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三天武と死刃衆 迫る妖
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「これは……!」
偕、誠臣、清香、そして雫。四人は神殿に戻ってきていた。鷹麻呂、栄六と戦っていたものの、二人は終始本気では戦わず、戦いに対して消極的であった。そればかりかある程度戦った後、急に配下たちもまとめて引き上げた。
清香は霊影会の妙な動きからこれが陽動であると察知し、急ぎ神殿へと戻って来たのだ。そして四人が目にしたのは、おびただしい戦闘の跡。血の中に沈む皇国兵達。そして地に倒れる葵の姿であった。
「葵さん!」
四人は葵の元へと駆け付ける。葵は辛うじてではあるが、意識を保っていた。
「清香たち……か」
「葵さん、ひどい怪我だ! 一体何が!?」
「死刃衆という……破術士の襲撃にあった。音葉も敗れ、私たちを救うために万葉様は自ら……! く……!」
葵の言葉に驚き、周囲を見渡す。そこで改めて気づいた。胸に大きな穴を開けられた音葉の亡骸に。
「そんな……! 音葉さんっ……!」
「ぐ……! すまない、私の神徹刀も破壊されてしまった……!」
「え!? 神徹刀が!?」
偕たちは葵から死刃衆の襲撃の様子を詳しく聞く。近衛に引けを取らない武力に、神徹刀に対抗できる特別な武器。これらの情報は驚くべきものであった。
「奴らの狙いは万葉様だった……! 連れ去られてまだそれほど時は経っていない! お前たち! 近衛の役目を果たせ……!」
この状況で戻って来た三人。葵は今日が万葉の夢見た運命の日である事を察してしまった。絞り出す様に声を出すと、葵はそれっきり気を失う。偕たちは視線を合わせ、一様に頷く。
「お兄ちゃん、私も行くわ!」
「雫……。でも、相手は近衛でさえ油断できない相手だ」
「敵にも強力な遠距離攻撃ができる奴がいるんでしょ!? 私の符術も役に立つはずよ! それに万葉様が連れ去られた以上、取り戻すのに失敗は許されない! 戦力は少しでも多い方が良いはずよ!」
「……。分かった」
清香、誠臣も雫の同行に賛同する。
「逃げた痕跡が消える前に急いだ方がいいわ! ここからは神徹刀を抜いて行きましょう!」
「はい!」
「おう!」
三人は神徹刀の御力を開放する。偕は雫を抱きかかえ、疾風の如く死刃衆の後を追う。
■
「ふふ。騨條斎がいなくとも容易かったな」
慈雷は片手で万葉を抱えながら話す。三人は今、騨條斎の待つ洞窟へ向かっていた。
「霊影会が協力すると決まった時点で、全戦力が残されていない事は分かっていた。近衛どもも一対一ならともかく、三対二ともなればまともに刀は振るえまいよ」
「然り。東大陸に戻って以来、出会った武人の中で最も強かったのは認めるが……」
そこまで言って慈雷は隻眼の男を思い出す。武人ではなさそうであったが、思い返してみればあの男の方が近衛よりも手ごわかったと感じていた。
(皇国において近衛より武で勝るとすれば、同じ近衛か皇国七将など一部の武人のみ。……あの隻眼の男、本当に何者だ……?)
「どうした、慈雷」
「む……いや……」
考え事で数瞬意識を飛ばしていた慈雷。そしてその一瞬で異変が生じる。ふと感じる何者かの気配。左へ視線を移すと、五馬身ほどの距離に少女を抱いた武人の姿があった。
その武人は偕、その手に抱いているのは雫。偕は慈雷達の姿を確認すると絶影で接近、雫は既に自身の最大攻撃符術の準備が完了していた。
「っ! 飛べっ!」
「天駄句公よ、その御力をここに! 星辰・雷鳴剣!」
握られた符から強烈な光を伴って、巨大な雷光が現出する。その雷光の狙いは確雅に絞られていた。
「ぬおおおおお!?」
「くっ!」
確雅はその身を焼かれ、半ば炭と化しながらその場に崩れ落ちる。後に残ったのは十六霊光無器が一つ、長烈武空討弓であった。
「武人か!?」
「当たりだぜ!」
次いで姿を現す清香と誠臣。既に神徹刀の御力は開放済、臨戦態勢は整っている。
「まさか術士をこの様な方法で運用するとはな……!」
術士は術の発動に集中するため、激しい動きは得意としていない。そのため戦場では、前衛を武人に任せて、自らは後方で術の発動に注力する者が多い。
だが武人に抱きかかえられてもらい、高速移動を任せながら自らは術に集中する。こうすれば高速移動可能な火力運用が可能となる。
急に姿を見せられ不意に放たれる符術。これに確雅は油断し、対応できず不意打ちを受けてしまった。また偕たちとしても、確雅が厄介な弓を使うとあらかじめ葵から聞いていたため、不意打ちで先に潰すなら確雅だと決めていた。
「はぁ!」
偕は雫を降ろし、さらに慈雷に接近戦を挑む。片手では対応できぬと判断した慈雷は万葉を遠くへ投げた。
「あ!」
「万葉様!」
どさっと万葉が落ちる鈍い音が届く。その身が無事か心配ではあったが、慈雷と摩鷲の放つ圧が三人をその場に縛り付けた。
「くくく。三人とも神徹刀を持っているとは、さては近衛か! 先の不意打ちは見事! まさかこの様な場で確雅がやられるとは思わなかったぞ!」
「だが奴は我ら死刃衆の中で最弱! 近接戦を最も不得意とする男! 我らに不意打ちは効かぬ!」
「うるせぇ! 一人やられてんのは確かだ、強がってんじゃねぇ! 俺は近衛、賀上誠臣! 我が神徹刀「松翁」最初の獲物にしてくれる!」
そう言うと誠臣の持つ神徹刀、松翁の刀身に雷が宿る。松翁の御力は刀身に力を宿す絶破。この状態の時、誠臣は相手の術をも切り裂く事ができる。
「同じく近衛、葉桐清香! 我が神徹刀「金銀花」で仲間の仇を討つ!」
清香の金銀花の御力は、身体能力を大きく向上させる絶刀。近衛では比較的多くみられる能力だ。
「左に同じ、近衛の陸立偕! 万葉様をお守りするため、我が神徹刀「冬凪」そして「羽地鶴」! 二刀の刃を振るわせてもらう!」
偕が新たに手にした神徹刀「冬凪」の御力は絶空。斬撃を飛ばす事ができ、使いようによっては対象を凍らせる事もできる。
符術ほど規模の大きな事はできないが、近接、中距離に対応しているため、その戦いの幅は広い。さすがに二刀の御力同時開放はできないが。
「近衛が三人、そして術士が一人か! しかも一人は神徹刀を二本持つ、これまで見た事のない近衛ときた! いい、いいぞ! 久々に昂るわ!」
「相手にとって不足なし! いくぞ!」
■
意識が戻った時、自分は「成った」と騨條斎は確信した。心臓に刺さる杭は自分と完全に一体化しており、今もその力の脈動を強く感じる事ができる。
洞窟から出た騨條斎が最初に感じたのは、自由という事だった。今、自分を縛るものは何もない。それだけの力がある。今なら並の術士以上に霊力を操り、近衛を越える圧倒的な武を体現できるだろう。
「ふ……。ふふ……」
だが自分の心臓からあふれ出す圧倒的な霊力。この制御はまだ慣れない。少し気を抜くと、直ぐにその油断が自身の身体に出てくる。
身体の中に何かを飼っているかのように、その肉はうごめき続けている。騨條斎は目を閉じると、己の中にある霊力の掌握に集中した。
「ふんっ!」
その上で自分にとって最も扱いやすい形に手を加えていく。イメージするのは何者にも止められない、最強の力を振るう猛者。大型幻獣をも一人で相手取れる武の頂点、暴力の具現。
「おお……これは……」
額からは角が生え、背からは新たに二本の腕が生える。さらに全身は以前よりも二回り大きくなり、元々大男だったのがさらに大きくなった。
「ふふぅ……! いいぞ、我が破邪救心大剣が丁度良い大きさになったではないか!」
それまで自分の身長と同じくらいあった直剣が、片手で振り回すのに最適な大きさになっていた。さらに耳に集中する事で、ある事に気付く。
「これは……。慈雷たちが戦っている? 相手は三……いや、四人か。確雅の音は聞こえんが……。まぁ良い。行けば分かる事」
完成品である黒い杭を使い、最強となった妖は、偕たちの戦う戦場にその足を向ける。
偕、誠臣、清香、そして雫。四人は神殿に戻ってきていた。鷹麻呂、栄六と戦っていたものの、二人は終始本気では戦わず、戦いに対して消極的であった。そればかりかある程度戦った後、急に配下たちもまとめて引き上げた。
清香は霊影会の妙な動きからこれが陽動であると察知し、急ぎ神殿へと戻って来たのだ。そして四人が目にしたのは、おびただしい戦闘の跡。血の中に沈む皇国兵達。そして地に倒れる葵の姿であった。
「葵さん!」
四人は葵の元へと駆け付ける。葵は辛うじてではあるが、意識を保っていた。
「清香たち……か」
「葵さん、ひどい怪我だ! 一体何が!?」
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「そんな……! 音葉さんっ……!」
「ぐ……! すまない、私の神徹刀も破壊されてしまった……!」
「え!? 神徹刀が!?」
偕たちは葵から死刃衆の襲撃の様子を詳しく聞く。近衛に引けを取らない武力に、神徹刀に対抗できる特別な武器。これらの情報は驚くべきものであった。
「奴らの狙いは万葉様だった……! 連れ去られてまだそれほど時は経っていない! お前たち! 近衛の役目を果たせ……!」
この状況で戻って来た三人。葵は今日が万葉の夢見た運命の日である事を察してしまった。絞り出す様に声を出すと、葵はそれっきり気を失う。偕たちは視線を合わせ、一様に頷く。
「お兄ちゃん、私も行くわ!」
「雫……。でも、相手は近衛でさえ油断できない相手だ」
「敵にも強力な遠距離攻撃ができる奴がいるんでしょ!? 私の符術も役に立つはずよ! それに万葉様が連れ去られた以上、取り戻すのに失敗は許されない! 戦力は少しでも多い方が良いはずよ!」
「……。分かった」
清香、誠臣も雫の同行に賛同する。
「逃げた痕跡が消える前に急いだ方がいいわ! ここからは神徹刀を抜いて行きましょう!」
「はい!」
「おう!」
三人は神徹刀の御力を開放する。偕は雫を抱きかかえ、疾風の如く死刃衆の後を追う。
■
「ふふ。騨條斎がいなくとも容易かったな」
慈雷は片手で万葉を抱えながら話す。三人は今、騨條斎の待つ洞窟へ向かっていた。
「霊影会が協力すると決まった時点で、全戦力が残されていない事は分かっていた。近衛どもも一対一ならともかく、三対二ともなればまともに刀は振るえまいよ」
「然り。東大陸に戻って以来、出会った武人の中で最も強かったのは認めるが……」
そこまで言って慈雷は隻眼の男を思い出す。武人ではなさそうであったが、思い返してみればあの男の方が近衛よりも手ごわかったと感じていた。
(皇国において近衛より武で勝るとすれば、同じ近衛か皇国七将など一部の武人のみ。……あの隻眼の男、本当に何者だ……?)
「どうした、慈雷」
「む……いや……」
考え事で数瞬意識を飛ばしていた慈雷。そしてその一瞬で異変が生じる。ふと感じる何者かの気配。左へ視線を移すと、五馬身ほどの距離に少女を抱いた武人の姿があった。
その武人は偕、その手に抱いているのは雫。偕は慈雷達の姿を確認すると絶影で接近、雫は既に自身の最大攻撃符術の準備が完了していた。
「っ! 飛べっ!」
「天駄句公よ、その御力をここに! 星辰・雷鳴剣!」
握られた符から強烈な光を伴って、巨大な雷光が現出する。その雷光の狙いは確雅に絞られていた。
「ぬおおおおお!?」
「くっ!」
確雅はその身を焼かれ、半ば炭と化しながらその場に崩れ落ちる。後に残ったのは十六霊光無器が一つ、長烈武空討弓であった。
「武人か!?」
「当たりだぜ!」
次いで姿を現す清香と誠臣。既に神徹刀の御力は開放済、臨戦態勢は整っている。
「まさか術士をこの様な方法で運用するとはな……!」
術士は術の発動に集中するため、激しい動きは得意としていない。そのため戦場では、前衛を武人に任せて、自らは後方で術の発動に注力する者が多い。
だが武人に抱きかかえられてもらい、高速移動を任せながら自らは術に集中する。こうすれば高速移動可能な火力運用が可能となる。
急に姿を見せられ不意に放たれる符術。これに確雅は油断し、対応できず不意打ちを受けてしまった。また偕たちとしても、確雅が厄介な弓を使うとあらかじめ葵から聞いていたため、不意打ちで先に潰すなら確雅だと決めていた。
「はぁ!」
偕は雫を降ろし、さらに慈雷に接近戦を挑む。片手では対応できぬと判断した慈雷は万葉を遠くへ投げた。
「あ!」
「万葉様!」
どさっと万葉が落ちる鈍い音が届く。その身が無事か心配ではあったが、慈雷と摩鷲の放つ圧が三人をその場に縛り付けた。
「くくく。三人とも神徹刀を持っているとは、さては近衛か! 先の不意打ちは見事! まさかこの様な場で確雅がやられるとは思わなかったぞ!」
「だが奴は我ら死刃衆の中で最弱! 近接戦を最も不得意とする男! 我らに不意打ちは効かぬ!」
「うるせぇ! 一人やられてんのは確かだ、強がってんじゃねぇ! 俺は近衛、賀上誠臣! 我が神徹刀「松翁」最初の獲物にしてくれる!」
そう言うと誠臣の持つ神徹刀、松翁の刀身に雷が宿る。松翁の御力は刀身に力を宿す絶破。この状態の時、誠臣は相手の術をも切り裂く事ができる。
「同じく近衛、葉桐清香! 我が神徹刀「金銀花」で仲間の仇を討つ!」
清香の金銀花の御力は、身体能力を大きく向上させる絶刀。近衛では比較的多くみられる能力だ。
「左に同じ、近衛の陸立偕! 万葉様をお守りするため、我が神徹刀「冬凪」そして「羽地鶴」! 二刀の刃を振るわせてもらう!」
偕が新たに手にした神徹刀「冬凪」の御力は絶空。斬撃を飛ばす事ができ、使いようによっては対象を凍らせる事もできる。
符術ほど規模の大きな事はできないが、近接、中距離に対応しているため、その戦いの幅は広い。さすがに二刀の御力同時開放はできないが。
「近衛が三人、そして術士が一人か! しかも一人は神徹刀を二本持つ、これまで見た事のない近衛ときた! いい、いいぞ! 久々に昂るわ!」
「相手にとって不足なし! いくぞ!」
■
意識が戻った時、自分は「成った」と騨條斎は確信した。心臓に刺さる杭は自分と完全に一体化しており、今もその力の脈動を強く感じる事ができる。
洞窟から出た騨條斎が最初に感じたのは、自由という事だった。今、自分を縛るものは何もない。それだけの力がある。今なら並の術士以上に霊力を操り、近衛を越える圧倒的な武を体現できるだろう。
「ふ……。ふふ……」
だが自分の心臓からあふれ出す圧倒的な霊力。この制御はまだ慣れない。少し気を抜くと、直ぐにその油断が自身の身体に出てくる。
身体の中に何かを飼っているかのように、その肉はうごめき続けている。騨條斎は目を閉じると、己の中にある霊力の掌握に集中した。
「ふんっ!」
その上で自分にとって最も扱いやすい形に手を加えていく。イメージするのは何者にも止められない、最強の力を振るう猛者。大型幻獣をも一人で相手取れる武の頂点、暴力の具現。
「おお……これは……」
額からは角が生え、背からは新たに二本の腕が生える。さらに全身は以前よりも二回り大きくなり、元々大男だったのがさらに大きくなった。
「ふふぅ……! いいぞ、我が破邪救心大剣が丁度良い大きさになったではないか!」
それまで自分の身長と同じくらいあった直剣が、片手で振り回すのに最適な大きさになっていた。さらに耳に集中する事で、ある事に気付く。
「これは……。慈雷たちが戦っている? 相手は三……いや、四人か。確雅の音は聞こえんが……。まぁ良い。行けば分かる事」
完成品である黒い杭を使い、最強となった妖は、偕たちの戦う戦場にその足を向ける。
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