34 / 119
1-2 騎士団員フェルト
閑話:ラムちゃんの結婚♡・後 ※
しおりを挟むオークがラムレイの二の腕をガシッと大きな拳で掴み、真っ直ぐに持ち上げたのだ。
熱に浮かされていた様子のラムレイがサアッと青ざめていく。
「ふ、ふざけるなッ! この化け物がああああッ!!! 離せ! 離せえええッ!」
さっきまであんなに愛してもらっていたのにひどい変わり身である。
オークもなんか目を丸くしてびっくりしてる。冴えない男とのセックス中に、推しアイドルの放送に気がついたメンヘラみたいな対応……かわいそうだ。
なんていうかラムレイって快楽に弱そーな顔してるもんな。
だけど、オークは決意したような顔をして、ラムレイにこくっと頷いた。人形のように扱われるラムレイの体が、ゆっくりと胡座をかいたオークの股間に向けて下ろされていく。
(すげー……あれ、入る? 入んのかな??)
真っ直ぐに立ち上がったオークのペニスがラムレイの尻に当たった。
そして、さっきまでの威勢はどこにいってしまったのか、消え入りそうなラムレイの声が聞こえた。
「やめろ……やめろよ……やめ……た、助けて……助けてくれ」
なんかもはやオークのペニスの先端に座ってるように見えるほどだ。それが今まさに自分のケツを割って入ってこようとしてるんだから、その恐怖たるや。
しかし、さっきまでラムレイを必死で準備していたオークの若者――限界っぽい!
めちゃくちゃ丁寧にやってたもんなー。
「があッ……! 嘘! 嘘だろ!!! やめろおおお」
ぐぐッとラムレイの中に先端がめり込んだ。
そして、そのまま進んでいく。ゆっくり、ゆっくり、ラムレイの穴が限界まで広がるのが見える。
「あぎゃッひッいいいがごえあああ」
その哀れな叫び声を聞いて、俺は目を瞬いた。
ラムレイの叫び声は……オークのしゃべってた言葉にちょっと似てる。ほわっと胸の中にあたたかな気持ちが広がっていく。
その悲鳴がかわいいなと思ってたら、オークも俺と同じように、ほっこりした顔をしてて……ちょっと笑えた。
かわいいって思ってるみたい。
なんか気持ちが通じた……オークと。
「おほっ……がぽ……ッ」
でもなんかラムレイが変な声出してて、さすがにちょっとまずいか……? と近寄ろうかと思ったら、オークが力強くゆっくりと首を振ったので俺は動きを止めた。それからオークは自分のペニスを扱くと、ちょびっとだけラムレイの尻に入れたまま、射精したのだ。
(わッ……すげえぇー)
どぷどぷと練乳みたいなのがラムレイの中に流れていく。
冒険者たちも精液の量は増やしてるけど、すっごい量……だし、ラムレイもなにが起きてるのかわからずに目を白黒させている。ビクビクと体を痙攣させているラムレイがかわいく見える。これから無理やりの流れなのかな……
しかし――。
その状態のままオークはラムレイのペニスの拘束をカチリと外し、優しく扱き出した。
それを見て、さすがに俺は思った。
(お、お、俺のほうがモンスターかよッ! こ……このタイミングで! 優しい……オーク)
言葉が通じなくても、優しさ……すごい伝わってくる。だんだん包容力のある男前に見えてきた。
そして、徐々にラムレイの様子がおかしくなってきた。ピクッピクッと手の動きに合わせて白目を剥いて震えていたのに、だんだんと甘い声をあげ始め、ラムレイの腰がゆらめいてきた。
あんなに大量の精子を出したっていうのに、いまだ力強くそびえ立っているオークの剛直がズッズッとラムレイの中に呑み込まれていく。
精子でぬるぬるになったのもそうなんだろうけど、明らかにラムレイの顔つきが違う。
(あれ……きっと催淫効果があるんだな)
ふうん……と思いながら2人のつながりが深くなっていくのを見る。
「はあッはあぁ、ああ……ッひがああッ」
ラムレイがよだれを垂らしながら、叫んだ。
腰を振ると入りすぎてしまうからだと思うけど、ラムレイがちょっと……道具みたいに見える。ずっと耐えてきたオークも限界なんだろう。優しくラムレイの腰を掴みながら、上下に振り続ける。
「あひッ……あ"ぎゃッああッ」
ツンとした気高い美人だったラムレイが、だらしのない顔をして思い切り揺さぶられてるのを見ると、……ときめく。
無垢な尻の穴が限界までひらかれて、腹の奥まで犯されてるのが外側からもよく見える。
(……なんか、ちょっと勃ちそ……)
人外との性交ってかんじだった。
人間同士じゃこうはならない。オーク本人は最愛の嫁を愛しているんだろうけど、ラムレイはどうなんだろ……あれ。でもなんか……ラムレイもちょっと幸せそうな顔に見える。
「あひんッ……ひあ、だめ……お腹、だめ……あぎゃっ」
快楽の渦の中で、たまに怯えた顔になる。だけど、その人間にしては大きめになったペニスから、白濁が噴き出すのが見えた。
恍惚とした表情で腰を振っているラムレイを見ながら、なんか笑いが込み上げてきた。
「ふふっ」
これからラムレイはずっとあのオークの青年に愛されて過ごすのだ。
いつか……あれだけラムレイが蔑んでいた平民の前で、オークと睦み合っているところを公開して見たいなーと思った。
でも、きっと優しい旦那さんが許さない気がした。
――なんか、かわいいな……人間って。
オークもそう思ってるような気がした。
95
お気に入りに追加
818
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
僕の太客が義兄弟になるとか聞いてない
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
没落名士の長男ノアゼットは日々困窮していく家族を支えるべく上級学校への進学を断念して仕送りのために王都で働き出す。しかし賢くても後見の無いノアゼットが仕送り出来るほど稼げはしなかった。
そんな時に声を掛けてきた高級娼家のマダムの引き抜きで、男娼のノアとして働き出したノアゼット。研究肌のノアはたちまち人気の男娼に躍り出る。懇意にしてくれる太客がついて仕送りは十分過ぎるほどだ。
そんな中、母親の再婚で仕送りの要らなくなったノアは、一念発起して自分の人生を始めようと決意する。順風満帆に滑り出した自分の生活に満ち足りていた頃、ノアは再婚相手の元に居る家族の元に二度目の帰省をする事になった。
そこで巻き起こる自分の過去との引き合わせに動揺するノア。ノアと太客の男との秘密の関係がまた動き出すのか?

「じゃあ、別れるか」
万年青二三歳
BL
三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。
期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。
ケンカップル好きへ捧げます。
ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる