、そこには美しい女性が怒りの形相で立っていた。
 
「これはこれは……ルアメリア武術教官。いかがされましたか?」

「いかがされました……ではありません……!」
 
 ルアメリアはブルバスの後任で武術教官となった若い女性だ。なんでも騎士団から出向してきているとか。

 そんな彼女は腕に木剣を持っていた。
 
「なんど言えばわかるのです……! こちらに木剣を飛ばさないでください……!」

「ああ……」
 
 どうやら弾き飛ばした木剣が、ルアメリアたちの方まで飛んでいったらしい。これもはじめてのことではない。というか。
 
「お互い近いんだから、よくあるでしょう? そもそも平民と貴族で分けているから、こういう問題が起こっていると思うんですがねぇ……」
 
 そう。武術教練の時間は貴族生徒とも被っているのだ。

 ちなみに指導を受けている生徒は全員〈空〉属性の持ち主らしい。他の属性を持つ生徒は、また別の科で授業を受けているのだ。
 
「現にそっちも、ちょいちょい木剣やら砂利やらを飛ばしてきているじゃないすか」

「こっちは魔力で身体能力を強化しています! 普通科の武術鍛錬と同じにしないでください!」

「えぇ……」
 
 身体能力を強化しているから、派手な動きになっても当然だってか。まぁそう言われたらそんな気もするけど。
 
「でもルアメリア教官。そもそもですが、普通科とそっちの科では人数がちがいますよね? それなのに使用する面積が同じなのは変じゃないですか?」

「な……!」
 
 人数は平民の方が多いのだ。ルアメリア教官にはもうすこし遠慮を覚えていただきたい。
 
「さっきから聞いていれば……平民がずいぶんな態度じゃないか。どうやらブルバス教官をまぐれで倒したことが、よっぽど武勇伝だと思い込んでいるようだな?」
 
 ルアメリア教官の後ろから1人の男子生徒が姿を見せた。なかなか挑発的な表情を向けてくるじゃないか。
 
「ダ……ダイクスくん……」
 
 ダイクス……すこしだがこの数日で聞いた名だな。たしか貴族生徒の中でも優秀な奴だったか。
 
 そのダイクスくんは俺を小ばかにするような口調で言葉を続けた。
 
「もともとブルバスというのは、大した奴ではなかった。素行が問題となり騎士団にいづらくなった奴だしな。そんな男をたまたま倒せたというだけで、そこまで得意になるのはやめてもらおうか?」
 
 いいねぇ……久しぶりに生意気そうな奴が出てきた……! 

 くくく……こちとらちょうど軍学校生活に飽きはじめていた頃だ、ちょっと刺激を求めてちょっかいをかけてみるか……!
 
「んん~? ダイクスくんはそんなにすごいのかな~? ブルバスくんよりも大したことなさそうに見えるけど~?」

「ふ……これだから学のない平民は。俺は何度かブルバスに勝っている。そして……」

「きゃっ!?」
 
 ダイクスはルアメリアの隣に立つと、彼女の身体に腕を回す。そして抱き寄せつつ、指先でルアメリアの胸をしっかりと掴んでいた。
 
「このルアメリア教官にもなぁ……? 俺は今の軍学校で剣術成績ナンバー1だ。すでに教官を超えているのさ」

「ダイクスくん……!」
 
 すげぇ……! 生徒が教官にセクハラをしている……! 
 
 ルアメリアは身をよじらせてダイクスの腕から逃れる。だがそれ以上なにか文句を言うことはなかった。

 よく見るとダイクスの後ろに見える女子生徒の何人かが、胸を掴まれたルアメリアを見て自分の胸を守るように両腕を組んでいる。
 
 もしかしたら彼女たちも、ダイクスからなにかしらのセクハラを受けているのかもしれない。
 
「つまりこの軍学校最強の騎士候補生ということだ。わかったか? 平民」
 
 おーおー、得意になっちゃって。しかし真面目そうなルアメリアがなにも口を挟まないところを見ると……。
 
(ダイクスの家がすっげぇえらい貴族家か……もしくは横柄な態度は目につくが、実力が確かなので文句を言いにくいのかね……)
 
 ますますいいねぇ、ダイクスくん! 刺激を求めていた俺には救世主のように思えるぜ……! 

 いやぁ~、ここは教官補佐として、ちゃんと生徒に指導しないといけない場面だよな!
 
「ルアメリア教官」

「……なにか?」

「俺って一応、ルアメリア教官の補佐って扱いですよね?」

「そうですけど……」
 
 うんうん。なら大義名分はなんとでもなるな。俺は足を進めるとダイクスの正面に立つ。
 
「ふん……なんだ?」

「ダイクスと言ったな。お前……剣の腕が確かでも、そんなんじゃ騎士でやっていけねぇぜ?」

「……はぁ? なにを言っている?」
 
 ダイクスくんには世間の厳しさを教えてやらねぇといけないよなぁ……! 教官補佐として!
 
「おいおい、まさか自分を客観的に見れていないのかぁ? お前、自分のひっくい実力を振りかざしてお山の大将を気取っているだけのガキだって気づけよ? だいたいなんだ、ルアメリア教官の胸を揉んでよぉ! うらやま……じゃない、生徒の分際で教官に対してそんなセクハラ、許されるわけねぇだろ!」

「な……」

「マグナ教官補佐!?」
 
 だれも指摘しないけど、俺は大声で堂々と指摘するぜ! こいつがルアメリアの胸を揉んでいたってなぁ!
 
「てめぇみたいな奴は、すでに騎士団内で有名だよ! しょぼい腕のくせにえらそうに女の胸を揉む変態だってなぁ! どうせルアメリア教官だけじゃないんだろぉ、これまで胸を揉んだのはよぉ! 答えろよ、他に何人の女生徒の胸を揉んだんだ、あぁん!?」
 
 さらに大声で「こいつ、胸を揉み歩く変態ですよ~」と言い放つ。

 うひひ……! どうせこの仕事には飽きていたんだ、俺はこれで辞めさせられても構わねぇ……! つまり無敵の人……! なんでも言ってやらぁ!
 
「おっぱい大好きなのはいいけどよぉ! こんな人目のあるところで堂々と揉むとは大した奴だぜ! で? おっぱいダイスキくん……じゃなかった、おっぱいダイクスくんはだれのおっぱいが一番好きなのかなぁ~!?」
 
 今では誰もがこちらに視線を向けてきていた。他科の生徒の中でもこちらに注目している者がいる。

 そいつらに聞こえるように大声を出したことで、俺はダイクスくんがおっぱい好きの変人だという認識を周知させていく。
 
 いや、おっぱい好きなのは変人ではないんだけど。ここでは立場と人目があるということで。
 
「おい平民。これ以上……」

「あれあれ~? ダイクスくん、怒っちゃったのかなぁ? どうしてだい? そんなにおっぱいを揉みまくっていたことを知られたくなかったのかい~?」

「きさま……!」

「ならよ。はじめから調子乗った行動してんじゃねぇ」

「………………!」
 
 声のトーンを下げ、すこし威圧する。やはり生徒が教官の胸を堂々と揉むのはよくないだろう。

 そしてそのことに対し、だれも疑問の声を上げない……上げられない環境というのもよろしくはない。
 
『普段から調子に乗っている奴の発言と思うと、なかなか趣があるな』
 
 リリアベルから余計な突っ込みが入った。前にもこんなことがあった気がする……。
 
「平民……! これまでの発言、取り消してもらおうか……!」

「ん~~? 具体的にどんな発言のことかな~~? ちゃんと言ってくれないとわかんないなぁ?」

「調子に乗り過ぎだ……! おい、ブタぁ! 俺の剣を持ってこい!」
 
 なんだ……? と思ったら、別の男子生徒がダッシュで剣を持ってくる。彼はそれをダイクスに渡した。
 
 ブタって……貴族生徒のことかよ……! すげぇな、こいつ! カースト上位すぎて他の貴族生徒を下っ端に使ってやがる……!
 
 ダイクスはためらうことなく剣を抜き放つ。それを見てさすがにルアメリアが声を上げた。
 
「ダイクスくん……! なんのつもり!?」

「決まっている。貴族に対する不敬でこの平民をここで斬る」

「軍学校内でそんな真似は……!」

「あら。よろしいではありませんか」

「っ!?」
 
 別の女の子の声が背後から聞こえてくる。振り返ると、そこには薄緑の髪をした美少女が微笑んでいた。
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