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最後の番人 帝都地下最奥部

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 後ろをガードン、ロイ、じいさんに任せて俺たちは走り続ける。

 細長い通路を進むことしばらく、また広い部屋へと出た。これまでの部屋よりも広い。奥には階段も見える。

 おそらくは階段の先にレクタリアがいるのだろう。だがその手前には1人の女と、2体の不思議生物が陣取っていた。

「まさかと思いましたが……黒狼会。やはり来ましたか」

「リス……テルマ……っ!!」

 立ちふさがるは結社最強の閃罰者。魔導姫リステルマだった。

 リリアーナは流聖剣ロンダーヴ構えながら強く睨みつける。

「そしてベインはヴェルトの足止めに失敗した様ですね」

「あいつは俺を想定して強化を受けていたのか……」

 ルードの件もある。物理攻撃に特化した能力の持ち主であれば、本気で戦う必要が出てくるだろう。

 おそらくエルセマー領での戦いから、俺に対しては下手な魔法もどきに頼るより、純粋な物理で対処した方が効果的だと分析したのだ。

 しかし実際にベインの相手を務める事になったのはじいさんだ。

「また俺の相手をすることになって不運だったな……と言いたいところだが。そいつらはなんだ? お友達か?」

 そう言って俺はリステルマの側で控える不思議生物を指摘する。それはどうみても水晶で模られた像だった。

 大きさは大人の1.5倍くらいある。しかも動いているのだ。片方は男性、もう片方は女性の形をとっている。

「これらは万が一に備え、総裁……レクタリア様が残してくれた魔法生命体。ふふ……どうです? あなたたちの魔法で同じ事ができますか?」

「魔法……生命体……?」

 初めて聞く単語だ。俺はリリアーナに視線を合わせる。だがリリアーナも首を横に振った。

「分からないわ。私も初めて見る」

 レクタリアの能力……か? 

 だが万が一の備えという事は。当然、俺に対する備えも想定しているはずだ。俺とレクタリアが普通に戦えば、勝敗は明らかだからな。 

「レクタリアがここの守りに生み出した水晶像だってのか?」

「そうです。無機物に命を吹きこむ事すら可能とする。これこそ人に進化を与える者が持つに相応しい力だと思いませんか?」

 無機物に命を……? だが確かに、目の前の水晶像は実際に生きている様に見える。男性像は大きな槍を持ち、女性像は長剣を握りしめていた。

 リステルマの言っている意味は分からないが、こいつがレクタリアを信奉しているのは伝わってくる。何にせよ邪魔するのなら砕いて進むまで。

「ふん、悪いがこっちも急ぐんだ。一度しか言わんぞ。そこをどけ」

「皇女アデライアをここに置き、立ち去りなさい。彼女は次の時代と人の進化に必要な存在です」

「はっ、意味わかんねぇよ。アックス、フィン。ここで……」

 攻撃の指示を出そうとしたその時だった。部屋が大きく揺れ始める。

「な……!?」

 前に視線を向けるが、リステルマも驚いた表情を見せていた。そして前方に続く階段の奥から、強烈な光が洩れている。

「レクタリアが何かしたか……!」

「魔法復活の……扉を開ける準備に入られたのです。急ぎ皇女アデライアをお連れするとしましょう……!」

 そう言うとリステルマは両手を掲げる。腕先から生まれた青白い無数の光球が俺たちに迫った。

「ちぃ……!」

 俺とアックスは左へ、フィンとリリアーナは右へと移動する。ディアノーラはアデライアを抱いて後方へと下がった。

 先手を譲ったが、このまま良い様にされっぱなしのつもりはない。だが同時に、動いていた水晶像が眼前に迫っていた。

「…………っ!」

 俺たちには男性像が、フィンとリリアーナには女性像が迫る。男性像は豪快な動きで槍を振り、女性像は洗練された剣筋を振るってきた。

「っとぉ!?」

「わわ!?」

 対人とは違い、自分たちよりも大きな身体を持つ者が放つ攻撃。間合いも計りにくいし、人ではない分その間接の動きを素直に信じる訳にもいかない。

 そうして水晶像に警戒をしているとことに、リステルマの光球が降り注ぐ。

「くそが……!」

 部屋の揺れは収まっていたが、階段の奥からはまだ強い光が洩れている。レクタリアが何かしようとしている事は確実なのだ。こちらも時間がない。

「ヴェルト殿!」

 光球を避けた直後を狙い、俺に男性像が迫る。後方に跳ぶかと考えたが、その俺の前に飛び出したのはディアノーラだった。

「はあああああ!!」

 ディアノーラは男性像の槍を正面から受けきる。俺はその隙を突いて、腕部だけ発動させた黒曜腕駆で殴りつける。男性像は後方へと跳んだが、何事もない様に地面に着地した。

 人であれば、今の一撃でかなりのダメージを負っていただろう。だが水晶像は表情も動かず、なんでもなかったかの様に立っている。

 ディアノーラは俺の隣に立ち、視線を合わせてきた。

「ヴェルト殿……! おそらくもう時間がない! ここは……!」

 アックスとフィンも視線を合わせてくる。互いに意思が疎通した瞬間だった。

「ヴェルトさま……! どうか、お願いします……!」

 部屋の入り口付近まで下がったアデライアの声。

 ったく……! やるしかねぇな……!

「おおおお!!」

 リステルマ目掛けて真っすぐに駆ける。直ぐに動いたのは女性像だった。優雅な動作で長剣を振るってくる。

 だが不意に姿を現したフィンが、その腕に小剣を当てる。そうして僅かに逸れた剣の軌道に、ディアノーラが自身の剣をぶつけた。

「はあっ!」

 女性像は倒れはしないものの、僅かに身をよじる。その隙を縫って俺はさらに前へと走る。

 だが今度は男性像が巨体を揺らしながら向かってきた。

「うらぁ!」

 俺の隣に出てきたアックスが腕を振るう。無数に生み出された水糸は普段よりも太く、男性像の振るう槍を絡めとる。

 対象を切り裂くのではなく、純粋にその動きを封じるための魔法だ。

「行けぇ!」

 アックスが男性像の動きを止めた隙にさらに前へと駆ける。レクタリアは焦った表情でこちらに腕を掲げた。

「く……!」

 中サイズの光球が連続で放たれる。俺は腕に発動させている黒曜腕駆でそれらを叩き、その軌道をそらしていく。

 弾かれた光球がぶつかった壁や天井では、小規模の爆発が起こっていた。

「この……!」

 レクタリアの真横を通り過ぎる瞬間、俺はその拳を顔面に向けて振るう。だがレクタリアはエルセマー領でも見せた、地を滑る様な動きで距離を取った。

 攻撃は当てられなかったが、別に本気で当てるつもりはない。レクタリアに隙が生まれたらそれで十分。

 俺はそのまま足を止めず、階段を上り始める。

「な……!」

 初めから俺は……俺たちはこうするつもりだった。この場はみんなに任せ、今は俺だけでも確実にレクタリアの元へと走る。

 狙いに気付いたリステルマは俺を追いかけようとするが、そこに無数の金属片が襲い掛かった。 

「く……!」

 咄嗟に展開した大型の光球で、金属片をやり過ごす。レクタリアの前には流聖剣を抜いたリリアーナが立っていた。

「あなたの相手は私よ……! 裏切り者、レクタリア……! ここで第八獅徒たる私、流聖剣のリリアーナがあなたを討つ……!」

「リリアーナ……!」

 後ろでは激しい戦闘音が鳴り響く。だが俺は振り返る事なく、そのまま足を進める。そうして階段を登り切り、その奥へと足を踏み入れた。
 



 
 部屋全体が水晶で作られた部屋。その中心部にある祭壇にレクタリアは立っていた。

 目の前には大きな台座があり、そこには強い光を放つ光球が滞空している。レクタリアは赤い片目でその光球を捉えていた。

「流石に時間はかかりそうですね……依り代の肉体が手に入れば、いくらか安定するのですが……」

 レクタリアというのは、この肉体の元々の持ち主の名だ。だがその少女の身体には、今は別の魂が宿っていた。

 その魂の名はシルヴェラ。かつてこの世界に君臨したと言われる三女神。その一柱の名である。

「こうなる事は見えていました。だからあの時。聖魔の波動は断つべきではないと判断したというのに……」

 レクタリアは静かに瞳を閉じる。思い出すのは幻魔歴よりもさらに昔。幻想歴と呼ばれていた時代。

 かつてレクタリアはこことは違う世界から、巨大な箱舟に乗って渡ってきた。だがその途中で事故に合い、箱舟に住まう者は3人の女性を除いて全員死んでしまった。

 しかし箱舟には人類の遺伝子情報が保管されていた。レクタリアたちはそれらを用いて、新たに人という種を生みだし、地上で繁殖させていく。

「元の世界に起こった災害から逃れ、超次元航行で行きついた世界。人の新たな理想郷」

 レクタリアが元いた世界は崩壊したが、それは高度に発達した科学技術が引き金になっていた。

 そのため、増え始めた人類には極度に文明が発展しない様にと働きかける。かつての過ちを繰り返さない様に。しかしその必要はなかった。

 原因は分からなかったが、この世界で人の寿命は僅か20年しかなかった。レクタリアたち3人は特殊な延命処置を定期的に施していたが、そうでない人は長く生きられなかったのだ。

 だからといって生まれた人類全てに延命措置ができる訳ではない。そこまでの設備は整っていなかったのだ。

「超次元航行技術。世界を渡るゲート……」

 調べていくうちにある事が判明する。この世界には特殊な波動が満ちていたのだ。それは次元間を渡れる箱舟の機器でしか観測できないものであった。

 レクタリアたちはこの波動と異世界の生物である人の寿命に、何か関係があるのではと探り始める。だが特に有効な手は打てなかった。しかし。

「きっかけは1匹の獣。まさに進化の御業と言えましょう」

 レクタリアが元居た世界では進化論という学説があった。人はその近似種から進化したというものだ。

 レクタリアがこの世界に来た当初、ここに人は存在していなかった。だが世界が……あるいは波動が人という種を認識した時。それは訪れた。

 この世界の原生生物である二足歩行の獣が、僅かな時で人へと進化を遂げたのだ。

 いや、人というにはまだ未熟な姿。しかしそれは確かに、この世界に人という原型が生まれた瞬間だった。

 長年の調査で波動が生物に何らかの影響をもたらすという事は分かっていた。レクタリアたちはさらに波動の分析を進める。

 そうしてある日。世界の8箇所からその波動が強く放射されている事を掴む。

 それは本当に多くの偶然が積み重なった結果であった。

 たまたまレクタリアは超次元航行の知識を持つ技術者であり、そしてたまたま箱舟の生き残った機能を用いて波動を観測できたに過ぎない。

 だがこの世界で生きていく以上、波動は無視できないものであった。

「科学の粋を以て波動を制御しようと考えましたが。結果として波動は人にさらなる進化を促した」

 異世界を渡ってきた箱舟だからこそ、波動はこの世界とは違う世界から漏れ出ているものだと観測できた。

 そしてある時、レクタリアはその制御を誤ってしまう。世界に強く波動が満ちた瞬間だった。

 何が起こるかと思ったが、変化は直ぐに現れた。人の原型がより完成された人へと進化を遂げたのだ。それも短時間で。

 新たに生まれた人種は20年という短命でもなく、その数を順調に増やしていく。そしてレクタリアたちと同じく、文明を持つに至った。だがさらに驚くべき進化を見る。

「初めて見た時は驚きましたね。魔法。神秘の力。神の如き御業」

 そう。新人種の多くに魔法という能力が宿ったのだ。そしてその力はレクタリアたちにも宿った。

 レクタリアたちは新人種の管理者として、その文明を発展させつつも行き過ぎない様にコントロールしていく。そうしていつしか、幻想歴と呼ばれる魔法文明が出来上がっていった。

「思えばあの時は一番豊かな時代でした」

 自分たちの知る科学文明とは異なる、新たな歴史と文化。魔法の力で人は豊かな生活を送る事ができていた。

 しかしある時。魔法文明の絶頂期を迎えた人に変化が訪れはじめる。突然怪物へと姿を変える者が現れ始めたのだ。その変異は何の予兆もなく、本当に突然訪れた。

 一方で、以前よりも強い魔法に目覚める者も生まれ始めていた。

 ここでレクタリアたちの間で意見が分かれ始める。レクタリアは波動を「生物をより良く進化させるためのきっかけ、道しるべ」と定義していた。

 しかし他の2人は、人の怪物化は波動に問題があるとし、両者で意見の食い違いが起こった。

 3人はいろいろあったが、やがて人の怪物化がより顕著になっていく。

 今の人ではまだ波動の恩恵を受け止め切れないと判断したレクタリアは、これまで発展した魔法技術を用いて8つの波動制御装置……大幻霊石を作った。そしてその管理を特定の血筋の者に委ねる。

 本来であればレクタリアが直接管理したかったのだが、3人の間で起こった争いがきっかけで、既にレクタリアにその力は残っていなかったのだ。

 だが条件がそろった時、特定の大幻霊石の管理者に自分の意識を転写できる仕掛けを施していた。

「いつの間にか特定の者が魔法技能を占有する幻魔歴へと変わり、さらに大幻霊石が砕けてしまうのは計算外でした。今の時代にレクタリア……この少女に意識を転写できたのは運命と言えます。……あなたもそう思いませんか?」

 そう言うとレクタリアはゆっくりと振り向く。そこにはヴェルトが立っていた。
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