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1-3 ラムレイ辺境伯領グレンヴィルより
53 奴隷商ルカ・後
しおりを挟む「ふうん。ダンジョンに行けば、わかるかもしれないけどな」
「でも、かなり難しいダンジョンだと聞きました。どんなところなのかは、すごーく気になるけどっ」
「一緒に来るか?」
「――お兄さんと? …………ほかには一緒に来てる人いないんですか?」
今の間、なにを考えていたんだろうな。
商人は商人でも、ベラのように悪いこともせず、損得をきちんと考えてやってる公正なやつもいる。でも、この子どものように、おそらく足がつかないギリギリまでなら、自分の利益を上げていいと考えている者も多いだろう。
餌である俺が、よりおいしく、より簡単に手に入りそうだと思わせるために、ひとこと言っておこうかなと思う。「実は、今レンベルグに滞在してるだけで、俺も噂を聞いて、ちょっと見に行ってみたくなっちゃって」と恥ずかしそうに口にすると、子どもはあからさまにほっとしたような顔をした。
『俺』の値段でも考えているんだろう。
今の俺は、見るからに――世間知らずの貴族の坊ちゃんだ。非力で頼るものもなく、無知で無鉄砲。ゴブリンの一匹でも見れば、びびって逃げ出すと思われただろう。
――でも、ダンジョンに入ってしまいさえすれば、こっちのものだった。
「……れ、レイ様……つ、ついにこんな幼気な子どもにまで手を……」
「オリバー。こいつは猫かぶってるだけで、おそらく奴隷商だ」
「……はい?」
さすがに子どもはちょっと……と引いていたオリバーが、俺が子どもをいたぶろうとしているのかとすごい目で見てきたが、『奴隷商』という、目の前の子どもとは180度違う単語を聞いて首をかしげた。
「お兄さん、一体何者なの? なにが目的? ぼ、僕になにをするつもりなの? こ、怖いよぉぉ」
「お前たちの荷馬車の積み荷と、さっきの場所にこれからも届く荷馬車の中身」
「!!!!!」
あの場所に盗賊たちが拠点まで築いていたことを考えると、今回のことは単発ではなく、――常習だ。
これからもこの国中の攫われた人たちが、ここを通って隣国へと売られていくのだろう。やってきた盗賊の仲間の取引相手を殺すのは容易いだろうが、それだとほかの人間がほかのルートを使って、同じことが繰り返すだけだ。
それなら、奴隷たちを受け取る終着点に、俺がなってしまったほうがいい。
帰るところがあるやつは帰ればいいし、帰るところのないやつらはアッカ村の横に集落でも作って畑でも与えてやれば、どうにか生活するだろ。
「へ、へえ……いろいろバレてるんだ。お兄さん、そんなに奴隷を集めてなにをする気なの?」
「さあ。なにするんだと思う?」
俺は、こないだフェルトにもらった1本鞭の柄で、グイっとショタの顎を持ち上げてみた。
女々しい男にはまったく興味がないけれども、合法ショタだと言うのなら――それは楽しんでみせよう!……と、妙なテンションになる。ふふふ、と嫌な笑みを浮かべていると、「結局いつもと変わらないじゃないですか……」と、オリバーがぶつぶつ文句を言ってるのが聞こえた。
「お兄さん。――ぼ、僕になんかするの?」
「そりゃあねー せっかくの合法ショタだから」
「しょ? なに???」
目を瞬いた拍子に、子どもの――ルカの目からぽろっと涙がこぼれ落ちた。嘘で涙まで流せるだなんて、こいつの腹の中はきっと真っ黒に違いない。
俺はルカの水色のショートパンツを下着ごと引き抜いた。
15でショートパンツ履くか……? と思わなくもないけど、自分の外見を最大限に活用しているとも言える。露になったのは、きれいなピンク色の小さなペニスに、ぷりんとした丸い尻。子どもに変なことは絶対にしたくないが、中身が子どもじゃないのであれば、それはただの個性だからな。
だったら、そのプレイを楽しむべきだろ。
「だから、お兄ちゃんのこと――いっぱい楽しませて」
※※このあとの話ですが、アルファポリスは【18歳未満のあからさまな性描写禁止】なのですが、ちょっと過激なので……プライベッターに更新しました。
※※本当にお手数なのですがばつ森Twitterのリンクのところからプライベッターに飛んでいただき【ギャップっていいよね】というエピソードをタップ、パスワードは【a53】です!
※※内容は、この世界では合法ショタのルカくんを改造して懲らしめる話 R18
※※読まなくても、次話につながるようにはなってます。今日はもう1話更新します
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