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復讐の無能力者 代償と終焉

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「リク……様……?」

 ローゼリーアとパスカエル。二人とも驚いた表情でこちらを見ていた。当然か。服装の他に髪色、それに光る左目まで付いている。顔は同じでも別人の装いだ。

 パスカエルの腕の肉は不気味に蠢き、即座に再生された。

「おいおい、随分気持ち悪い腕を持ってんじゃねぇか」
「ほう? ほほほう? リクくん、その姿は一体どうしたのかな? それにその杖。どこから持ってきたんだい?」

 余裕の構えを崩さないパスカエルを前に、俺は思わず笑いがこみあげてきた。

「く……くくく……。やり過ぎたな、パスカエル」
「なに……?」
「お前は今、あいつらから世界の敵だと認定された。あいつらから見れば、お前という存在は生命の調和を乱す奴に映るらしい」
「あいつら……? 何を話している……?」
「俺のやる事は変わらねぇ。パスカエル。今こそ死ね。サリアと同じ目にあわせてやる」

 俺の言葉が終わると同時に、パスカエルは魔術を発動させる。凄まじい光を放つ雷撃。だがその雷撃は俺に触れる直前で全て霧散した。

「な、に……?」
「無駄だ。この状態の俺に、人の振るう魔術では干渉できない」

 俺は聖杖で地面を叩く。次の瞬間、パスカエルの右指が全て切り落とされた。

「ぬおおっ!?」

 もう一度地面を叩く。今度は左指。さらに叩く。右腕が肘から切り落とされる。

「なにが……おこっている!? その杖はなんだ!?」
「大精霊が作成した神器の一つさ。今の俺には神器の使用権限が与えられている」
「大精霊……! まさか、リクくん! 君は本当に……!」

 再び聖杖で地面を叩く。同時にパスカエルの右足が膝から切断された。だがパスカエルも切られた四肢を即座に再生していく。

「おのれ!」

 予備動作無しで繰り出されるパスカエルの魔術。俺の周囲には炎や大爆発、衝撃波が巻き起こるが、その全てが俺に触れる直前で霧散していく。

「無駄だっつったろうが!」

 聖杖で思いっきりパスカエルを殴りつける。まともに打撃を受けたパスカエルは、面白い様に吹き飛んでいった。

「リク様……」

 残されたローゼリーアは、その金の瞳で俺を見上げる。果たして彼女の目には今の俺がどう映っているのか。

「ローゼリーア。助かったよ」
「え……?」
「お前が時間を稼いでくれたおかげだ。俺は保留していた三つ目の契約を結ぶ時間を得られた」
「契約……」
「奴らとの間で奴隷契約を結ばされてしまったが。もう決心はついた。今の俺は、生きていて欲しいと思える奴らも多くできたしな。ローゼリーア。お前もその一人だ」

 さて。この世界の敵を滅ぼすとしよう。大精霊の代行者として。

 俺は聖杖で大地を叩くと、再びパスカエルの側へと転位した。



 

「よう」

 パスカエルは転位してきた俺を、警戒した様に身構える。

「なぜだ……。私はこの世界で並ぶ者のいない、至高の存在へと昇りつめたのではなかったのか……!」
「所詮、人はその範疇から逸脱する事はできないという事だ。その力も元はと言えば、遥か昔に六王を経由して大精霊からもたらされたものだしな」

 聖杖を用いて簡易理術を発動、パスカエルの左目を潰す。

「ぐおおおおお!?」
「サリアが殺されたあの日から、俺は今日という日をどれだけ待ち望んできたか……!」

 どういう構造をしているのか、パスカエルはどれだけその身体を刻もうが、即座に再生してしまう。なんという……痛ぶりがいのある奴だ! 

 しかしこのままここで規模のでかい魔術を使われても厄介だな。今の俺を傷付ける事はできないとはいえ、周囲にはまだローゼリーアやヴィオルガを始めとした一般人もいる。私怨を晴らすのに巻き込みたいとは考えていない。

「……理術・聖杖昇華。ラウム・デスティネイション」

 発動した理術が俺とパスカエルを別次元の空間へと転位させる。一瞬で俺とパスカエルは周囲が藍色の空間の他に、何も無い場所へと移動した。今、この空間には二人だけ。他には誰もいない。

「ここは……!?」
「お前のために拵えた、お前専用の処刑空間だ。お前は俺を倒さない限り、ここから出る事はできない」

 左手に聖杖、右手に刀を握りながら、俺はパスカエルの周囲をゆっくり歩く。

「サリアがお前に殺されてからというもの、俺はお前への復讐の炎を原動力に今日まで生きて来た。魔境での日々は厳しいものだったが、あそこを生き抜けたのも全ては今日という日を迎えるため」
「魔境……?」
「霊力を持たない俺では毎日が死と隣り合わせの場所だった。だがその果てに。俺は大精霊と会合を果たし、契約を結んだ」
「……!」
「その時に契約した大精霊は二人。一人は俺を大陸に戻す代わりに、六王の力を色濃く引き継ぐ当代の王族を保護する様に言ってきた。俺はその契約を受け入れ、時に干渉する力を得た」
「二人……!? 複数の大精霊と契約を結んだというのか!?」

 かつての六王ですら契約していた大精霊は一人。俺は史上初めて、複数の大精霊と契約を結んだ人間になる。

「そしてもう一人との契約。内容は、もし再び国家間規模で人間が争いを始めた時、大精霊は俺の肉体を依り代にして現界し、霊力魔力を持つ人間を皆殺しにする。俺はこの契約も受け入れ、理術を操る力を得た」

 理術は並の人間を相手にする分には十分な力だ。それはまだ変異していないパスカエル相手に圧倒できていた事からも明らかだし、そもそも俺の身体は複数の大精霊との契約に耐えられる様に、一度作り替えられている。身体能力のみでもかなりやれる。

「本来はここまでで、俺はお前を殺すつもりだった。だがてめぇはこの土壇場で無様にあがき。代行者として理術が使えない状態の俺では、決定打を与える事が難しくなった。しかし俺と契約をしても良いと話していた三人目の大精霊がいてな。そいつとの契約はとても呑めるモノじゃなかったから、今までは保留していたんだが。さっきその契約を受け入れた」
「三人の大精霊と……契約を結んだというのか……! 霊力を持たないその身で……!?」

 三人目の大精霊との契約。その内容は、生きている限りこの世界で育まれる生命の調和に自分が何をできるか考え続ける事、それを実践する事。そして調和を乱す人間が現れた時、これを排除する事。

 また大精霊が調和を乱すと判断した存在も、大精霊に代わって排除する事。平たく言うと、地上における大精霊の代行者……奴隷契約だ。

 当時の俺はパスカエルへの復讐で頭がいっぱいだったからな。とても大精霊のために働こうだとか、世界の調和とやらのために励もうだなんて思えなかった。

 だが人界に戻って、皇国や帝国で様々な出会いや再会を果たすうちに、こいつらのために少しは励んでもいいかと思える様になっていた。その事を自覚した俺は、これまで保留していた第三の契約を受け入れた。

 契約を交わした事で、俺はこの世界の生命の調和を乱すと判断された存在と戦う時に限り、大精霊が作成した数々の神器を自由に振るえる。左目や聖杖、今着ている服も神器の一つだ。

 生命の調和を乱す奴など、パスカエル以外にそうそう現れるとは思えない。つまり今、こいつに圧倒的な力で勝るためだけに奴隷契約を結んだようなものだ。だが後悔はない。

「ふ……うふ……うふふふふふふ! すばらしい! すばらしいよ、リクくん! まさか無能力者だった君が、そこまで大精霊のお気に入りになれるなんてね! だがその素晴らしい力を何故私に振るう? 私はこの力で帝国を幻獣の大侵攻から守ろうというのだよ! 私を排する事は人類全体の不利益につながる! とても大精霊が望んでいる事だとは思えないねぇ!」
「おめでたい野郎だ……! てめえは! 大精霊から! 世界の敵だと認定されたんだよ!」
「……!?」

 まさか本気で自分は大精霊から求められているとでも思っていたのか。本気で驚いた様な顔をしている。

「俺が神器を振るえるのが何よりの証拠だ! これは世界の敵だと認定された奴にしか振るえない! その変異の力を得るため、一体どれだけの人間、どれだけの幻獣の命を弄んできた!? 大精霊は何も人間だけの味方じゃねぇ!」

 幻獣に与した大精霊もいる様に、奴らはあくまでこの世界の生命全てを見守る存在だ。自然淘汰されていく種までは過剰な干渉はしないが、多くの生命を弄び、自ら人という種を飛び越えようとする者には相応の罰が下る。

 これはこれで大精霊どもにも何様だと言いたくなるが。俺が三つ目の契約を長い間拒んでいた理由でもある。

 俺は聖杖を軽く振るう。次の瞬間にはパスカエルの右腕が吹き飛ばされた。

「うおおおお!? な……!? なぜだ!? なぜ再生しない!?」
「そんな事を許す空間だと思ったのか?」
「おのれ! 完成された新たな種となった私に! ……っ!?」
「くく……。もしかして魔術でも発動させようとしたか? 残念だったな。ここはお前のための処刑空間だと言っただろう。ここではお前はもう、魔術は使えない」

 次の瞬間、パスカエルは残った片腕で俺に襲い掛かってきた。絶影を超える速度。普通の反射神経なら対応しきれないだろう。

 だが俺の左目にはパスカエルの未来が、どういった行動をとるのかがはっきりと映っている。俺は向かってくるパスカエルを聖杖で殴ると、刀で左腕を斬り飛ばした。

「おおおおお!?」
「一瞬でも最強という夢が見れたんだ。もう十分だろ?」
「まま、待て! リクくん、待つんだ! わた、私を殺すのは人類にとって大きな損失! ここで生かしておいた方が、リクくんにとってもメリットになる!」
「ほぉう?」
「人という種をここまで昇華させる事ができるのだ! 未来永劫、これほどの知恵を持つ者は生まれまい! これからは私も、大精霊の敬虔な信者として生きていくと誓おう! そうだ、私ほどの者が君の……」

 簡易理術を発動させ、再び左目を潰す。

「うがああ!?」
「大精霊もお前みたいな信者は御免被るだってよ。幻獣の大侵攻もお前が心配する必要はない。三つ目の契約を受け入れた今、俺は生命の調和とやらのために自分自身も無関係ではいられなくなった。万葉やヴィオルガ達と話しながら、未来を模索するさ」

 再び簡易理術を発動、今度はパスカエルの両足を切断する。しかしこの杖、便利過ぎるだろ。簡易理術であれば血を一切消失しない。神器は他にもいろいろあるが、正直左目とこの杖だけで十分だな。

「ま……まちたまえ……! わたしは……!」
「うるせぇ」

 軽くなったパスカエルの衣服を杖で引っかけ、真上に投げる。ああ。この瞬間をどれだけ待ち望んだか。

「あの世でサリアに……。いや。てめぇの行く先にサリアはいねぇな。理術・騰豪烈敢法・炸星塵灼晄」

 空中に浮かぶパスカエルの周囲に十六の光球が発生し、それぞれが線で結ばれ一つの刻印を描く。やがてそれらは輝きを増し、空間全体に強い神秘の気配が満ちていく。

 パスカエルの発動してきた魔術など児戯にも等しい、格の違う術の気配。パスカエルも自分がどれだけ力を得たといっても、まさかそれをさらに上回る力が存在しているとは考えていなかっただろう。

 俺も大精霊と契約するまで、神器がここまで便利なものだとは思っていなかったが。

「永遠にさらばだ。あの日、群島地帯で好き勝手した事。後悔しながら散れ」

 空間全体に響き渡る轟音と大爆発、そして衝撃波。俺は結界を張ってやり過ごす。通常空間で放てば周囲一帯を消し飛ばしていただろう。あの野郎を屠るには少々派手すぎたか。

 そうして空間から俺以外の気配が消えたところで。俺は通常空間へと帰還した。
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