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番外編:拗らせ天才魔術師の、華麗なるやり直し
VS エミル・カシアフ
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※※ここから先は、長い間がんばりすぎて、性癖がかなり拗れちゃったヒューを、労る番外編です笑
※※本編の、かっこいいままのヒューが好き!!という方には、あまりお勧めしません。
※※拗らせてますから、本当に注意!!
※※性描写を含みます
─────────────────────
そして、───僕は今、砂漠の国の王都・カラバトリにあった、エミル様の寝室そっくりの場所に、立っていた。羽里と隼斗と一緒に異世界に転移してしまって、一週間後のことだった。
「え……ヒュー何ここ?」
エミル様の部屋の、涼しげな麻の白いカーテン。それから、異国情緒のある、青にベージュの糸で模様のついた、砂漠の国独特の織物が幾重にも垂れ下がる、天蓋つきベッド。ベッドの前に置かれた、ラタンの編み込みのテーブル。青系統でまとめられた、連なるモザイクランプの光が、キラキラといろんな色に、壁を照らしていた。
返事がなくて、後ろを振り返ると、そこには、───。
「え?エミル様??どういうこと?」
白いさらりとした髪、水色の氷のような瞳。顔の造形は、シルヴァンにちょっと近い。大天使です、と言われたら、「あ~!」ってなりそうな、大人っぽい、美しい人。白い長衣に身を包んだ、エミル様がいた。僕が別れたとき、そのままの懐かしい姿があって、嬉しくなった。
でも、エミル様が、一歩。また一歩、僕に近づいてきて、それで、ぎゅっと抱きしめられた。ミミズをやっつけた後、抱きしめられて、ラウマで帰ってきたのを思い出して、きゅん、と心臓が跳ねた。
あれも、あの時も、エミル様は、ヒューだったんだと思うと、もっと、心臓が、きゅんきゅんした。ヒューが、変身できることになんて、もう驚かないけど、一体、何事なんだろうと思って、ちらっと上をみたら、───
「すごい…我慢したから。乃有、やり直し、させて」
「やり直し?」
「うん。全部の世界の、やり直し」
それを聞いても、よくわからない。
でも、この家具は、カラバトリでエミル様が使っていたもの、そのままなのだ。ヒューは、どこからでも物を取り出せる、信じられない四次元ぽ…じゃなくて、異空間収納袋を作ってしまったらしい。ただの宿屋の部屋だったはずが、そこはもう、カラバトリだった。そこで、ヒューがしたい、やり直しとは?
「コスプレ」
───え。
エミル様の口から出た、その、いかにも地球の、日本の、言い回しにビクッとする。よく、理解ができずに、うん??と、首を傾げて、目の前の、エミル様の寝室を見る。そう、ここは、エミル様の執務室ではなくて、寝室なのだ。それを見て、まさか、という恐ろしい想像が頭を過ぎる。
「やり直し、したい。俺が主人。乃有は、───」
あれ。僕は、カラバトリの、一体何のコスプレをさせられるんだ?と、考え、自分が、カラバトリで、一体、何だったのか、を思い出した。その瞬間、───僕をミミズの大群に突き出して、楽しそうにしていたエミル様の顔で、にっこり笑ったヒューに、言われた。
「───奴隷」
─────────え。
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「……そんなに一生懸命舐めて、かわいい」
「むうっ へ、えみるさまっ 僕、もう」
僕は床に座って、今、寝台の端に腰掛けたエミル様の、熱く、そそり立ったペニスを、口に頬張っていた。一生懸命、ぺろぺろと竿を舐め、先端を口に含み、吸い上げる。エミル様の先端が、上顎にぷにっと当たる度に、僕の体は震えた。
「そんなやらしい格好をして。腰が揺れてるよ」
「ふっ うう」
舐めながら、ゆらっゆらっと、腰をびくつかせているのを指摘されて、僕は、まっ赤になってしまう。だって、僕は、今、ひどい格好をさせられてるのだ。
これは僕だって、見たことがあった。首には、金の輪をつけられ、そこから、細い鎖がいくつも伸びて、それは、僕の下着に繋がってる。そのせいで、僕が身動き一つする度に、シャラっと音を立てて、鎖が乳首に当たるのだ。
それから、僕のつけてるその下着は、全く隠すつもりのない、薄い透けた素材でできていて、今、エミル様に言われた通り、僕の、濡れたペニスが、布を押し上げているのが、丸見えなのだ。
これは、踊り子の衣装で、いや…踊り子の衣装は、ここまで布が透けてるってことはない。背中は大きく開いていて、というか、何もなくて、腰のところで、後ろに回ってる鎖が、下着のTバックのところに向かって、ゆるく続いている。
(こんな…こんな恥ずかしい格好…!)
そう思うのに、ヒューが何回も、免罪符のように「たくさん我慢して、頑張ったから」って言うから、僕は断れないのだ。わかる。ヒューが大変な思いをしたことくらい、わかる。それに、ずっと我慢してたことも、わかるのだ。
でも、我慢って、───
(エミル様の時、僕のこといじめながら、こんなこと…考えてたの??)
僕の頭はパニックだった。
でも、僕のことを愛おしそうに見ているエミル様を見て、僕の胸はどくんっと跳ねた。こんなに恥ずかしい格好で、ペニスを舐めさせられてるのに、あんなに優しい目で見られてると思うと、腰が揺れてしまうのだ。
だって、こんな格好の僕に、興奮してくれてるってことで。でも、僕の気が散っているのがわかったのか、白く長い布でできた服の裾から、エミル様の足が伸びてきて、天を向いてる僕のペニスを、すうっとつま先で、撫で上げられた。
「ああんっ やっ ひゅうっ」
「───他の男の名前を呼ぶなんて、いけない子だ」
「や、違っ エミル様。や、足っ だめ、だめっ」
なんでそんなに、嬉しそうなんだよ!と、頭の中で突っ込むけど、今のヒューは、エミル様なのだ。確かに四年間、ずっと『エミル様』って感じだった。たまに、ヒューっぽいところもあったけど、基本的には、距離を保って、主人として僕に接していたヒューなのだ。ヒューの感覚では、演じてるっていうよりは、ただ記憶を辿ってるだけなのかもしれない。
でも、僕からしてみれば、ずっと主人だと思ってた人が、本当は大好きな人で、それで、その大好きな人が、その主人だった時のコスプレを望んでいるのだ。
(訳がわからない!)
でも、その、嬉しそうな顔見ると、───…断れない……。
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「乃有、すごいやらしー…」
「あっん、いまっ、今、隼斗だった!絶対!んんっ」
「ほら、ちゃんと奉仕してよ。俺、今、童貞なんだから」
「ふぇ?!ず、ずるいっ ひああんっ」
僕は、踊り子の衣装を着たまま、今、大量のクッションに寄りかかったエミル様の上で、今まさに、腰を下ろしているところだった。ゆっくり、エミル様のペニスを飲みこもうとしたら、ぷちゅ、と水音が響いて、僕は、まっ赤になって固まってしまった。
僕が間違えて怒られたのに、ヒューはエミル様の役じゃなくなっても、そのまま続行なんて、ずるい。
不満そうな顔をして、エミル様のことを見てると、すっと美しい手が伸びてきて、首を引き寄せられる。耳元で言われる。
「ほら、これで早く気持ちよくなりたいでしょ」
「やっ」
言い方がエミル様で、僕はびくうっと体を震わせた。
否定は、できない。だって僕のペニスは、こんなことになってから、ずっと涙を流して、期待して元気いっぱいで。こんなに恥ずかしい格好で、死ぬほど恥ずかしいことをさせられてるのに、さっきから、早く、気持ちよくして欲しくて、仕方ないのだ。
キュンっと、少し入ったエミル様のペニスを締め付けて、しまう。これでは、言われた通りだと、エミル様に伝えてしまっているようなものだ。
「あっあっああんっ え、エミル様ぁ」
僕は、エミル様の昂りを、全部、体の中に収め、のけぞって、ぴくぴくと痙攣した。中に入ってるってだけで、僕の体は、この先を期待して、歓喜に震えていた。
だけど、意地悪な声が聞こえる。
「違う男の、飲み込んでる気持ちはどう?」
「ふあっ ん、い、言わないで」
いやいやと首を振って、その言葉をなかったことにしたい。なんで、どうしてって思う。だって、中身はヒューで、ヒューがこんなことしたいって言ったのに、そんな責めるみたいな言い方されて、嫌なはずなのに、僕は、でも僕は、なんでか、興奮したままなのだ。
浮気してるみたいで、ズキッと心臓が痛むのに、でもエミル様がヒューで、僕は、エミル様と繋がってることも、浮気相手も本当に好きな人も、中身が同じことが、嬉しくて、仕方がないのだ。
(どうしよう…これが…背徳感……?)
あんまり見ないようしてた、エミル様の顔を怯えながら、覗く。
いつも、僕に意地悪するときにしてたような、女神みたいな美しい笑顔で、僕を見て、すっと僕の頬に、指を滑らせながら、エミル様が言った。
「ずっと、こうしたかった」
「っっ え、エミル様っ」
優しい笑顔でそう言われて、ちょっとだけ、そうだよね…と、しゅんとする。だって、僕だって、ずっとヒューに会いたかった。それから、会ったら止めることなんてできない欲望があることも、知った。
(それでも、ヒューは頑張って、ずっと我慢してたんだもんな…)
眉毛が下がる。ごめんねっていう気持ちでいっぱいだった。でもそれを見たエミル様が、そんな僕の気持ちなんて、お見通しって感じの笑顔を浮かべて、すごいことを言い出した。
「じゃあ、謝って」
「え??」
「奴隷らしく、ごめんなさいしてよ」
「あっ あんっ」
そんなひどいことを言いながらも、エミル様は僕の腰を掴んで、ぐっと下から突き上げた。
腰を押さえ込まれて、ヒューが何を求められてるのか、よく分からなくて、ただ、その腰の動きに、甘い嬌声をあげた。弱いところばっかり突かれて、ヒューって、こんなに意地悪だったっけって考えて、普通に意地悪だったなって思い出した。
「んっ はあ」
ただでさえ透けてた下着の布は、もうびしょびしょで、僕のペニスが完全に丸見えになってて、自分で見てても、なんて卑猥なんだと思う。腰を強く掴まれて、揺すられて、「ほら、許してって言いなよ」と、くすくす笑いながら言われる。そのまま、上半身を起こしたエミル様に、逆向きに押し倒され、ぽすんとシーツの音がした。
腰を止めることなく、僕のペニスを、布越しにやわやわと扱かれて、僕は「あっやっ」と声を上げることしかできない。
ひどいって思うのに、でも、ご主人様にそう言われて、つい、そのまま口にしてしまった。
「ああっ えみ、エミル様ぁっ いっちゃう。ゆ、許して。も、ああんっ」
「……………ねえ、淫乱なノアのこと、お許しくださいって言って」
「……へ?!なっ?!や、やだっ そんなの、そんな恥ずかしいの、む、無理っ」
そう言って、精一杯否定すると、目をうっそりと細めたエミル様が「ふうん」と、意地悪そうに言って、僕のペニスの根本を指でぎゅっと握りしめた。
「ひあ?!」
「じゃあ、ちゃんとごめんなさいできるまでは、こうしとこ」
そのまま、エミル様のペニスが、僕の中の弱いところを攻め立てる。布越しにペニスを扱かれて、でも達することはできなくて、僕はガクガクと腰を震わせながら、のけ反って、その荒れ狂う快感に、いやいやと首を振った。
涙で滲む視界で、エミル様の顔を見れば、もう、なんだかすごく幸せそうに微笑まれて、ひくっと顔が引き攣った。そして、絶対に言わせたいんだっていう、確固たる決意が伝わってきた。
(なんで…別に、怒ってないくせに…なんでそんなっ)
ぽろっと涙が溢れる。気持ちよくて気持ちよくて、どうにかなってしまいそうで、解放して欲しくて、解放してもらって、もっともっと気持ちよくなりたくて。過ぎた快感に、頭がおかしくなった僕は、もう、愛する人のしたいように、するしかないってことだけしか、わからなくなった。
半開きになったままの、口から涎が垂れる。エミル様のペニスが、ものすごく気持ちいいところを掠めた。
もう、───
「あ、い、いんらっな の、ノアのこと、ゆ、許してっ」
思わず、そんな恥ずかしすぎることを言ってしまった直後、エミル様はピタッと動きを止めた。僕の浅ましい腰だけが、ビクビクと貪欲に震え、飲み込んだ熱い、硬い、愛おしい存在に、もっと動いてっておねだりしてるみたいだった。
エミル様は、自分の顔を片手で覆いながら、ため息をついた。
「───はあ~~~~~。だめだ。マジでかわいい。こっちが許して欲しい」
「ああんっ ひゅう た、 助けてっ ゆるしてっ ねがいっ」
もう、エミル様じゃないじゃんって思うけど、どうにもならない。堰き止められたペニスを、解放して欲しくて、腰を揺らしては、エミル様のペニスで内側を擦ってしまい、「ひあ」と、あられもない声が上がる。
そして、僕の頬にちゅっと唇を落としたエミル様が、優しく、女神みたいな笑顔で言った。
「許してあげる」
そして、その瞬間、最奥まで貫かれた。
「ひああああああああっっ」
びくんっびくんっと痙攣するのに合わせて、僕のペニスから漏れた白濁が、じわあっと薄い布を汚していく。それすらも丸見えで、恥ずかしくて、でも、じっとエミル様に見つめられて、もう、もっと恥ずかしい僕のことを見てほしい、みたいなわけの分からない思考になってた。
イッたばかりだというのに、離したくないとばかりに、ゆらゆらと腰を揺らしてる僕の、舌ったらずな声が聞こえた。
「溶けちゃう。エミル様ぁ…ひゅう…も、溶けちゃうよぅ」
「………じゃあ、もっと、溶けるまで、しよ」
「ひゅう、ちゅーして。も、エミルさまぁ」
くったりした重い腕を伸ばして、エミル様の首に伸ばした。ちゅっと、エミル様の唇が重なるのを感じて、目を閉じた。僕の中の熱くて硬い存在を感じて、うっとりしてたら、エミル様の、苦々しい声が聞こえた。
「あーー……ほんと、まじで、俺、よく我慢したなあ…」
よくは分からない。
よくは分からないけど、もしかしたら、ユノさんやミュエリーとも、抱き合う日が来るのかな、なんて恥ずかしいことを考えて、でも、そんな思考は、すぐにまた、快感の波に、飲まれて、消えた。
頭の中に浮かぶことは、一つだけ。
どんな姿だって、誰だって、それがヒューなら。
「好き、大好き…ヒュー」
「ん、俺も」
───────────────
ここまで読んでいただき、本当に本当に、ありがとうございました!!
ノアも薄々感じているようですが、VSユノ、VSミュエリーも続きます。かなり拗れちゃってるので。とりあえず『完結』で締めますが、1月くらいにまた番外編再開します。
ありがとうございました!
※※本編の、かっこいいままのヒューが好き!!という方には、あまりお勧めしません。
※※拗らせてますから、本当に注意!!
※※性描写を含みます
─────────────────────
そして、───僕は今、砂漠の国の王都・カラバトリにあった、エミル様の寝室そっくりの場所に、立っていた。羽里と隼斗と一緒に異世界に転移してしまって、一週間後のことだった。
「え……ヒュー何ここ?」
エミル様の部屋の、涼しげな麻の白いカーテン。それから、異国情緒のある、青にベージュの糸で模様のついた、砂漠の国独特の織物が幾重にも垂れ下がる、天蓋つきベッド。ベッドの前に置かれた、ラタンの編み込みのテーブル。青系統でまとめられた、連なるモザイクランプの光が、キラキラといろんな色に、壁を照らしていた。
返事がなくて、後ろを振り返ると、そこには、───。
「え?エミル様??どういうこと?」
白いさらりとした髪、水色の氷のような瞳。顔の造形は、シルヴァンにちょっと近い。大天使です、と言われたら、「あ~!」ってなりそうな、大人っぽい、美しい人。白い長衣に身を包んだ、エミル様がいた。僕が別れたとき、そのままの懐かしい姿があって、嬉しくなった。
でも、エミル様が、一歩。また一歩、僕に近づいてきて、それで、ぎゅっと抱きしめられた。ミミズをやっつけた後、抱きしめられて、ラウマで帰ってきたのを思い出して、きゅん、と心臓が跳ねた。
あれも、あの時も、エミル様は、ヒューだったんだと思うと、もっと、心臓が、きゅんきゅんした。ヒューが、変身できることになんて、もう驚かないけど、一体、何事なんだろうと思って、ちらっと上をみたら、───
「すごい…我慢したから。乃有、やり直し、させて」
「やり直し?」
「うん。全部の世界の、やり直し」
それを聞いても、よくわからない。
でも、この家具は、カラバトリでエミル様が使っていたもの、そのままなのだ。ヒューは、どこからでも物を取り出せる、信じられない四次元ぽ…じゃなくて、異空間収納袋を作ってしまったらしい。ただの宿屋の部屋だったはずが、そこはもう、カラバトリだった。そこで、ヒューがしたい、やり直しとは?
「コスプレ」
───え。
エミル様の口から出た、その、いかにも地球の、日本の、言い回しにビクッとする。よく、理解ができずに、うん??と、首を傾げて、目の前の、エミル様の寝室を見る。そう、ここは、エミル様の執務室ではなくて、寝室なのだ。それを見て、まさか、という恐ろしい想像が頭を過ぎる。
「やり直し、したい。俺が主人。乃有は、───」
あれ。僕は、カラバトリの、一体何のコスプレをさせられるんだ?と、考え、自分が、カラバトリで、一体、何だったのか、を思い出した。その瞬間、───僕をミミズの大群に突き出して、楽しそうにしていたエミル様の顔で、にっこり笑ったヒューに、言われた。
「───奴隷」
─────────え。
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「……そんなに一生懸命舐めて、かわいい」
「むうっ へ、えみるさまっ 僕、もう」
僕は床に座って、今、寝台の端に腰掛けたエミル様の、熱く、そそり立ったペニスを、口に頬張っていた。一生懸命、ぺろぺろと竿を舐め、先端を口に含み、吸い上げる。エミル様の先端が、上顎にぷにっと当たる度に、僕の体は震えた。
「そんなやらしい格好をして。腰が揺れてるよ」
「ふっ うう」
舐めながら、ゆらっゆらっと、腰をびくつかせているのを指摘されて、僕は、まっ赤になってしまう。だって、僕は、今、ひどい格好をさせられてるのだ。
これは僕だって、見たことがあった。首には、金の輪をつけられ、そこから、細い鎖がいくつも伸びて、それは、僕の下着に繋がってる。そのせいで、僕が身動き一つする度に、シャラっと音を立てて、鎖が乳首に当たるのだ。
それから、僕のつけてるその下着は、全く隠すつもりのない、薄い透けた素材でできていて、今、エミル様に言われた通り、僕の、濡れたペニスが、布を押し上げているのが、丸見えなのだ。
これは、踊り子の衣装で、いや…踊り子の衣装は、ここまで布が透けてるってことはない。背中は大きく開いていて、というか、何もなくて、腰のところで、後ろに回ってる鎖が、下着のTバックのところに向かって、ゆるく続いている。
(こんな…こんな恥ずかしい格好…!)
そう思うのに、ヒューが何回も、免罪符のように「たくさん我慢して、頑張ったから」って言うから、僕は断れないのだ。わかる。ヒューが大変な思いをしたことくらい、わかる。それに、ずっと我慢してたことも、わかるのだ。
でも、我慢って、───
(エミル様の時、僕のこといじめながら、こんなこと…考えてたの??)
僕の頭はパニックだった。
でも、僕のことを愛おしそうに見ているエミル様を見て、僕の胸はどくんっと跳ねた。こんなに恥ずかしい格好で、ペニスを舐めさせられてるのに、あんなに優しい目で見られてると思うと、腰が揺れてしまうのだ。
だって、こんな格好の僕に、興奮してくれてるってことで。でも、僕の気が散っているのがわかったのか、白く長い布でできた服の裾から、エミル様の足が伸びてきて、天を向いてる僕のペニスを、すうっとつま先で、撫で上げられた。
「ああんっ やっ ひゅうっ」
「───他の男の名前を呼ぶなんて、いけない子だ」
「や、違っ エミル様。や、足っ だめ、だめっ」
なんでそんなに、嬉しそうなんだよ!と、頭の中で突っ込むけど、今のヒューは、エミル様なのだ。確かに四年間、ずっと『エミル様』って感じだった。たまに、ヒューっぽいところもあったけど、基本的には、距離を保って、主人として僕に接していたヒューなのだ。ヒューの感覚では、演じてるっていうよりは、ただ記憶を辿ってるだけなのかもしれない。
でも、僕からしてみれば、ずっと主人だと思ってた人が、本当は大好きな人で、それで、その大好きな人が、その主人だった時のコスプレを望んでいるのだ。
(訳がわからない!)
でも、その、嬉しそうな顔見ると、───…断れない……。
←↓←↑→↓←↑→↓←↑→
「乃有、すごいやらしー…」
「あっん、いまっ、今、隼斗だった!絶対!んんっ」
「ほら、ちゃんと奉仕してよ。俺、今、童貞なんだから」
「ふぇ?!ず、ずるいっ ひああんっ」
僕は、踊り子の衣装を着たまま、今、大量のクッションに寄りかかったエミル様の上で、今まさに、腰を下ろしているところだった。ゆっくり、エミル様のペニスを飲みこもうとしたら、ぷちゅ、と水音が響いて、僕は、まっ赤になって固まってしまった。
僕が間違えて怒られたのに、ヒューはエミル様の役じゃなくなっても、そのまま続行なんて、ずるい。
不満そうな顔をして、エミル様のことを見てると、すっと美しい手が伸びてきて、首を引き寄せられる。耳元で言われる。
「ほら、これで早く気持ちよくなりたいでしょ」
「やっ」
言い方がエミル様で、僕はびくうっと体を震わせた。
否定は、できない。だって僕のペニスは、こんなことになってから、ずっと涙を流して、期待して元気いっぱいで。こんなに恥ずかしい格好で、死ぬほど恥ずかしいことをさせられてるのに、さっきから、早く、気持ちよくして欲しくて、仕方ないのだ。
キュンっと、少し入ったエミル様のペニスを締め付けて、しまう。これでは、言われた通りだと、エミル様に伝えてしまっているようなものだ。
「あっあっああんっ え、エミル様ぁ」
僕は、エミル様の昂りを、全部、体の中に収め、のけぞって、ぴくぴくと痙攣した。中に入ってるってだけで、僕の体は、この先を期待して、歓喜に震えていた。
だけど、意地悪な声が聞こえる。
「違う男の、飲み込んでる気持ちはどう?」
「ふあっ ん、い、言わないで」
いやいやと首を振って、その言葉をなかったことにしたい。なんで、どうしてって思う。だって、中身はヒューで、ヒューがこんなことしたいって言ったのに、そんな責めるみたいな言い方されて、嫌なはずなのに、僕は、でも僕は、なんでか、興奮したままなのだ。
浮気してるみたいで、ズキッと心臓が痛むのに、でもエミル様がヒューで、僕は、エミル様と繋がってることも、浮気相手も本当に好きな人も、中身が同じことが、嬉しくて、仕方がないのだ。
(どうしよう…これが…背徳感……?)
あんまり見ないようしてた、エミル様の顔を怯えながら、覗く。
いつも、僕に意地悪するときにしてたような、女神みたいな美しい笑顔で、僕を見て、すっと僕の頬に、指を滑らせながら、エミル様が言った。
「ずっと、こうしたかった」
「っっ え、エミル様っ」
優しい笑顔でそう言われて、ちょっとだけ、そうだよね…と、しゅんとする。だって、僕だって、ずっとヒューに会いたかった。それから、会ったら止めることなんてできない欲望があることも、知った。
(それでも、ヒューは頑張って、ずっと我慢してたんだもんな…)
眉毛が下がる。ごめんねっていう気持ちでいっぱいだった。でもそれを見たエミル様が、そんな僕の気持ちなんて、お見通しって感じの笑顔を浮かべて、すごいことを言い出した。
「じゃあ、謝って」
「え??」
「奴隷らしく、ごめんなさいしてよ」
「あっ あんっ」
そんなひどいことを言いながらも、エミル様は僕の腰を掴んで、ぐっと下から突き上げた。
腰を押さえ込まれて、ヒューが何を求められてるのか、よく分からなくて、ただ、その腰の動きに、甘い嬌声をあげた。弱いところばっかり突かれて、ヒューって、こんなに意地悪だったっけって考えて、普通に意地悪だったなって思い出した。
「んっ はあ」
ただでさえ透けてた下着の布は、もうびしょびしょで、僕のペニスが完全に丸見えになってて、自分で見てても、なんて卑猥なんだと思う。腰を強く掴まれて、揺すられて、「ほら、許してって言いなよ」と、くすくす笑いながら言われる。そのまま、上半身を起こしたエミル様に、逆向きに押し倒され、ぽすんとシーツの音がした。
腰を止めることなく、僕のペニスを、布越しにやわやわと扱かれて、僕は「あっやっ」と声を上げることしかできない。
ひどいって思うのに、でも、ご主人様にそう言われて、つい、そのまま口にしてしまった。
「ああっ えみ、エミル様ぁっ いっちゃう。ゆ、許して。も、ああんっ」
「……………ねえ、淫乱なノアのこと、お許しくださいって言って」
「……へ?!なっ?!や、やだっ そんなの、そんな恥ずかしいの、む、無理っ」
そう言って、精一杯否定すると、目をうっそりと細めたエミル様が「ふうん」と、意地悪そうに言って、僕のペニスの根本を指でぎゅっと握りしめた。
「ひあ?!」
「じゃあ、ちゃんとごめんなさいできるまでは、こうしとこ」
そのまま、エミル様のペニスが、僕の中の弱いところを攻め立てる。布越しにペニスを扱かれて、でも達することはできなくて、僕はガクガクと腰を震わせながら、のけ反って、その荒れ狂う快感に、いやいやと首を振った。
涙で滲む視界で、エミル様の顔を見れば、もう、なんだかすごく幸せそうに微笑まれて、ひくっと顔が引き攣った。そして、絶対に言わせたいんだっていう、確固たる決意が伝わってきた。
(なんで…別に、怒ってないくせに…なんでそんなっ)
ぽろっと涙が溢れる。気持ちよくて気持ちよくて、どうにかなってしまいそうで、解放して欲しくて、解放してもらって、もっともっと気持ちよくなりたくて。過ぎた快感に、頭がおかしくなった僕は、もう、愛する人のしたいように、するしかないってことだけしか、わからなくなった。
半開きになったままの、口から涎が垂れる。エミル様のペニスが、ものすごく気持ちいいところを掠めた。
もう、───
「あ、い、いんらっな の、ノアのこと、ゆ、許してっ」
思わず、そんな恥ずかしすぎることを言ってしまった直後、エミル様はピタッと動きを止めた。僕の浅ましい腰だけが、ビクビクと貪欲に震え、飲み込んだ熱い、硬い、愛おしい存在に、もっと動いてっておねだりしてるみたいだった。
エミル様は、自分の顔を片手で覆いながら、ため息をついた。
「───はあ~~~~~。だめだ。マジでかわいい。こっちが許して欲しい」
「ああんっ ひゅう た、 助けてっ ゆるしてっ ねがいっ」
もう、エミル様じゃないじゃんって思うけど、どうにもならない。堰き止められたペニスを、解放して欲しくて、腰を揺らしては、エミル様のペニスで内側を擦ってしまい、「ひあ」と、あられもない声が上がる。
そして、僕の頬にちゅっと唇を落としたエミル様が、優しく、女神みたいな笑顔で言った。
「許してあげる」
そして、その瞬間、最奥まで貫かれた。
「ひああああああああっっ」
びくんっびくんっと痙攣するのに合わせて、僕のペニスから漏れた白濁が、じわあっと薄い布を汚していく。それすらも丸見えで、恥ずかしくて、でも、じっとエミル様に見つめられて、もう、もっと恥ずかしい僕のことを見てほしい、みたいなわけの分からない思考になってた。
イッたばかりだというのに、離したくないとばかりに、ゆらゆらと腰を揺らしてる僕の、舌ったらずな声が聞こえた。
「溶けちゃう。エミル様ぁ…ひゅう…も、溶けちゃうよぅ」
「………じゃあ、もっと、溶けるまで、しよ」
「ひゅう、ちゅーして。も、エミルさまぁ」
くったりした重い腕を伸ばして、エミル様の首に伸ばした。ちゅっと、エミル様の唇が重なるのを感じて、目を閉じた。僕の中の熱くて硬い存在を感じて、うっとりしてたら、エミル様の、苦々しい声が聞こえた。
「あーー……ほんと、まじで、俺、よく我慢したなあ…」
よくは分からない。
よくは分からないけど、もしかしたら、ユノさんやミュエリーとも、抱き合う日が来るのかな、なんて恥ずかしいことを考えて、でも、そんな思考は、すぐにまた、快感の波に、飲まれて、消えた。
頭の中に浮かぶことは、一つだけ。
どんな姿だって、誰だって、それがヒューなら。
「好き、大好き…ヒュー」
「ん、俺も」
───────────────
ここまで読んでいただき、本当に本当に、ありがとうございました!!
ノアも薄々感じているようですが、VSユノ、VSミュエリーも続きます。かなり拗れちゃってるので。とりあえず『完結』で締めますが、1月くらいにまた番外編再開します。
ありがとうございました!
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ファンタジー
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8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
【完結】「奥さまは旦那さまに恋をしました」〜紫瞠柳(♂)。学生と奥さまやってます
天白
BL
誰もが想像できるような典型的な日本庭園。
広大なそれを見渡せるどこか古めかしいお座敷内で、僕は誰もが想像できないような命令を、ある日突然下された。
「は?」
「嫁に行って来い」
そうして嫁いだ先は高級マンションの最上階だった。
現役高校生の僕と旦那さまとの、ちょっぴり不思議で、ちょっぴり甘く、時々はちゃめちゃな新婚生活が今始まる!
……って、言ったら大袈裟かな?
※他サイト(フジョッシーさん、ムーンライトノベルズさん他)にて公開中。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺(紗子)
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
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