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地下闘技場で進む策謀
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帝国某所にある地下闘技場。そこでは冥狼の幹部である針刺しオーバンが、同じく幹部であるダイルズと会話を交わしていた。
「流石に黒狼会は一筋縄ではいかないねぇ」
「オーバン。ボスになんて説明をするんだ? ここまで刺客を放って、まだガーラッドを仕留めていないなんて」
「そう言うなよぉ。なんせ相手は閃刺鉄鷲をも返り討ちにした相手だぜぇ? 始めからごろつき如きがどうにかできると思ってねぇよ」
闘技場では奴隷同士が素手による殺し合いを演じていた。観客たちがワッっと盛り上がる。見ると一人の拳闘士が相手の顔面を殴りつけたところだった。
「……じゃ何でそんなごろつきどもを放っていたんだ?」
「ボスが言ってただろぉ。まずは情報を集めろってよ」
この数日、冥狼はその情報網を使い、黒狼会……特に最高幹部たちの情報を集めていた。結果、それぞれの名は分かったものの、血縁関係やその過去などは全く探る事ができなかった。
どれほど情報屋を駆使しても、帝都に現れる以前の情報が一切出てこないのだ。あまりにも綺麗に痕跡が消されており、かえって妙だとオーバンは考えていた。
「その情報。全然集まっていないんだろ?」
「何も情報を集められない連中だって情報が得られたのさ。当初は別の大陸か、どこかの孤島生まれかとも考えたが。それならそれで、帝都に来る前にどこの街に滞在していたのか。その辺りの情報も全く入ってこねぇのはいくら何でもおかしい。まるでいきなりこの帝都に姿を現したかの様だ」
「……何が言いたいんだ?」
「つまりそこまで徹底して自分たちの痕跡を消せる力があるんだろう。そしてそうしなければならない程の事情もある」
オーバンがそこまで話してダイルズはまさか、と口を開いた。
「例のいかれた結社に属する者……!?」
「結社はどっちもいかれてんだろうがよぉ。まったく。俺たち真っ当な闇組織の者からすれば、迷惑な話だぜ」
「だ、だが……! もしそうなら、うかつに手を出すのはまずいんじゃ……!?」
再び観客たちの間で歓声が沸き起こる。闘技場では5人の裸の女性が、無理やり男に引きずられて入場してきたところだった。
男はさっさと退散し、高いフェンスで覆われた闘技場には女性たちだけが残される。
「少なくとも俺たちと懇意にしている方とは無関係だ」
「……何故分かる?」
「例の集団が間もなく帝都に来るってのに、俺たちに何も通達がこないからな。それにもし黒狼会が結社の関係組織だったとして。俺たちに敵対する理由がないだろう?」
「……確かに。だがそれなら、やっぱりいかれた方の結社に属しているんじゃ……」
闘技場では女性たちが入場した方とは逆方向から、低い唸り声が響き始める。そして6人の男たちに鎖で抑えられた状態で、不気味な化け物がその姿を現した。観客たちはさらに大きな歓声を上げる。
化け物。まさにその呼び名が相応しい獣だった。大きさは大人5人分はあるだろうか。四本脚で唸り声をあげる様は、狼に悪霊が憑りついた様にも見える。
「さて、な。とにかく俺はよぉ。こうしてごろつきどもを放って、誰が閃刺鉄鷲の刺客を倒した奴なのか見極めていたんだよぉ」
「確かに黒狼会の幹部どもがどこの誰であれ、閃刺鉄鷲の暗殺者どもを上回る実力を持っているのは確実だ。そんな実力者がごろごろいるとは思えねぇ。6人の内の誰かが特異的な戦闘力を有しているって訳か」
「少なくとも2人はいる。一人はフィンという女だ。これは前に閃刺鉄鷲の見届け人が直接確認している事から間違いない」
「確か最高幹部の中では最年少だったな。そんな女が……いや。あの結社の関係者ならあり得るか」
男たちが獣を抑える鎖の力を弱め始める。その瞬間、獣は素早く男たちを振りほどき、近くにいた者に頭からかじりついた。一瞬で男から上半身が失われる。
「き、きゃあああああ!!」
「こ、こいつ……!」
「ぐえっ!?」
「ぶぎゃ!?」
獣は次々に男たちをその爪で、牙で仕留めていく。闘技場には大量の肉片と血がまき散らされていた。
獣の口からはボリボリ、ガリガリという音が鳴り響いている。おそらく食べた男の骨を砕いているのだろう。
地下闘技場は今日一番の熱気を見せたが、オーバンたちは普段と変わらぬ態度で会話を続けた。
「……その話。ボスには?」
「当然伝えているに決まってんだろぉ。で、フィンの他のもう一人だが。誰だと思うよ?」
「そりゃ黒狼会のボス。ヴェルトだろう?」
「普通はそう考えるよなぁ。確かにあの男も、赤柱相手に暴れた経歴を持つ。強ぇのは間違いないだろう。だがそれで閃刺鉄鷲の刺客を上回るという結論にはならねぇ。おそらくもう一人の実力者はガードンだ」
闘技場では裸の女たちが逃げ惑っていた。だが獣は一人、また一人と女たちに襲いかかり、男たち同様に無残に殺していく。
「6人の中では一番如何にも、て風貌の奴だな」
「ああ。ガードンはこの数日、帝都の賞金首を捕えているんだが。その総額は700万エルクに上る」
「な……!?」
「奴が捕えたお尋ね者の中には、俺以上の賞金首である盾割りのバルドもいた。しかし情報では、ガードンはバルド相手に無傷であっさり倒しちまったらしい」
「なんだって……!?」
地下闘技場から女たちの悲鳴が無くなる。その変わり、観客たちの歓声が大きくなっていた。
闘技場には大勢の男たちが鎖を持って入り、獣を再び抑えにかかっている。
「それは……増々結社の関係者の疑いが出てきたな」
「だなぁ。で、うちにはそんな強者に興味むんむんな奴がいるだろぉ? あの怪物が気に食わねぇって言ってる脳筋がよぉ」
そう言うとオーバンは闘技場で暴れる獣を指さした。今日はこの獣によるショーを見せるため、多くの有力者を招いていた。興味を持った者は何とかあの獣が欲しいと考えるだろう。
「まさか……動いたのか? 堕ちた騎士、アルフリードが……!?」
「そのまさかだ。まずは手ごろな最高幹部を人質に取り、ガードンをおびき寄せる。で、アルフリードの野郎は1対1で正面から倒すと息巻いているって訳よ」
「それは……確かにアルフリードなら、まぁ……」
「んなアルフリードの騎士ごっこに付きあってやるはずがねぇだろうが。もし野郎をおびき寄せれたのなら、人質もろともさっさと片付けるとも。こっちにはまだ閃刺鉄鷲の刺客が残ってんだからよぉ」
くっく、とオーバンは暗い笑い声を出す。確かに黒狼会の実力は想像以上に高かった。だがそれならそれで、こちらも出方を変えるだけの事。
罠に嵌め、一人孤立したところを数の暴力で押し切る。そうして一人一人仕留めていき、最後には黒狼会の幹部全員を消す。オーバンにとって何も難しい話ではなかった。
「しかし手ごろな最高幹部って……。誰をターゲットにするつもりだ?」
「ロイだ。あの野郎、日中はどこかに出かけているのか、中々尻尾をつかめねぇが。夜はどこかから一人で屋敷まで帰ってくる。尾行は難しいが、一人になるタイミングは掴んでいるって訳だ」
「なるほど。確かに、最高幹部の中では一番大人しそうな見た目をしているな」
「ハギリも考えたが、老い先短いじじいが人質としてどれだけ有用かは怪しいからな。ここはフィンの次に最年少であるロイを狙うとするぜぇ」
ロイも実力者なのは分かっている。一人で雷真弓の幹部宅を襲撃した実績もある。
しかし幹部宅には武闘派連中が常にそろっている訳ではないし、それくらいなら冥狼の中でもできる者は多い。こっちも相応の者を出せば決着は直ぐにつく。オーバンはそう考えていた。
「いずれにせよアルフリードの奴が動くんだ。冥狼幹部を表に出させた黒狼会の実力は高く評価してやろうぜぇ」
「流石に黒狼会は一筋縄ではいかないねぇ」
「オーバン。ボスになんて説明をするんだ? ここまで刺客を放って、まだガーラッドを仕留めていないなんて」
「そう言うなよぉ。なんせ相手は閃刺鉄鷲をも返り討ちにした相手だぜぇ? 始めからごろつき如きがどうにかできると思ってねぇよ」
闘技場では奴隷同士が素手による殺し合いを演じていた。観客たちがワッっと盛り上がる。見ると一人の拳闘士が相手の顔面を殴りつけたところだった。
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この数日、冥狼はその情報網を使い、黒狼会……特に最高幹部たちの情報を集めていた。結果、それぞれの名は分かったものの、血縁関係やその過去などは全く探る事ができなかった。
どれほど情報屋を駆使しても、帝都に現れる以前の情報が一切出てこないのだ。あまりにも綺麗に痕跡が消されており、かえって妙だとオーバンは考えていた。
「その情報。全然集まっていないんだろ?」
「何も情報を集められない連中だって情報が得られたのさ。当初は別の大陸か、どこかの孤島生まれかとも考えたが。それならそれで、帝都に来る前にどこの街に滞在していたのか。その辺りの情報も全く入ってこねぇのはいくら何でもおかしい。まるでいきなりこの帝都に姿を現したかの様だ」
「……何が言いたいんだ?」
「つまりそこまで徹底して自分たちの痕跡を消せる力があるんだろう。そしてそうしなければならない程の事情もある」
オーバンがそこまで話してダイルズはまさか、と口を開いた。
「例のいかれた結社に属する者……!?」
「結社はどっちもいかれてんだろうがよぉ。まったく。俺たち真っ当な闇組織の者からすれば、迷惑な話だぜ」
「だ、だが……! もしそうなら、うかつに手を出すのはまずいんじゃ……!?」
再び観客たちの間で歓声が沸き起こる。闘技場では5人の裸の女性が、無理やり男に引きずられて入場してきたところだった。
男はさっさと退散し、高いフェンスで覆われた闘技場には女性たちだけが残される。
「少なくとも俺たちと懇意にしている方とは無関係だ」
「……何故分かる?」
「例の集団が間もなく帝都に来るってのに、俺たちに何も通達がこないからな。それにもし黒狼会が結社の関係組織だったとして。俺たちに敵対する理由がないだろう?」
「……確かに。だがそれなら、やっぱりいかれた方の結社に属しているんじゃ……」
闘技場では女性たちが入場した方とは逆方向から、低い唸り声が響き始める。そして6人の男たちに鎖で抑えられた状態で、不気味な化け物がその姿を現した。観客たちはさらに大きな歓声を上げる。
化け物。まさにその呼び名が相応しい獣だった。大きさは大人5人分はあるだろうか。四本脚で唸り声をあげる様は、狼に悪霊が憑りついた様にも見える。
「さて、な。とにかく俺はよぉ。こうしてごろつきどもを放って、誰が閃刺鉄鷲の刺客を倒した奴なのか見極めていたんだよぉ」
「確かに黒狼会の幹部どもがどこの誰であれ、閃刺鉄鷲の暗殺者どもを上回る実力を持っているのは確実だ。そんな実力者がごろごろいるとは思えねぇ。6人の内の誰かが特異的な戦闘力を有しているって訳か」
「少なくとも2人はいる。一人はフィンという女だ。これは前に閃刺鉄鷲の見届け人が直接確認している事から間違いない」
「確か最高幹部の中では最年少だったな。そんな女が……いや。あの結社の関係者ならあり得るか」
男たちが獣を抑える鎖の力を弱め始める。その瞬間、獣は素早く男たちを振りほどき、近くにいた者に頭からかじりついた。一瞬で男から上半身が失われる。
「き、きゃあああああ!!」
「こ、こいつ……!」
「ぐえっ!?」
「ぶぎゃ!?」
獣は次々に男たちをその爪で、牙で仕留めていく。闘技場には大量の肉片と血がまき散らされていた。
獣の口からはボリボリ、ガリガリという音が鳴り響いている。おそらく食べた男の骨を砕いているのだろう。
地下闘技場は今日一番の熱気を見せたが、オーバンたちは普段と変わらぬ態度で会話を続けた。
「……その話。ボスには?」
「当然伝えているに決まってんだろぉ。で、フィンの他のもう一人だが。誰だと思うよ?」
「そりゃ黒狼会のボス。ヴェルトだろう?」
「普通はそう考えるよなぁ。確かにあの男も、赤柱相手に暴れた経歴を持つ。強ぇのは間違いないだろう。だがそれで閃刺鉄鷲の刺客を上回るという結論にはならねぇ。おそらくもう一人の実力者はガードンだ」
闘技場では裸の女たちが逃げ惑っていた。だが獣は一人、また一人と女たちに襲いかかり、男たち同様に無残に殺していく。
「6人の中では一番如何にも、て風貌の奴だな」
「ああ。ガードンはこの数日、帝都の賞金首を捕えているんだが。その総額は700万エルクに上る」
「な……!?」
「奴が捕えたお尋ね者の中には、俺以上の賞金首である盾割りのバルドもいた。しかし情報では、ガードンはバルド相手に無傷であっさり倒しちまったらしい」
「なんだって……!?」
地下闘技場から女たちの悲鳴が無くなる。その変わり、観客たちの歓声が大きくなっていた。
闘技場には大勢の男たちが鎖を持って入り、獣を再び抑えにかかっている。
「それは……増々結社の関係者の疑いが出てきたな」
「だなぁ。で、うちにはそんな強者に興味むんむんな奴がいるだろぉ? あの怪物が気に食わねぇって言ってる脳筋がよぉ」
そう言うとオーバンは闘技場で暴れる獣を指さした。今日はこの獣によるショーを見せるため、多くの有力者を招いていた。興味を持った者は何とかあの獣が欲しいと考えるだろう。
「まさか……動いたのか? 堕ちた騎士、アルフリードが……!?」
「そのまさかだ。まずは手ごろな最高幹部を人質に取り、ガードンをおびき寄せる。で、アルフリードの野郎は1対1で正面から倒すと息巻いているって訳よ」
「それは……確かにアルフリードなら、まぁ……」
「んなアルフリードの騎士ごっこに付きあってやるはずがねぇだろうが。もし野郎をおびき寄せれたのなら、人質もろともさっさと片付けるとも。こっちにはまだ閃刺鉄鷲の刺客が残ってんだからよぉ」
くっく、とオーバンは暗い笑い声を出す。確かに黒狼会の実力は想像以上に高かった。だがそれならそれで、こちらも出方を変えるだけの事。
罠に嵌め、一人孤立したところを数の暴力で押し切る。そうして一人一人仕留めていき、最後には黒狼会の幹部全員を消す。オーバンにとって何も難しい話ではなかった。
「しかし手ごろな最高幹部って……。誰をターゲットにするつもりだ?」
「ロイだ。あの野郎、日中はどこかに出かけているのか、中々尻尾をつかめねぇが。夜はどこかから一人で屋敷まで帰ってくる。尾行は難しいが、一人になるタイミングは掴んでいるって訳だ」
「なるほど。確かに、最高幹部の中では一番大人しそうな見た目をしているな」
「ハギリも考えたが、老い先短いじじいが人質としてどれだけ有用かは怪しいからな。ここはフィンの次に最年少であるロイを狙うとするぜぇ」
ロイも実力者なのは分かっている。一人で雷真弓の幹部宅を襲撃した実績もある。
しかし幹部宅には武闘派連中が常にそろっている訳ではないし、それくらいなら冥狼の中でもできる者は多い。こっちも相応の者を出せば決着は直ぐにつく。オーバンはそう考えていた。
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