引きこもりの俺の『冒険』がはじまらない!〜乙女ゲー最凶ダンジョン経営〜

ばつ森⚡️4/30新刊

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1-3 ラムレイ辺境伯領グレンヴィルより

48 その後のこと・中 ※

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「脱げよ」

 薄暗い俺の部屋で、俺はベッドに腰掛けてフェルトを見ていた。

 俺の部屋はシンプルな作りにしていたのだが、ベラが「いいマットレスをあげるから!」となぜか粘り、貴族が使うような天蓋つきの巨大なベッドが置かれている。
 はっきり言って……趣味ではない。
 だけど、天蓋があるってことは上から鎖を吊るしたりもできるし、ヤるときいろんなことできるかもと思って、結局そのままにしている。

 一体なんのこだわりなのかさっぱりわからないが『俺に存在していて欲しい空間』っていうのがあるんだとか。大半スウェットで過ごしているから、この貴族の部屋では完全に浮いてる。
 ちなみに土足厳禁。そこは譲れない。
 さっきフェルトが靴のまま入ろうとして、そこで脱いでと言って指示を出した。そういえば、ベラが部屋を完成させてから、誰も部屋に入れたことなんてなかったなと思って、ふと不思議に思った。

(あれ……俺、なんで自分の部屋に……)

 土壁の部屋ならやりたい放題だったのに……と思いながら、首をかしげる。
 立ったままのフェルトが騎士の上着の前を開けて、ゆっくりシャツのボタンに手をかける。黄熱灯に照らされて、新緑色の瞳は……なんか夜の色。その目にじっと見つめられて、俺はスッと目を細めた。

 どういうことなんだろ。盗賊ってなんか病気とかあんのかな。
 自分の体を差し出してまで、阻止してなんか利益ある?
 見ないふりしてほっといたほうが、よっぽど楽だろうに。まったく意味がわからない。

 上着を脱ぎ、きっちりとした白い清潔そうなシャツがはだけ、少し焼けたフェルトの健康的な肌が露になった。ぱさりとシャツを机に置き、カチャカチャとズボンのベルトを外して、紺色の細身のズボンが下げられる。
 俺が視線を外さないせいか、さすがにフェルトの頬が赤い。
 恥ずかしいんだな、と思うと……ぶわっとあたたかな気持ちが広がる。心臓がとくとくと鳴る音がやたら大きく聞こえた。

 むっと唇を噛みしめながら、フェルトはゆっくりズボンを脱ぎ捨て、透けている黒い下着だけになる。
 その姿を見て、ああ、そうだった……と笑いが込み上げた。
 俺が悪ふざけで言い出したTバックを、ちゃんと着用してるのを見ると、ほんとに根が真面目なんだろうなと思う。形のいいフェルトのペニスが、ぴったりとした素材の下着の中で、形がわかるほど浮き出てる。
 俺に笑われてもっと恥ずかしくなったのか、少し腰を引いているが、全然隠せてなくて笑える。
 でも覚悟を決めたのか、おずおずとベッドに腰かけてる俺の前に立った。

「お前、どういうつもりなの?」
「どうって……盗賊なんかにあんまりかまって欲しくなかっただけだよ」

 フェルトは、ぷいっと照れたように横を向いた。

「それって自分の体を差し出してまですること? それとも、――俺に、こうされたかった?」

 俺は座ったまま足を前に出し、つま先でフェルトのペニスを撫で上げた。
 ゆっくりなぞられるのに合わせて、フェルトのペニスがが固さを持ってきた。フェルトも自分の体の変化に気づいたのか、恥ずかしそうに俺の様子を窺っている。

 ――……へえ。

 俺は自然と唇を舐めてしまった。目を細めた俺の視線がフェルトの視線と絡むと、フェルトはビクッと小さく揺れた。

「そう、こうされたかったんだ。ならいいけど。それも脱げよ」

 フェルトはちょっと悔しそうな顔をして、それでも従順に黒い下着に指をかけて下げた。
 ぶるんと半勃ちのペニスが飛び出して、フェルトはハッと体を硬くして、それから小刻みに震えながら真っ赤になっていた。
 仕事相手には手を出さないつもりだったんだけどなー。
 ただでさえ、好みなのだ。こんなかわいく誘惑してくるのは、ずるいと思う。

 俺が座っているベッドのすぐ下を指差すと、脱ぎ終わったフェルトはのそのそと、床で膝立ちになった。
 逆らう気はないらしいフェルトの、両手を後ろにまわし、腰の後ろで縛ると、ちょうど俺の股の間にフェルトの顔がある位置になった。

 あー……これ『奴隷騎士』の妄想してたとき、考えたやつ。

 俺は怒っていたことなんてすっかり忘れ、打って変わってちょっと上機嫌になった。
 スウェットを少し下げて、半勃ちのペニスを出す。それから――、首をかしげながら、にっこり笑って言った。

「舐めて、フェルト」

 わざと高圧的に言ったのに、フェルトは嫌な顔をするでもなく、どこか熱に浮かされたみたいな顔になった。厚めのフェルトの唇が、おそるおそる俺のペニスに近づき、「あー」とひらかれる。

 まだキスもしたことのない唇が、俺のペニスをゆっくりと包んでいく。
 無垢な唇を犯す感覚は、正直――……最高だった。

「……はぁ」

 穢されたことのない、熱い粘膜に包まれて、俺はふるりと震えた。
 この無垢な体を穢したい。このきれいな魂を支配したい。俺のものにしたい。

 フェルト相手だと、どうしてこんな汚い気持ちになるのか……よくわからない。ただ、優しくしたいと思わなくもないのに、屈辱的なことをして苦しませたいという欲望がどうしても勝ってしまう。
 ほかの人間に考えたことがないことだった。
 プレイの一貫でそういうことはあっても、その人間そのものを支配して、魂を俺のものにしたいだなんて……思ったことない。
 一生懸命俺のペニスを咥えて扱いている、崇高な騎士の唇を見ながら、押さえきれない愉悦の笑みがこぼれる。
 ちらっとフェルトの股間に目をやると、ペニスは完全に勃起して、透明な汁が滲み出ていた。
 
(こんな爽やかな顔して……サブミッシブだったのかな。そもそも男に抵抗とかないのか?)
 
 俺のペニスを必死で舐め上げているフェルトのやわらかな髪を梳いてやる。かわいい……犬みたいだ。
 一生懸命な姿にきゅんと胸が締めつけられた。
 俺は足をあげると、指先をフェルトのペニスごと押しつけるように、フェルトの腹にぐりぐりと踏みつけた。

 ビクウッとフェルトの体が大きく揺れて、はあっ……と熱い吐息が洩れた。しばらく俺の足に集中して感じ入っていたが、なにかに耐えるように、あむっと俺のペニスを深く呑み込んだ。

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