引きこもりの俺の『冒険』がはじまらない!〜乙女ゲー最凶ダンジョン経営〜

ばつ森⚡️4/30新刊

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2-1 魔法学園の編入生

104 愛ある交わり ※

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 朝から出かけた俺とフェルトは、結局、夕方まで王都を歩き続けた。いっぱいいろんなものを食べて、いっぱい笑って、朝文句を言っていたわりには、最終的にすごく満足な一日になった。
 早起きとか嫌いだし、できることならフェルトを一日愛でたかったけど……あれはあれでよかった。

 フェルトの宿屋に帰って来てあとは、くたくただった。
 でも、長期で借りてる宿は簡素なものだが、火魔法の常備されたキッチンがついていて、一緒に夕飯を作って食べたのだ。
 オリバーがいないから、まともな夕飯って呼べるほどのものじゃなくて、スープだけ作って、パンと肉だけ。でも、はじめて人と飯を作ったから、それも普通に……新鮮だった。
 フェルトは意外とこだわるタイプなようで、スープのスパイスを見ながら怖い顔をしてたけど、できた料理は……及第点だったと思う。

 飯を食い終わって、俺が先に水桶で体を洗って、今はフェルトが水浴びしてるところだった。
 宿にシャワーがないのはしかたないとしても、さすがに熱いお湯で体を流したい。やっぱりどっかに家を買うか借りるべきだろう。
 〝浄化〟っていう生活魔法が普及しているから、わざわざ水浴びしたいっていうやつも少ないのかもしれない。

 寮に帰えらずに、そのままフェルトの部屋に戻ったので、俺は服も下着も朝選んだ女の格好のままだ。
 もちろん浄化はしたから、洗濯仕立てみたいなかんじではあるが……早く寮に戻って、スウェットに着替えたいと思った。
 俺はなにをするでもなく、ベッドでごろごろと転がっていたが、ふと思い出したことがあった。

 (そういえば……)

 俺は自分のスカートをめくり、尻の部分にそおっと指を滑らせた。
 今朝、フェルトが選んだベラのコーディネートセットは……すごくえろい下着だったことを思い出したのだ。水浴びしたときは、よく考えずに脱ぎ着してたけど……尻のとこだけリボンのレースアップになった生地の少ない下着に、揃いのレースアップのブラジャーだった。
 俺は「うーん」と唸り声を上げてから、さっきめんどうでポケットに詰め込んでしまったストッキングと、それを支えるためのレースのガーターベルトを身につけ直してみた。
 そして、部屋の隅に置かれた鏡の前で、スカートをめくってみる。

(……リボンをほどいて「食べて下さい♡」ってかんじだ……)

 色ばかりは、白なんていう清楚な色のくせに、尻の割れ目がリボンの編み目からのぞいてるって……あのとんでも令嬢の頭の中はどうなっているんだろう。俺はベラのことを頭に思い浮かべながら、虚ろな気持ちになった。
 こんなの着るやつが清楚であるわけがない。
 
(――が、夢みがちな童貞騎士には……効果覿面てきめんなんだろうな……)

 そんなことを思いながらまたベッドで転がっていると、上裸のフェルトがトイレのほうから出て来た。
 首にかけた乾布で顔を拭いながら、歩いてくる姿を横目で見て、俺はうっそりと目を細めた。
 鍛えられた体は、美しいまでに引き締まっていて……男らしい。あの体をしならせて、俺の下で啼いている姿を思い出すと、愉悦が込み上げた。フェルトの髪からぽたりと水が滴り落ちた。
 そんな目で見られてるとも知らずに、きょとんとしたフェルトが首をかしげながら尋ねてきた。

「レイ? 今日も泊まってって大丈夫なの?」
「そのつもり」

 俺がそう答えると、フェルトは嬉しそうに笑った。その笑顔がかわいくて、もうたまらなくなった。「んー」と言って、甘えるように手を伸ばすと、くすくす笑いながら近づいてくる。
 フェルトがベッドに膝を乗せると、ギシッとベッドが軋んだ。
 俺の上に覆い被さるように手をついたフェルトの首に、腕を回しながら俺は笑った。

「フェルト様、ありがとう。今日……楽しかった」

 わざと女言葉で言ってみたら、フェルトが笑った。
 花が綻ぶって女が笑うときの雰囲気だろ……と思いながら、その緩みきった顔をぺいっと指ではじくと、「痛っ」とフェルトが呻いた。
 そのままごろんと俺の横に倒れたフェルトに、「脱がせて」と言うと、顔がぶわっと赤くなった。首もとのリボンをするりと抜いて、ボタンがひとつずつ外されていく。
 どんな反応をするかなと思いながら、様子を窺っていると……レースアップのブラジャーが見えたのか、フェルトがピタリと動きを止めた。

「れ、れい、まだ……その、おっ女の子のまま……だよ」
「いいよ。見てて」

 固まってしまったフェルトをそのままに、俺は半身を起こすと、もう脱げかかってるブラウスを取り去り、それから、わざわざ尻のレースアップが見える位置でスカートをぽいっと床に投げ捨てた。ごくりとフェルトの喉が鳴った気がした。
 横になってるフェルトの部屋着のトラウザーをずらし、上半身をかがめると、固くなったフェルトのペニスに下着の上から、ちゅっと唇を落とした。
 そして、ぺろりと唇を舐めてから、尋ねた。

「フェルトは、女の俺と男の俺と……どっちに、犯されたい?」
「――っ、れいッ」
「教えて」

 そのまま、下着ごとペニスを口に含んで、はむはむと甘く噛んでると、ビクッビクッとフェルトが震えた。俺が首をかしげて尋ねると、真っ赤になった顔を押さえながら、フェルトが言った。

「――俺は、レイならどっちでも……いいけど。でも……いつものレイが、好きだよ」

 優しい表情でそう言われて、ドキッと心臓が跳ねた。
 本当はおっぱいだって揉みたいんじゃないの? とか、本当は女の子が好きなくせに……とか思ったけど。

(……いつもの俺が、いいのか……)
 
 フェルトが女がいいと言ったら、女のまましばらくサービスしてあげようかなとも思ったけど……そう言ってくれて、胸がいっぱいになった。
 俺は胸とか股間をもとに戻すと、ただでさえきつかった下着から完勃ちのペニスがはみ出てきつくなった。
 ブラジャーはスカスカになってしまったので、それもポイッと床に投げ捨てた。
 
(なんか今日は……優しく、してあげたい気分なんだよな……)

 フェルトの下着を脱がせて、熱くなったペニスを取り出すと、ぺろりと竿を舐め上げてから口に含む。フェルトのは結構でかくて、俺が口に入れると、口内がいっぱいになった。頬の裏にこすりつけたり、舌でしごいたり、好きに舐めていると……すごい眼力で見られているのを感じた。ちらっと目をやると、いつもは輝いている新緑の瞳の色が……欲望でいっぱいだった。
 
(あ、そういえば、目の前で舐めてやるのは……はじめてだったか)
 
 俺は欲情したフェルトと目を合わせたまま、ちゅぷと音を立てながら先端を口に入れた。そのまま手で硬い竿をしごいてあげると、フェルトのペニスが気持ちよさそうに、ピクピクと震えた。
 だんだん動きを激しくすると、フェルトの脚に力が入っていく。

「れ、れい、俺、――もうっ」
「ひーよ」

 今日は本当に……優しくしてあげたい気分だった。「え……?」と、フェルトがびっくりした声を上げた。それから焦った様子で「口、離して」「お願いっ」と、必死に何回か涙目で言ってたけど、そのまま限界まで高まると「んぁッ」と小さく声を出して、俺の口の中に聖液を吐き出した。
 そのまま呑み込むと、フェルトが慌てた様子で「れ、れい! 出していいから!」と俺の頬に手を伸ばした。
 
(いつもあんなに無理矢理飲まされてるのに……ほんと、優しい騎士様だな……)
 
 実はフェルトの精子の味が……おいしい味つけになってるなんてことは、本人は知らない。俺はくすくす笑いながら、唇を見せびらかすように舐めた。
 この味なら、いくらでも飲めそうだと思ったのも秘密だ。
 フェルトは真っ赤になって、両手で顔を隠してしまった。でも、出したばかりだというのに、ペニスはまだ元気そうだった。

「フェルト様、レイのことも……気持ちよくして」

 体はもとに戻しちゃったけど、なんとなく女口調で言ってみたら、「れ、れいっ それ、女の子にされてるみたいで恥ずかしいから」と、真っ赤な顔のままフェルトは慌てていた。
 
(えー……そう言われちゃうと、もっと恥ずかしがってるところを見たくなるんだけど?)
 
 俺は下着を脱いで、ベッドに股をひらいて座った。
 ペニスをフェルトに舐めてもらいながら、こっちに尻を向けてもらう。お互いに舐め合うのには……俺の身長が足りなくて、つらい。いつか自分の体を大きくして、つっ込んでみるのもいいかもしれない。
 フェルトの尻に指を差し込むと、つぷと小さく音を立てて、すんなりと中に入っていった。浄化の魔法を唱えてから、中にあるしこりを優しく円を描くように撫でると、「んッぁっ」と小さくフェルトが震えた。
 しばらくそこだけを、香油をつけてくちゅくちゅと音を立てていじってたら、フェルトの体がビクビク震えた。涙目になったフェルトが、恨めしそうに俺のほうを見た。

「――れ、れいぃ……もぅ……それっ……」
「俺も、もう挿れたい」

 一気に指を引き抜くと、ちゅぽんと湿った音がした。
 その音が恥ずかしくて震えているフェルトをベッドに倒す。舐めてもらってぬるぬるになったペニスをしごきながら、瞳を潤ませたフェルトにちゅっとキスをした。「挿れるよ」と小さく言って、そのまま、ペニスを挿れると、「はぁ……」とフェルトが気持ちよさそうな息を吐いて、きゅううっと俺のことを締めつけた。
 うねるように絡みつく内壁が熱い。

「すげー……とろとろ」
「ふ、あっ、れ、れいっ!」

 ヤるたびに中の具合がよくなってる気がする。
 何回やっても恥ずかしそうに感じている、フェルトのいじらしい姿に満足する。俺が腰を打ちつけるたび、離さないとばかりにぎゅうぎゅう締めつけてくるフェルトの中に、うっとりしてしまう。

(心は処女、体は娼婦……みたいな? こういうの……名器って言うんだろうな。最高)
 
 浅いところから奥の奥まで、全部俺のものだと刻みつけたくて、ゆっくり……ゆっくりとねぶるように擦り上げた。

「なあ、フェルト」
「ん……んッ……ぁっ」
「――好きだよ」
「あっ! え! あ゛ぁッ! んっ……んんんーッ!」

 唇で口を塞ぎながら最奥を貫くと、フェルトのペニスから精子が吹き出した。

(はあ……――かわいい)
 
 びくんびくんと体を揺らして絶頂に達してるフェルトを見ながら、俺は目を細めた。中がうねりまくって、信じられないほど気持ちよかった。フェルトの体内をもっと暴きたい気持ちになって、息を整えようとしているフェルトをそのまま躊躇なく、ペニスを突き刺す。

「あぁッ! れ……い! ちょッ……ぁ待っ! まだっ……あッ……あーっ!」
「まじで、すげー気持ちいい。フェルトは〝好き〟って言われるのが好きなの? いっぱい言ってあげようか」
「ああっ! れいぃッん゛ーーッ!」
「……かわい……」

 見下ろしながらそう言うと、フェルトの体中が赤くなった。
 キスの合間に「好きだよ」「愛してる」「すげー気持ちいい」って、感じたままに口にしてみたら、フェルトがとろっとろの顔できゅんきゅん締めてくるから、なんか俺もすげー興奮して追い立ててしまった。
 何回もフェルトのペニスが絶頂を迎えるのが見えたけど、俺は腰を止めなかった。
 口でも尻でもつながってて、体が熱くて……気持ちよくて、最高だった。

「あー……溶けそ……」
「んッんっ……ぁっあぁ……んん」

 キスしすぎて口が熱い。
 フェルトが涙を流しながらすがりついてくるのを見て、今まで……こんな睦言を囁きながらセックスをしたことがなかったから、俺は驚いていた。
 
(それだけでこんなに尻の締まりがよくなるってすげー……愛って偉大)
 
 そんな、自分が理解してない概念について考えてしまうぐらい、フェルトのかわいさが異常だった。
 もとから締まりはいいし、別に、俺だって嘘で愛を囁いているわけじゃないけど、なんだか……フェルトに包まれて、されてるかんじがした。

 こんなことでそう思うのは、フェルトに失礼かもしれないけど……愛してくれてると感じていることが、嬉しいと思った。それから、愛を口にするほうも……その言葉を……なんだか実感するものなのかもしれないと、少しだけ思った。
 
 俺は、フェルトのことが好きで……すごく大切らしい。
 大切にできているのかは、わからない。でも、ドキドキと高鳴る胸を感じながら、もう一度口にする。

「愛してるよ……フェルト」
「えッあ! れッ……お、俺も――んんぅ……んんーッ!」

 フェルトのペニスから何度目かもわからない白濁が洩れて、俺もフェルトの中に思いっきり精を吐き出した。
 愛のことはわからないけど、でも……これって、すごく幸せなことなんじゃないかっていう気がした。

 もう焦点があってないぐったりとしたフェルトの体を、絞ったタオルで軽く拭いて、浄化してから……ごろんと俺も横に転がった。
 着替えがないから、フェルトのシャツだけ借りて、あったかいフェルトの体に抱きつく。胸にすりすりと頬を当てていたら、ちょっと意識が戻ったのか……フェルトがぽつりと話し始めた。

「レイ、さっきも言ったけど、俺……レイが男でも女でもなんでも別にいい。でも、いつか恋人になれたらさ、俺も、その……レイに……してあげたい……っていうか」
「……なにを?」
「や、だから……えっと、俺も……レイの中に挿れてみたいなあ……とか」

 恥ずかしそうにそう告げるフェルトを見て、俺はピタッと動きを止めた。
 
(……は? フェルトのペニスを……俺の中に……???)
 
 えー……。
 あんなに気持ちよさそうにしてるくせに、やっぱ挿れたいとか……あるんだ。
 ダンジョンコアなんていうわけわかんない生物になってしまった以上、俺は寿命もわからねーし、いつかは……どうせならフェルトの童貞をもらいたいとか、思う日がくるのか?
 あまりにも恥じらっているフェルトがかわいいので、俺は少し考えてみたけど――。

「え、やだ……」
「え‼」
「痛そーだもん」
「ちょっとッ!」

 フェルトの怒ってる声が聞こえたけど、俺は満足して眠かったので、そのまますやすや寝てしまった。
 寝入る寸前に……少しだけ思った。
 
(今日はいつもと違うかんじの……一日だったな)
 
 それから、いつもと違うかんじに……フェルトとセックスをした。
 相手のことを貶めて、屈服させて、いじめ抜かないと、セックスなんて気持ちよくないと思ってたけど――。

(気持ちかった……不思議……)




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