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皇帝陛下の秘密部隊
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「……奥で話そう」
ディザイアは扉をノックして中にいるウィックリンから許可を取る。そして俺たちは部屋の奥へと足を踏み入れた。
「アデライア……! 無事でいてくれたか……!」
「お父様……!」
改めて俺たちはここまで何があったかを話す。そしてウィックリンたちの経緯と合わせて情報共有を行った。
ルングーザ領の軍は当初、貴族街に現れた獣や怪物をしっかり討伐していたらしい。
「だがそれらはルングーザ領軍を貴族街に入れるための工作だったのだ。そうして合流したテンブルク領の軍と合わせ、城は一気に抑えられてしまった」
エルヴァールとその主だった貴族は城に軟禁されているらしい。
エルヴァールにも世話になったからな。城に乗り込むならついでに助けたいところだ。
「せっかくヴェルト殿たちが結社の思惑を打ち砕き、アデライアを救出してくれたのだが、肝心の私がこのありさまだ。申し訳なく思う」
「…………」
ウィックリンの話を聞きながら俺はこれまで出てきた情報を整理する。だがまだだ。まだ足りない。
「ルングーザとテンブルクの領軍はどれくらいの規模なんだ?」
「詳細は分からない。だが万はいってはいないと思う。それだけの規模が一気に流入しては、兵士をどこに泊まらせるにか、食事はどうするかなどの問題が出る」
「なるほど……兵を本気で駐屯させるつもりなら相応の準備をしてくるだろう。だがこの侵攻の速さから見て、おそらく最低限の装備で移動してきた……」
先発隊は最低限の物資と人員で進ませ、おそらく後詰めにちゃんとした……という言い方も変だが、帝都近郊に駐屯できるくらいの物資を持った輸送兵が現れる可能性もある。
つまり見方を変えれば、ここには少数の敵兵にその親玉がいる訳だ。
「クイ……騎士団は?」
「主だった者たちは城に幽閉されている。ディナルドもな」
こちらも助けだせれば、戦力としてカウントできるかもしれない。大分見えてきたな。
「ヴェルト殿。どうかアデライアを連れてここから逃げてくれないだろうか」
ウィックリンから弱腰な提案が飛んでくる。その内容にアデライアも驚いている様だった。
「逃げる……?」
「そうだ。魔法復活の可能性はなくなったが、帝都は依然としてヴィンチェスターの支配下にある。それにテンブルク領の軍は数も多い。昨日のうちにゼノヴァーム領に応援の急使は走らせておるが、駆け付けてくれたところでルングーザ領軍、テンブルク領軍の連合軍とどこまで戦えるか……。そもそも駆け付けてくれる保証もない。ならば今のうちに……」
俺はウィックリンの言葉を途中で遮る。帝国貴族であれば、皇帝の言葉を途中で止めるなどあり得ない事だろう。
だが俺はお構いないで口を開いた。
「陛下。勝機というのはいつもどこかに隠れているものです。そしてそれを見つけられれば苦労はないのですが、なかなかそう上手くはいきません。でも別にそれで良いのです。他にその勝機を見つけられる者を多く仲間にすればいいだけですから」
そう言うと俺は立ち上がってアデライアの近くまで移動する。
「敵兵はまだそれほど数がそろっておらず、その情報伝達経路も整っていません。にも関わらず敵の親玉は勝ったと油断して城に居る。次の皇帝位は確実だと浮かれている。ここには今、一騎当千にして歴戦の傭兵、群狼武風がいるのにです」
……自分で言ってると恥ずかしいな。だが傭兵はこれくらい強気で丁度良い。
「何より俺たちは今、アデライアに雇われている。つまり皇帝といえど、その願いを聞く義理はない。例えどれだけの財宝を積まれようが、群狼武風は決して雇い主を裏切らないからな」
そう言って俺はアデライアに視線を合わせる。
「アデライア。決めるのはお前だ。お前は俺たちに何を望む? 陛下の言う通り、どこかへ連れていってほしいのなら、望む場所へ連れて行こう。だが一言。やれと言うのなら、俺たちはその命令に従う」
「……できる、のですか?」
「もちろんだ」
部屋に沈黙が訪れる。だがアデライアの決断は早かった。
「お願いします。どうか城を取り戻し、反逆者たちを捕えてください……!」
「了解だ」
アデライアは決意を固めた強い目をしていた。
自分の指示で、これから人が死ぬ事になるのだという事をよく理解しているのだろう。もっとも、そんな業を背負わせるつもりはないが。
「アデライア……」
ウィックリンは何とも言えない感情でアデライアの名を呼ぶ。だが反対する事はなかった。
「さて。これから城を奪還しに行くが、まずは皇宮の敵兵を排除する。リリアーナとディアノーラはここに残り、アデライアたちを守っていて欲しい」
「分かったわ」
「心得た」
「それから。城で暴れ回るちゃんとした大義名分が欲しい」
「ちゃんとした大義名分……?」
皇女たるアデライアからの依頼というのも悪くないが、どうせならもっと強いものが望ましい。それこそ誰もがひれ伏す様な。そしてここにはアデライアに甘い皇帝がいる。
「あくまで城に攻め込むのはアデライアに雇われてだが。暴れる時は陛下の名を語ってもいいか?」
「私の名の下に堂々と正義を行う口実にする訳だな。私とてアデライアが変に注目されるには避けたいし、ここで黒狼会の行動を止めないという事は、認めたも同義だ。好きにするがよい」
投げやりになった……とは違うな。ウィックリンも皇族としての覚悟を決めたのだろう。アデライアに触発されたかな。
「助かる。あと顔を隠すものがあれば助かるんだが。包帯とか、フルフェイスの兜とか……」
「ああ。それなら仮面舞踏会用の仮面がいくらかあるから、好きなのを選ぶとよい」
「仮面……舞踏会……?」
聞いた事はないが、字面の通りなのだろう。変わった催しもあるもんだ。見せてもらうが、確かに変わった仮面が多かった。各々勝手に好きなのを選ぶ。
「よし。それじゃ始めるか。ああ、それと。今回は殺しはなしだ」
「え?」
「まじで?」
「まじだ。皇宮や城を血で汚すつもりか。それに……」
横目にアデライアを見る。みんなそれで事情を察してくれた様子だった。
戦乱の世ならいざ知らず、こんなつまらない事でアデライアに業を背負わせる事はないだろう。
「この程度の掃除に、わざわざ手を汚す事もないだろう。捕まえた奴らは後で法が裁く。それに久しぶりの雇い主様だ、ここで俺たちの仕事ぶりをよく見てもらおうじゃないか」
甘い……とは少し違うと思う。1日だけの群狼武風とはいえ、これはアデライアの求めに付き合っている様なもの。今の俺たちは黒狼会が本分だ。
「いいよ~。たまにはこういう縛りも悪くないしね!」
「団長代理の指示には従うさ」
「僕の場合は手加減を強く考えないといけませんね」
「ふ……」
「ふぉっふぉ。レクタリアの相手をしておった事を思うと、この程度は朝飯前じゃ」
魔法は有りだし、今さら手こずる様な手合いはいないだろう。というかガードンの笑みはどういう感情なんだ。クールに決めているつもりなのかもしれないが、割と悪い顔に見える。
「さて我が雇い主殿。ここで吉報をお待ちあれ」
「……はい。どうか、よろしくお願いします……!」
■
こうして仮面を被った俺たちの作戦が開始された。
皇宮の敵兵を次々と無力化して、まずはこの建物を解放する。後の守りはディアノーラとリリアーナ、それにディザイアに任せる恰好だ。あの3人なら問題ないだろう。
「よし! 皇宮の敵兵はこれで全部だな!」
床には意識を失った者や、強いダメージが残ってまともに動けない敵兵が転がっている。俺は黒曜腕駆を発動させていたが、全身に覆う事はできず、腕のみの発現となっていた。
「ヴェルトの魔力、まだ戻らないねぇ」
「消失していなかっただけ儲けものだな。よし、ここから城までつっきるぞ! 中に入ったら各々作戦通りに動け!」
「了解!」
皇宮の外に飛び出すと、そこには多数の敵兵が待ち構えていた。中での騒ぎを聞きつけて集まったのだろう。これも好都合だ。
「出てきたぞ!」
「なんだ、貴様らは……!」
突如として現れた、仮面を付けた6人組。怪しさ満点だろうな……!
「俺たちは皇帝陛下の秘密部隊! これより王位を簒奪しようという不忠の輩を成敗する! 我らの道行を邪魔立てする者は、同じく反逆者であると心得よ!」
堂々と皇帝陛下の名を語り、好きなだけ暴れる。ロイは威力を最小に絞った爆発魔法を、アックスは太い水糸でその動きを封じていく。
フィンは不意打ちで敵指揮官を的確に戦闘不能にし、ガードンは目立つ様に大立ち回りを見せる。じいさんはものの数秒で多くの兵士を一撃でノックダウンして回っていた。
「なんだ、こいらは!」
「つ、強すぎる!」
「み、水が!? ガボガボ……!」
「また爆発したぞ!?」
「だ、だめだ、止められないぃ……!」
みんな絶好調とまではいかなくても、それなりに魔法の力は戻っている様だった。
全然戻らないのは俺だけだな。だが腕さえ黒曜腕駆を纏えれば、それで十分。俺もその拳で兵士たちを倒していく。
「よし! このまま注目を集めつつ城に乗り込むぞ!」
「おう!」
ディザイアは扉をノックして中にいるウィックリンから許可を取る。そして俺たちは部屋の奥へと足を踏み入れた。
「アデライア……! 無事でいてくれたか……!」
「お父様……!」
改めて俺たちはここまで何があったかを話す。そしてウィックリンたちの経緯と合わせて情報共有を行った。
ルングーザ領の軍は当初、貴族街に現れた獣や怪物をしっかり討伐していたらしい。
「だがそれらはルングーザ領軍を貴族街に入れるための工作だったのだ。そうして合流したテンブルク領の軍と合わせ、城は一気に抑えられてしまった」
エルヴァールとその主だった貴族は城に軟禁されているらしい。
エルヴァールにも世話になったからな。城に乗り込むならついでに助けたいところだ。
「せっかくヴェルト殿たちが結社の思惑を打ち砕き、アデライアを救出してくれたのだが、肝心の私がこのありさまだ。申し訳なく思う」
「…………」
ウィックリンの話を聞きながら俺はこれまで出てきた情報を整理する。だがまだだ。まだ足りない。
「ルングーザとテンブルクの領軍はどれくらいの規模なんだ?」
「詳細は分からない。だが万はいってはいないと思う。それだけの規模が一気に流入しては、兵士をどこに泊まらせるにか、食事はどうするかなどの問題が出る」
「なるほど……兵を本気で駐屯させるつもりなら相応の準備をしてくるだろう。だがこの侵攻の速さから見て、おそらく最低限の装備で移動してきた……」
先発隊は最低限の物資と人員で進ませ、おそらく後詰めにちゃんとした……という言い方も変だが、帝都近郊に駐屯できるくらいの物資を持った輸送兵が現れる可能性もある。
つまり見方を変えれば、ここには少数の敵兵にその親玉がいる訳だ。
「クイ……騎士団は?」
「主だった者たちは城に幽閉されている。ディナルドもな」
こちらも助けだせれば、戦力としてカウントできるかもしれない。大分見えてきたな。
「ヴェルト殿。どうかアデライアを連れてここから逃げてくれないだろうか」
ウィックリンから弱腰な提案が飛んでくる。その内容にアデライアも驚いている様だった。
「逃げる……?」
「そうだ。魔法復活の可能性はなくなったが、帝都は依然としてヴィンチェスターの支配下にある。それにテンブルク領の軍は数も多い。昨日のうちにゼノヴァーム領に応援の急使は走らせておるが、駆け付けてくれたところでルングーザ領軍、テンブルク領軍の連合軍とどこまで戦えるか……。そもそも駆け付けてくれる保証もない。ならば今のうちに……」
俺はウィックリンの言葉を途中で遮る。帝国貴族であれば、皇帝の言葉を途中で止めるなどあり得ない事だろう。
だが俺はお構いないで口を開いた。
「陛下。勝機というのはいつもどこかに隠れているものです。そしてそれを見つけられれば苦労はないのですが、なかなかそう上手くはいきません。でも別にそれで良いのです。他にその勝機を見つけられる者を多く仲間にすればいいだけですから」
そう言うと俺は立ち上がってアデライアの近くまで移動する。
「敵兵はまだそれほど数がそろっておらず、その情報伝達経路も整っていません。にも関わらず敵の親玉は勝ったと油断して城に居る。次の皇帝位は確実だと浮かれている。ここには今、一騎当千にして歴戦の傭兵、群狼武風がいるのにです」
……自分で言ってると恥ずかしいな。だが傭兵はこれくらい強気で丁度良い。
「何より俺たちは今、アデライアに雇われている。つまり皇帝といえど、その願いを聞く義理はない。例えどれだけの財宝を積まれようが、群狼武風は決して雇い主を裏切らないからな」
そう言って俺はアデライアに視線を合わせる。
「アデライア。決めるのはお前だ。お前は俺たちに何を望む? 陛下の言う通り、どこかへ連れていってほしいのなら、望む場所へ連れて行こう。だが一言。やれと言うのなら、俺たちはその命令に従う」
「……できる、のですか?」
「もちろんだ」
部屋に沈黙が訪れる。だがアデライアの決断は早かった。
「お願いします。どうか城を取り戻し、反逆者たちを捕えてください……!」
「了解だ」
アデライアは決意を固めた強い目をしていた。
自分の指示で、これから人が死ぬ事になるのだという事をよく理解しているのだろう。もっとも、そんな業を背負わせるつもりはないが。
「アデライア……」
ウィックリンは何とも言えない感情でアデライアの名を呼ぶ。だが反対する事はなかった。
「さて。これから城を奪還しに行くが、まずは皇宮の敵兵を排除する。リリアーナとディアノーラはここに残り、アデライアたちを守っていて欲しい」
「分かったわ」
「心得た」
「それから。城で暴れ回るちゃんとした大義名分が欲しい」
「ちゃんとした大義名分……?」
皇女たるアデライアからの依頼というのも悪くないが、どうせならもっと強いものが望ましい。それこそ誰もがひれ伏す様な。そしてここにはアデライアに甘い皇帝がいる。
「あくまで城に攻め込むのはアデライアに雇われてだが。暴れる時は陛下の名を語ってもいいか?」
「私の名の下に堂々と正義を行う口実にする訳だな。私とてアデライアが変に注目されるには避けたいし、ここで黒狼会の行動を止めないという事は、認めたも同義だ。好きにするがよい」
投げやりになった……とは違うな。ウィックリンも皇族としての覚悟を決めたのだろう。アデライアに触発されたかな。
「助かる。あと顔を隠すものがあれば助かるんだが。包帯とか、フルフェイスの兜とか……」
「ああ。それなら仮面舞踏会用の仮面がいくらかあるから、好きなのを選ぶとよい」
「仮面……舞踏会……?」
聞いた事はないが、字面の通りなのだろう。変わった催しもあるもんだ。見せてもらうが、確かに変わった仮面が多かった。各々勝手に好きなのを選ぶ。
「よし。それじゃ始めるか。ああ、それと。今回は殺しはなしだ」
「え?」
「まじで?」
「まじだ。皇宮や城を血で汚すつもりか。それに……」
横目にアデライアを見る。みんなそれで事情を察してくれた様子だった。
戦乱の世ならいざ知らず、こんなつまらない事でアデライアに業を背負わせる事はないだろう。
「この程度の掃除に、わざわざ手を汚す事もないだろう。捕まえた奴らは後で法が裁く。それに久しぶりの雇い主様だ、ここで俺たちの仕事ぶりをよく見てもらおうじゃないか」
甘い……とは少し違うと思う。1日だけの群狼武風とはいえ、これはアデライアの求めに付き合っている様なもの。今の俺たちは黒狼会が本分だ。
「いいよ~。たまにはこういう縛りも悪くないしね!」
「団長代理の指示には従うさ」
「僕の場合は手加減を強く考えないといけませんね」
「ふ……」
「ふぉっふぉ。レクタリアの相手をしておった事を思うと、この程度は朝飯前じゃ」
魔法は有りだし、今さら手こずる様な手合いはいないだろう。というかガードンの笑みはどういう感情なんだ。クールに決めているつもりなのかもしれないが、割と悪い顔に見える。
「さて我が雇い主殿。ここで吉報をお待ちあれ」
「……はい。どうか、よろしくお願いします……!」
■
こうして仮面を被った俺たちの作戦が開始された。
皇宮の敵兵を次々と無力化して、まずはこの建物を解放する。後の守りはディアノーラとリリアーナ、それにディザイアに任せる恰好だ。あの3人なら問題ないだろう。
「よし! 皇宮の敵兵はこれで全部だな!」
床には意識を失った者や、強いダメージが残ってまともに動けない敵兵が転がっている。俺は黒曜腕駆を発動させていたが、全身に覆う事はできず、腕のみの発現となっていた。
「ヴェルトの魔力、まだ戻らないねぇ」
「消失していなかっただけ儲けものだな。よし、ここから城までつっきるぞ! 中に入ったら各々作戦通りに動け!」
「了解!」
皇宮の外に飛び出すと、そこには多数の敵兵が待ち構えていた。中での騒ぎを聞きつけて集まったのだろう。これも好都合だ。
「出てきたぞ!」
「なんだ、貴様らは……!」
突如として現れた、仮面を付けた6人組。怪しさ満点だろうな……!
「俺たちは皇帝陛下の秘密部隊! これより王位を簒奪しようという不忠の輩を成敗する! 我らの道行を邪魔立てする者は、同じく反逆者であると心得よ!」
堂々と皇帝陛下の名を語り、好きなだけ暴れる。ロイは威力を最小に絞った爆発魔法を、アックスは太い水糸でその動きを封じていく。
フィンは不意打ちで敵指揮官を的確に戦闘不能にし、ガードンは目立つ様に大立ち回りを見せる。じいさんはものの数秒で多くの兵士を一撃でノックダウンして回っていた。
「なんだ、こいらは!」
「つ、強すぎる!」
「み、水が!? ガボガボ……!」
「また爆発したぞ!?」
「だ、だめだ、止められないぃ……!」
みんな絶好調とまではいかなくても、それなりに魔法の力は戻っている様だった。
全然戻らないのは俺だけだな。だが腕さえ黒曜腕駆を纏えれば、それで十分。俺もその拳で兵士たちを倒していく。
「よし! このまま注目を集めつつ城に乗り込むぞ!」
「おう!」
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