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番外編:拗らせ天才魔術師の、華麗なるやり直し
VS ミュエリー・ぺシュカ
しおりを挟む「あ……ん、待って」
「待てると思う?」
薄暗い夕暮れの部屋。
後ろから抱きしめられて、その僕の腹に回った腕の先。両手首に大きな傷跡があることに気がついて、ドクンッと心臓が跳ねた。
わかってた。だって、エミル様も、ユノさんも、隼斗もいて、だから、そう、だから、きっとこうやって触れ合う日も来るんだろうなって、そんな気がしてたから。
引き裂いたような褐色の傷跡の残る両手首を、そっと撫でた。
羽里がこの世界、――ラピスライト、の勇者として召喚されてから、いつも隼斗と僕は、この部屋に戻ってくる。
はじめの頃は彼女のことが心配で、冒険に一緒について行こうとしていた僕だった。
だけど、隣にいる大賢者様が、「絶対にお前の妹に危険は及ばない」と言い切ったことと、羽里が石に躓いて転びそうになった時に、遠く離れた場所にいる羽里の前に腕をスッと差し出して、転ぶことすら防いだのを一度見せられてからは、二人で王都でゆっくりしているのだ。
今思い出しても思う。
(あの時の、――羽里の顔……)
転ぶのを助けられたと言うのに、世界を滅ぼす魔王にでも遭遇したかのような顔をしていた。
確かにラスボス度合いで言えば、もうなんていうか、隼斗は、ヒューは、全ての世界の中でもラスボス的な存在な気がしてる。
そして今、――どうして僕は、いつもとは違う声色の愛しい人に、首筋に唇を落とされているのかと言うと、今日、蚤の市で賑わっていた王都で、大きな鏡を見つけたことに起因する。
その大きな鏡を見て、「あ」と言った隼斗は、あっと言う間にそれを購入して、家に運んでしまったのだった。その時は、そんなに鏡が欲しかったのかな? と、不思議に思っていた僕だったが、後ろから回ってきた、ヒューよりは少しだけ細い、血管の浮き出た白い腕を見て、ビクッと体を震わせた。
ゆっくりと、後ろを振り返る。
ユノさんの煌めく銀髪とは違う。猫毛の灰色の髪、そして、吸い込まれそうなほど深い真紅のルビーの瞳。その瞳を見ただけで、視界が揺らめいた。
「ミュエリー」
「知ってた? 性的に一番辛かったのは、ミュエリーの時かもしれない」
噛み締めるようにそう言いながら、ミュエリーが鼻先を僕の髪に擦りつけた。
一番辛かったのは、きっとユノさんの時だったと言ってたのを思い出す。性的に? と、首を傾げる。でも、ミュエリーの時、ヒューは僕のことを遠ざけようと必死だったから、辛かったのかなと思って、ぎゅうっと胸が締め付けられた。
耳元で囁かれて、ピクッと体が跳ねた。
「すごい、煽るだけ、煽られたから」
「んっ」
甘いミュエリーの声が体の中に響く。頭の中に吹き込まれるみたいなその声に、じんっと痺れた。
思わず目をつぶってしまい、瞼を震わせながら、もう一度目を開けたら、――そこは。
「~~~っ」
「あの時、俺が何考えてたかわかる? ノア」
鏡の意味、もしかしたらって思ったけど、気がつかないことにしたかった。
でもその嫌な予感が正しかったことが証明されてしまった。
目の前に広がる。窓のない部屋。
(あああ、ううう、み、見たことある。この部屋……!)
明らかに、ミネルヴァ魔法泉で泊まったあの部屋だった。
ぎゅううっと目を瞑りながら、たとえミュエリーと抱き合うことになったとしても、この場所は恥ずかしくてやだって思った。だけど、相手は何十年も拗れに拗れてしまった大賢者様である。
鏡を見た瞬間に購入し、おそらくはまた幻覚なんだろうけど、あの日のあの部屋そっくりのこの状況を作り出したってことは、きっとここで、この場所で、やり残したことがあるのだろう。
怯えながら、ゆっくりと振り返り、ミュエリーの顔を覗き見る。
目の下の泣きぼくろが色っぽいな、なんて思っていたら、案の定とんでもないことを言われた。
「あの丸見えなガラス張りの風呂で、お前が俺に犯される準備してるのをじっと見て、」
「え?」
「あの大きな鏡の前で、お前だけ裸に剥いて、恥ずかしい格好させたまま、全部見せながら犯してやろうって思ってたよ」
「っっっ! ひゅ……ヒュう」
ぺろっと味を確かめるみたいに、首筋を舐め上げられる。
思わず呼んでしまった愛しい人の名前を、優しく諭される。
「違うよ、ノア。ミュエリーって呼んでよ」
「あ、んっ ミュエリー……」
それから、また耳元で囁かれた。
「ずっと、思ってた」
「だ、だめ」
ミュエリーの甘い声で、優しく柔らかく伝えられる言葉は、想像を絶するような言葉ばかりでどうしていいかわからなくなる。そっと腕がシャツの合間から滑り込んでくる。はじめて触れ合うはずのミュエリーの手は、もう全てを熟知していて、僕の弱い場所ばかりを掠めていく。
きゅうっと両方の乳首を刺激されて、思わず腰が揺れてしまう。
「あ、……んッ 待って」
「お前が眠ってから、寝られないから部屋の中見て、なんか色んな道具とか、服とかあることに気づいて、頭ん中で、全部着せて、全部脱がせて、全部俺のものにすることばっかり、朝まで考えてた」
「あ、あ、ミュえ……っ」
服……そう言えば、僕もクローゼットを見てびっくりした覚えがあった。
あれを全部着せて、全部脱がせてって……僕が泳ぎ疲れて眠ってしまった後に、な、なんて恐ろしいことが行われていたんだ! と、僕は驚愕に震えた。
だけど、ミュエリーの甘い声は続いていく。
「ねえ、ノア。何から試したい?」
「あ、ミュエリー……やだ、そんなの」
そんなことしたら、頭がおかしくなってしまう。
おかしな衣装だってたくさんあったし、そもそもあんなにもたくさんあった衣装の全てを試すだなんて、そんなの無理に決まっていた。だけど、甘く甘く囁かれる言葉は僕の知っているどの世界のヒューよりも、なんだか棘がある。
「ん? ああ、――」
僕の身体中を這い回る手にピクピクと震えて、何も言えないでいると、ミュエリーが何かに気がついたような声をあげた。何を言われるんだろうと怯えていたら、想像しうる中で一番恐ろしい言葉が降ってきた。
「――全部かな」
「あッ」
←↑→↓←↑→
「ん、んむっ んんー!」
ちゅぷちゅぷと口の中に、大きな張り型を突っ込まれながら、内側を綺麗な指でかき回されていた。
ミュエリーが宣言した通り、鏡の前で俺だけが裸にされて、大きく股を開いたままされるがままだ。ビシッとエンデガルドの学園の制服を着こなしたミュエリーに、背後から抱きかかえられている。自分でも見たことがない場所に、綺麗な指がぐちゅぐちゅと出し入れされるのを見て、恥ずかしくて死にそうだった。
目の前の大きな鏡に映し出された僕のはしたない姿。
くすくすと笑うミュエリーが、嬉しそうに目を細めた。
「それ、俺の形なんだよ。想像しながら舐めてよ。他の男のと、形、違うでしょ」
「んんっ」
「ちゃんと舐めて。それ、見てたい」
もたらされた信じられない情報にじわっと涙が滲む。
自分が今ベタベタにしているこの硬い張り型のことを話してるんだと思ったら、どうしていいかわからなくなってしまった。だって、――。
(わかってる。ヒューのとは違う形……違う男のモノ)
それをまざまざと見せつけられて、その事実を知らしめられて、泣きそうになる。ひくっと体が震える。今までだって、ヒューは意地悪言ってきたけど、こんなにも僕に罪を感じさせるようなことはしなかった。
だって、目の前の鏡には、今、まさに、他の男に体を暴かれて、他の男の張り型を舐め回して、それでいて浅ましく腰を揺らし、ペニスからとろとろと透明な液を滴らせている自分の姿が映っているんだから。
こんなに見せつけるみたいなことされるなんて、――。
(ミュエリーって……こんなに、こんなに意地悪だったんだ……!)
ぼろっと涙が溢れる。
僕が別に、浮気をしてるわけじゃないのに、こうやって胸に小さな釘を打ち付けるみたいな抱き方をするなんて、悲しくて、悔しくて、それでもこうして高められてしまう自分の淫らな姿に、ぽろぽろと涙が溢れた。
「かわいい。泣き顔。もっと見せて」
「…………」
「悔しいよね。意地悪言われて、嫌でしょ? せっかく俺のこと助けてくれたのにね。俺のために、あんなに頑張ったのにね」
「みゅえりー……」
顔を歪ませながらそう言うミュエリーを見て、なんとも言えない気持ちになる。他の世界のヒューだってみんな辛い思いをしたと思うのだ。だけど、ミュエリーはその中でも、あったはずの家族を失ってしまった人で、僕に声をかけることもできずに苦しんだ人。
自分が悲しんでたことなんて忘れて、そのまま、ちゅ、とミュエリーの唇に口付けた。
「大丈夫だよ、ミュエリー。意地悪でも、好きだよ」
「…………」
「どんなヒューでも、僕の大好きな人だよ。僕の体でできることがあるなら、好きにして」
「好きに……?」
悔しくて泣いてたくせにって、きっとミュエリーは思ってる。でも、それでも別に大丈夫だった。ちょっとくらい、その、えっちなことされたとしても、それでミュエリーが、ヒューが、何かやり残したことを消化できるって言うならそれで。
ミュエリはー「ふうん」と目を細めながら言った。
「じゃあちゃんと舐めて。背中に俺の硬いの当てられながら、想像して震えてるノアが見たいから」
それを聞いて、流石に思った。
(………………難儀!)
「我慢できなくなったら、入れてって、言ってよ。多分……止まれないから。覚悟ができたら」
そんなこと言われてしまうと、どうしていいかわからなくて困る。
でも、相手は僕の最愛の人なのだ。いろんな世界でいろんな闇を抱えてきたヒューの、僕と再会する前の、最後の世界。
どれだけ拗らせてしまったのかはわからない。
でも、あの時の、――気持ちが思い出された。
だってあの時、僕も、ミュエリーと、ヒューと、――。
僕は思ったままに口を開いた。
「止まんなくて……いいよ。ミュエリー」
「え?」
「僕もミュエリーといっぱいしたかったから」
きゅっと唇を噛み締めた。
それから、そっと唇を重ねて、きょとんとしてるミュエリーに言った。
「入れて?」
「…………知らないからな」
←↑→↓←↑→
「見て、ノア。俺の擦られてる時のお前の顔」
「ぁ……んん、い、言わないでっ」
「ちゃんと前見て。ほら、だらしなくて、やらしくて、かわいい」
ベッドの真横に置かれた鏡の目の前で、這いつくばって、とろとろに溶けてる僕の顔。
だらしないって言われて、ぎゅうっと胸が痛む。でも、好きな人に愛されて、こんな顔にだってなってしまう。でも、そう言ってるミュエリーだって、艶っぽい。すごくえっちな顔してるのが、見えてるよって思う。
ルビー色の瞳がゆらっと情欲に濡れて、腰をパンッと打ち付けられる度に、僕と一緒に熱い息が漏れる。
(鏡って……すごい)
じっとミュエリーの艶かしい顔を見ていたら、「余裕だな」って言われて、最奥をえぐられた。ビクッと震えながら、何度目かもわからない白濁がぱたっとシーツを汚した。
「何回イクの? ノアはえっちだな」
「そ、そんなことっ」
「すぐ泣くところも、好き」
「ミュエリーのバカ……あッ ああ~~ッ」
じわっと涙を浮かべていたら、ぐりぐりと弱いところに押しつけられる。自分の中に入ってるミュエリーの形。目の前にさっきの張り型が転がっていて、これが僕の中に出し入れされてるんだと思うと、たまらない気持ちになった。
気持ちいいところばかりを、えぐるように掠め取られて、「ひあっ」とあられもない声が上がる。
「いじめたくなるよね」
「ふぅ……んッ あっ ああッ」
「ほら、ここも、ここも、ノアの中は気持ちいいとこばっかりで大変だね」
シーツに縋りつきながら、沸き起こる快感にどうしていいかわからないのだ。意地悪ばっかり言われてるのはわかるのに、愛しくて、愛しくて仕方がなくて。
ミュエリーがどんな気持ちでそんな意地悪ばっかり言うのかはわからないけど、でも僕だってやられっぱなしは嫌だと思うのだ。
うつ伏せのまま、ふと目についた張り型を片手で近くに寄せると、ちゅうっと吸い付いた。
「!」
「ミュエリーの気持ちいい。これ、入ってると思うとどきどきする。好き、」
「……ノア?」
「愛してる。ミュエリー。ヒューも。好き、大好き」
僕に嫌われたいみたいに意地悪をしてくるミュエリーを見て、僕は絶対にそんな風に思ってなんてあげないと思うのだ。ぺろぺろ張り型を舐め回していたら、ずくっと中にあるペニスの質量が増したような気がした。
それだけで、もう僕の中はぎゅううっとミュエリーのことを締め付けて、歓喜していたけど、がんばってえっちな顔を作った。できるだけ色っぽく見えるといいなと思いながら、流し目で鏡ごしにミュエリーを見た。
「想像した?」
「っっ」
「……想像して震えてるミュエリー、かわいい」
「……お前……」
さっき自分が言ったことを返されて、ミュエリーは嫌そうな顔をした。
でも、――。
僕だって、エンデガルドは辛かった。
好きな人に、好きだって伝えられない辛さを知った。恋焦がれている人がいて、その人に触れられない辛さは、想像を絶するものだった。僕だって触れ合いたい。どろどろに、もうお互いの境界線がわからなくなってしまうほど、溶け合いたいって思うのだ。
だから、――。
「意地悪ばっかり、言わないでよ。ミュエリー。大好きだよ」
「ノア……」
「もっとして。わけわからなくなるまで」
びっくりした顔をしていたミュエリーが、ゆっくりと腰を進めてきて、ビクッと体が震える。
ああ、愛しい人の体の一部が、僕の中を侵してく。それがたとえ、僕のよく知っている愛しい人の形とは違っても。不自由な体勢のまま、後ろを振り返って、ちゅうっと唇を重ねた。
ミュエリーが突然、僕の片脚を持ち上げて、肩に担いだので、へたっとベッドに倒れてしまった。
そして間髪入れずに、そのままグンッと腰を打ちつけられた。
「ああああっ」
突然、最奥まで貫かれて、僕は悲鳴みたいな声を上げた。
いつの間にかひっくり返されて、腰だけを深く深く抱えられた。大きく腰を引いたミュエリーに、次の衝撃に備えて、体が身構えた。
でも、ふわりと落ちてきた甘い声に、ふっと体の力は抜けてしまった。
「俺、お前には一生敵わないと思う」
「ふふ。今のがヒューだって言うのは、わかるよ」
「愛してる……ノア」
「ん、僕も。ヒューだけ」
それから、宣言通り止まれなくなった僕たち二人はそのまま溺れるように抱き合ったのだった。
何度も何度も中に注がれるミュエリーの欲望に、頭もおかしくなって、どろどろに溶け合って、二人で過ごしたあの夜を、あの世界の関係を埋めるように、幸せな時間を過ごした。
次の日の昼に目が覚めたら、ハッとした顔のヒューが隣で横になっていた。(家ではヒューの格好の時が多い)
なんだろう? と思って、じっと見つめていると言われた。
「コスプレし忘れた」
「……コスプレってもう散々してるじゃん。リアルな奴。これ以上、何がしたかったの?」
「ミュエリーの時の妄想はやばいな。途中で親父がおかしくなって俺もひねくれたせいで、すごい拗れ方してるんだよ。お前の妹で言うとこの『ヤンデレ』属性だろうな。見た目もなんか病的だし」
ぺシュカ教授は、僕がギリギリで闇魔法の証拠を解呪しておいたおかげで、証拠不十分で厳重注意で済んだらしいのだ。その後、ミュエリーは魔力も安定して、親子二人でそこそこ幸せに過ごしたらしい。
ミュエリーは母親の時のようにならないよう、ぺシュカ教授に寿命のことも知らせていたらしい。知らされたところで、きっと悲しみは変わらなかっただろうけど、それでも、また同じ過ちを犯すことはなかったかのかもしれない。
それはともあれ、『ヤンデレ』と自分で言うのを聞いて思った。
(厄介すぎる……)
でも、と思うのだ。
僕は脳内の腐ったインデックスを検索しながら思う。だって、――。
「それ、自分で言う人は多分そうならないよ」
「ていうかお前が相手だと、中々そうなれないよ」
「え? 何で?」
羽里には散々、僕は誰かに執着されて大変な目に遭うタイプだと言われていたから不思議に思った。もしかして、ユノさんの時のデコピンがいい具合に聞いてるのかなと思う。
でも、むすっとした顔のヒューが、嫌そうな顔を知って言った。
「なんか、吹き飛ばされるから」
「えー? なにそれ」
「受け止められるから、病めない」
「え。病まない方がいいから、それでいいじゃん」
よくわからないけど、ヒューが健やかでいてくれるのが一番に決まってるのだ。「でもコスプレは別」と続ける、ヒューにげんなりしながら、力のある人間が拗らせると本当にろくなことにならないなと思う。
「色々用意しとくから、一番恥ずかしいと思うの選んでよ」
「え」
「それ着ながら泣くまでやってあげる」
そんなの言わなければわからないだろ、と内心思っていたのに、言葉巧みに、本当に恥ずかしいと思う格好を選ばされ、その宣言通り泣かされることになるのはもう少し未来の話だ。
ヒューの言葉を聞きながら、ふと思う。
(もうやだ。でも待って、もうこれで全部の世界……終わった?)
そんなことを思ってたら、ヒューが悪びれもせず続けた。
「後はフィリの時だけだな。海でも行こっか」
「…………」
「浜辺で青姦かな」
「なあ、品位とかないの!」
怒った僕は、ころんと転がって、ヒューに背を向けた。
でも、後ろからずしっとのしかかられて、首筋に鼻を擦りつけられた。
「辛かったな~。フィリの時も」
「んっ ひゅう」
「ノア、俺、いっぱい我慢したから」
「~~~っっ! ずるいそればっかり」
聞き慣れたいつもの台詞に、振り返りながら、じとっとヒューのことを睨む。
綺麗な薄紫の瞳。世界で一番、いや、どの世界でも一番愛おしい人の顔。じっと見つめられて、きゅううっと心臓が締めつけられてしまう。ヒューの薄い唇が、優しく音を紡いだ。
「好きだよ、ノア」
「……ず、ずるい」
「愛してるよ」
そう言われてしまうと、僕は抗えないのだ。かっこいい、かっこいい、大好き、大好き、愛してる、と、頭の中が埋め尽くされてしまう。バサッと毛布を被って、物理的にヒューを遮断しながら思うのだ。
(僕は……ヒューのこと好きすぎないか!?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで下さってありがとうございました!
次回はフィリーニ・クレーティです。
コミカライズの方も更新してます。よかったらぜひぜひ!
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