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2. と、暮らす
62 夜の蝶
しおりを挟む「今夜の送るベスィには悪いけど、これからの被害を考えて、素早く送る練習にしてくれる?」
「あ……ああ」
あの後、あまりの気まずさに、部屋で二度寝をして、起きてからは庭を整備して過ごした。ネルの視線をちょくちょく感じたが、気づかないフリをして、庭仕事ばかりしてしまった。夢で見ている庭と、ネルのうちの庭は、規模も様相も違うけど、何故か、夢で見た庭の手入れの知識は、間違っていないようだった。本当によくわからない夢だと思いながらも、せっせと植物を愛でる作業に精を出したのだった。
そして、気まずい雰囲気のまま、二人で馬車に乗り、今夜の勤務地までやってきたわけだった。そして今、まだ馬車の中で、外の様子を窺いながら、待機しているところだった。
ネルの言っていることの意味はわかる。今日、マークされているベスィは十人。予行演習も兼ねているのか、繁華街の中、人混みに紛れているベスィを送るのだ。つまり、周りに、ちらほら人がいる。
まだ害のないベスィばかりなようだが、人混みの中での作業は、きっと神経を使うだろう。
エリザベス杯に向けて、銃火器を使う特殊警務課の人間には、消音の魔導具が渡された。一丁一丁の銃にその消音の魔導具を装着したら、やっぱり銃身はかなり重くなった。でも当日は、おそらく熱狂的な声援に溢れているとは言え、人混みの中で、バンバン音を立てるわけにも行かないのだ。そういう意味でも、今日はいろんな意味で、実践に対応する能力が求められていた。
だけど、──。
「こ、ここに十人も、いるのか……」
今夜、指定されたエリアは、リズヴェールの繁華街の中でも、少しいかがわしいエリアなのだ。高級娼館や高級宿が立ち並び、貴族の馬車や、身なりのいい、ほろ酔いの男たちがふらふらと歩いているのが見える。今夜は、遠隔でザカリーさんが、競馬場でそうするように、通蝶で目印をつけるとのことだった。
不安で、つい、ぎゅっと手に力が入った。向かい合って座ったネルの方から、冷たい声がした。
「……それがどういう意味だか、ソーマはわかる?」
「え?」
どういう意味……。ベスィになるには、レンツェルが接触する必要があるのだ。体液が、命を奪うほどの毒だと言うのだから、体液が接触したのだろう。でも、その時、俺は初めて、そう、初めて、こんなにも、この国に溢れているベスィが、体液の接触によって生み出されている、ということに気がついた。
(そうだ……レイナは噛まれたと言っていたんだ。みんな、噛まれて?)
男の人のベスィだっていた。確かに、今まで送ってきたベスィたちは、みんな、顔がわかるようなベスィであれば、美しい人たちが多いような気がした。男の人であっても、なんだかきれいな雰囲気の人が多かったように思った。
レンツェルは、この繁華街に来て、往来で、その犯行に至ったのだろうか……と、考えて、そんなことしたら流石にレンツェルでも、すぐに足がついてしまうじゃないかと思う。どうやって体液を相手に? と、考えて、そして、え? と、俺は、動きを止めた。ここは、娼館が立ち並ぶ場所なのだ。
「えっ?!」
つい思いついてしまった想像に、ぶわっと顔が赤くなるのがわかった。そして、今、自分がいる場所が、この乗っている馬車の周りが、みんな、ほぼみんな、そういう目的でこの場を歩いているんだということに気がつき、どっどっどと、心臓の音が早くなった。思わず、ネルの顔を振り返ってしまった俺に、ネルの瞳が、怪しく夜色に煌めいた。そして、いつもみたいな、にやにやした顔で、言われた。
「……なに、考えてるの?」
「べ、別に、何も!」
なんでわざわざ、そんな色っぽい表情を作るんだろうと、ネルの底意地の悪さを感じて、眉間に皺が寄る。なんだか耳まで赤くなってるようで、顔が熱い。夢の中で、抱き合っていた『俺』と『ネル』のことを思い出してしまい、また、ぶわわと、さらに熱が追加された。そして、混乱した頭は、訳のわからないことを口走った。
「ネルも、こういうとこ、来る、のか?」
「え?」
「あ、違っ! そ、そうじゃ、なくて……えっと」
じっと見つめられて、ドキッと心臓が跳ねた。なんでこんな変なことを聞いてしまったんだ……と、後悔するも、聞いてしまったことは覆られない。膝の上で拳を握りしめながら俯いて、少しでも顔が隠れたらいいなあと思う。
でも、「来たことないな」と、ぽつりと囁くような声が聞こえて、自分の脚の両側に、ギシッとネルが手をつくのが見えた。え? と、思って顔をあげたら、目の前に、好きな男の……じゃない! じゃなくて! 大嫌いな男の顔があって、驚く。何? と、思っている間に、唇を奪われた。
「んぅ」
そのまま、くちゅっとかき回すように、舌を絡められて、びっくりしたまま、ネルの胸板を叩く。静かな馬車の中に、はあっと息を継ぐ音が響いて、ぴくっと震えてしまった。
なんで、ネルにキスをされると、頭がじんと痺れるみたいな、まるで体を作り替えられてしまうみたいな、そんな、淫らな気持ちになるんだろう。ただ、少し舌を入れられただけなのに……と、流されかけて、ハッとする。
ぐっと膝に力を入れて、ネルの股間を蹴飛ばそうとしたら、やんわりと手で押さえられた。
ちゅ、と濡れた音がして、離れたネルが、にっこりと華やかな笑顔で笑った。
「練習。今日は、――霊送の後も、長い夜になりそうだから」
「……はあ!?」
「なんかちょっと、興奮するね。ソーマとこんなところで、二人きりなんて」
なんでネルが興奮するんだ……と、考えて、ああそう言えば、ネルは俺の顔が好きだったんだと思い出した。
ちらっと、自分の、胸に目をやる。いつも着ている紺色のトレンチコートの中は、セーターも着ているし、ちょっと胸がない女くらいには見えるだろうか。
俺のことを抱けたんだから、女だけが好きなわけではないだろうけど……と、考えた時に、つい最近見た夢で、『俺』が、執拗に乳首を舐められていたことを思い出して、思わず、両手で顔を隠した。
(待って。待って……! 混同しすぎだから! 大丈夫!? 俺!)
そして、ずるずると膝のところで、蹲る。「えっ」とちょっと慌てたようなネルの声が聞こえたけど、冷静に、とにかく冷静になろうと、すーはーと、大きく呼吸をした。
そう、これは、あの『ネル』ではない。
俺のことを嫌いで、嫌がらせばかりしてくるいつものネルだ。
あんな、慈しむみたいに、俺のことをどろっどろに甘やかしてた『ネル』ではない。あの鬱蒼とした木の下で、本を読んでた暗い『ネル』でもない。だからこれは、ただの嫌がらせだ。
だから、俺も、嫌がらせで応酬しなくてはいけないのだ。
そう、ネルは俺の顔に弱い。それが俺の唯一の強みだ。ネルは、こうやって、俺に嫌なことを言って困らせるのが、好きなのだ。だから、俺も、ネルを困らせることに、全力を注ぐべきだ。だから、──。
俯いたまま、下から覗くように、向かいに座ったネルの顔を見た。それから、恥ずかしい表情のままなのは仕方ないけど、首を少し傾けて、誘うように、口にした。
「……なこと」
「え?」
「そんなこと、言うなよ。……恥ずかしいから」
「!」
ネルの頬が、かあっと赤くなるのがわかった。
でも、それを揶揄うほどの余裕は俺にはなくて、俺も恥ずかしくて、また膝に頭をくっつけて、沈んでいった。
夢で見た『俺』は、意外にも、性には奔放で、いや、意外にもっていう言い方はどうなのかわからないけど、とにかく、結構、明け透けな感じで。もし、俺が夢の中の『俺』なら、きっと、「俺も、興奮する」って、ネルの耳元で囁くくらいはやりそうだな、と思った。
でもそんなことは、俺にできるわけはなかった。
でも、沈みながら、少しだけ、考えてしまった。あのレンツェルが、そういうことをするんだろうかと。
でも、もしも、レンツェルが本当に、そういうことをしたせいで、この場にベスィが何人もいるのだとすれば、それは、その行為の最中に、知らない間に死んでしまっていて、そしてそのまま、死んだことにも気づくことなく、そのまま行為を続けられてしまった、ということなんだろうか。
頭の中に、人の命を弄ぶ、レンツェルの嘲笑う姿が浮かんだ。
――それはとても、とても、残酷で、冷たい人がすることのように思った。
「行くよ」
「あ、……うん」
馬車の扉を開ければ、娼館や酒場の灯りに紛れて、通蝶はキラキラと飛んでいるのが見えた。
ザカリーさんは遠隔で、この場にいないまま、その繊細な作業をやっているのだ。
スピード勝負だと、そう思ったことを思い出し、とにかくネルの動きを見ながら、俺側にいるベスィに向かった。決して人に当たらないように、消音魔導具のついたリボルバーで、撃っていく。ちらっと横目で見てみれば、ネルは器用にその刀身の長さを変えながら、まるで歩いているかのように、流れるように、的確にベスィの心臓を差し抜いているのがわかった。
たった一瞬のことだったのに、俺を振り返ったネルの横で、ベスィについていた通蝶が三匹も、燃えるように消えた。
すごい、と思っている暇はない。次のベスィに向けて、必死で走る。細い路地裏で、通蝶が煌めくのが見えた。あそこなら、弾も打ちやすそうだと思い、すぐさま駆け抜ける。
(二人目……)
そう思って、 振り返ってみれば、ネルの後ろで、もう、また三匹の通蝶が、燃えて消えた。一体どんな技を使えば、そんなにも早く、送ることができるのかはわからない。
そこかしこから、今回は、語ることもなかったベスィの怨嗟が漏れていた。ズキンッと頭が割れるように痛む。
でも、――。
その叫び声をあげている人たちの全てが、艶かしく、美しい衣装に身を包んでいた。彼女たちは、彼らは、お互いに誰がベスィだかもわからずに、この夜の街を、何年も彷徨っていたんだろうか。
俺は、段々と、その、人間の情を持っていないかのような、レンツェルの恐ろしさを、実感していた。
体を鞭打って、懐から、白い菊の花の、ほぼ花だけの小さなドライフラワーを取り出し、そっと繁華街の片隅に、ふらつく足で、そっと、置いた。
何があるわけでもないのだ。もう彼らは霊送されて、きらきらと空に舞ってしまっていたのだから。だけど、語ることもできなかった彼らが、被害者である彼らが、ここにいたことを、なんとなく、覚えていたかっただけだった。
ネルが尋ねる。
「ドライフラワー?」
「生花は持って歩けないから……こんなの、ただの俺のためのことだけど」
苦々しい顔で、絞り出すように口にした言葉は、消え入りそうなほど小さな声だった。
ネルがそっと置かれた小さな菊の花を見て、言った。
「ああ、手向けてるのか」
どうだろうか……と、思う。それが相手のためになるとは、俺には思えなかった。
でも、頭が、痛くて、頭が、痛くて、もしもこの痛みの理由が、ネルの言う通り、本当に未練なんだとしたら、彼らは、どんな気持ちだったんだろうと、考えずにはいられなかった。
だんだんと、意識が遠のく。
レイナの時と同じくらい、なんだか消えてしまいそうな、変な感じがした。
ネルの焦った顔が見える。そして、唇を奪われるのを感じながら、俺は、ネルの腕の中で、意識を失ったのだった。
(俺、よわあ……)
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