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1. と、出会う

12 もやもやの休日

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「………」

 次の日は週末で、休みだった。
 リズヴェールの外れ、俺は、小さな二階建てフラットの一室で、目を覚ました。東向きの部屋なおかげで、爽やかな朝日がきらきらと差し込んできている。その光に、少しだけ、救われたような気になった。

 中心地であるメアリルボーンまでは若干距離があるが、安い家賃と、乗合馬車の停留所がすぐ近くにあるっていうとこが気に入って、住むことにした、俺の家だ。
 寝るためだけに戻ってくるような狭い部屋だけど、一人で暮らすには十分で、なんと、廊下には、共同トイレと風呂。それから、調理用の魔導具まで設置されているのだ。まだリズヴェールに出てきたばかりの俺にとっては、十分すぎる城だった。

 元々、生まれた家は、リズヴェールにあったのだ。事故で両親を失い、少し年の離れた姉と二人で生きてきた。でも姉が亡くなってからは、田舎を点々として過ごしていた。ベスィのこともあって、あまりひとつのところに滞在しない方がいいような気がして、適当な職を探しては、移り住むということを繰り返していたのだ。いつも失敗をして、気味悪がられてしまったことも、引っ越さなくてはいけなかった原因だと思ってる。
 田舎はすぐに噂が広まる。
 そうすると、住み心地のいいところでも、一度気味悪いと思われてしまうと、やっぱり雇い主はいい顔をしないのだ。そういう意味では、確かにネルの言う通りで、みんながみんな、ベスィを視ることのできる人間が集まっているというのなら、悪目立ちすることもなく、安定した職につくことができた、ということだった。

(でも…感謝はしたくない!)

 本来なら、感謝してもいいような待遇ではあった。そして、もしも勧誘してくれたのがスパロウ課長であれば、素直にありがとうと言えたような気もする。だが、───脳裏に浮かぶのは、ニヤニヤ意地悪ばかり言うネルの姿で、うっと眉間に皺を寄せた。それにしても、───

「本当に、大変な夜だった……」

 俺は、昨日のことを思い出していた。
 あの後、───



 ベスィを倒したネルは懐から、手の平に握り込めるほどの大きさの、丸い鏡のような、銀色の『通蝶』という魔導具を取り出した。そして、手の平に乗せたまま、ふうっと息を吹きかけると、光る蝶が浮かび上がり、それはひらひらとどこかへと飛んでいった。
 これは、俺も課長からもらった魔導具で、警務員同士の連絡手段として支給されているものだった。その様子が、なんだか神秘的で、じっと見つめていると、ネルが言った。

「ベスィ霊送完了の連絡、ね」
「霊送……」

 前にも聞いた『送る』と言う言葉。処理、という言葉は聞いたことあっても、討伐だとか退治だとか、そう言う言葉を使わないことに、少しだけほっとした。あんなに恐ろしい場面を見た後だというのに、どうしても、ベスィのことをただの敵だとは思えなかった。

(でも…多分、戦っている時は、敵として、認識しておかないと…だめなんだろうな…)

 あの通蝶が届くと、夜勤の人間が回収する仕組みらしい。実際にベスィと戦う人間と、支援する人間とが、分かれているのかもしれない。さっきからズキズキと痛む頭を、軽く手で押さえながら、できるだけ、平静を装う。このタイミングで具合が悪くなると、なんだか、ベスィに怯えて、具合が悪くなってしまったと思われるような、そんな気がして。
 通蝶の消えた方向を見ていたネルが振り返り、言った。

「これで、夜勤の人が駆けつけるから、来たら解散……って何それ」
「え?」
「手。なんで頭押さえてんの?怪我した?」

 俺が頭を押さえているのを見たネルが、そう言った。一瞬、心配してくれてるのかと思って、え?と思ったが、その後に、案の定、通常運転のネルの言葉が続いた。

「隠れてただけなのに」
「…………」

 ほんと、口を開けばすぐこれだ!と、イラッとしたら、余計に、ズキンッと頭が痛んだ。
 ベスィが見え出した辺りから、たまに頭が激しく痛む時があるのだ。何がきっかけでこうなるのかは、よくわからない。別に、常にというわけではないから、医者にはかかったことがない。今日、こうしてベスィと対峙したことで、頭痛がするのだとすれば、もしかしたら、俺がベスィを見ることができることに、関係してるのかもしれない。

(なんだっけ……霊力…?的な?)

 そのうち治るだろうと思った。ネルの言う、夜勤の人が来るまでっていうのが、どれくらいの時間なのかはわからないけど、その間にやることがあるのかな、と思って、頭を押さえ、虚ろな瞳をネルの方に向けたら、───

「……えっ」

 思いの外、近くにあったネルの顔に驚いて、ビクッと体が跳ねた。いつものニヤニヤした顔ではなくて、真剣な表情のネルが、尋ねた。

「それ。いつから?」
「え?」
「頭痛いんでしょ」
「……あー…ベスィが視えるようになり始めてから、かな。たまに、こうなる」

 ネルのことだから、そんなこと放っておくかと思ってたのに、そう尋ねられて、俺は内心驚いていた。でも、頭痛なんて、他人にどうこうできるわけでもない。いつもみたいに、少し寝てれば治るだろうと、そう思った。だけど、いつもよりも激しく痛んでいる気がして、つい、顔を顰めてしまう。大丈夫だ、と言おうとして、ガクンと床に膝をつきそうになった。ネルに、ぐっと腕を掴まれて、立たされる。
 気まずい気持ちでいると、じっと俺のことを見ていたネルが、「はー」と、いつもみたいに大きなため息をついた。そして、心底嫌そうな声で言った。

「今からすることは、ただの…治療だから。絶対に、見ないで」
「は?」
「いいから。抵抗は、しないで」

 ネルの言っていることは、全く意味がわからなかった。治療?見ないで?抵抗?と、その一言二言の間に、疑問のある言葉ばかりが含まれていた。俺は、どうしていいかわからずに、ただぽかんと口を開けて、眉間に皺を寄せているネルを見ていた。
 ひたりと、瞼の上に、冷たく柔らかいネルの手の感触を感じる。視界を覆われ、俺は一体何をされるんだろうと、身を固くした。ふわりと女好きしそうな、爽やかな匂いが伝わる。

(なんで、あんなに剣とか使ってんのに…手、柔らかいんだろ…)

 どうでもいいことを考えていたら、ネルに言われた。

「口、少し開けて」
「……あの、なに…」

 俺はさっきから、戸惑うような言葉ばかりを口にしていた。でも、よくわからないが、ベスィと戦ってるネルを見た後で、なんだか、ネルは、俺の知らない何かしらの治療法?を知ってるのかもしれない、と、ふっと体から力を抜いてしまった。何が起きるのだろうと、どき、どき、と、心臓の音ばかりが気になる。

 唇に、柔らかい感触があった。なんだろうと思っていたら、ちゅ、と啄まれるような感覚があって、思わず、ビクッと体を引きそうになった。が、すごい力で、右手をぐっと掴まれて、混乱する。
 ぬるっとした、熱い何かが、閉じかかった歯列を割り、俺の舌の上をゆっくりと這った。

(………え??え??)

 時折、ちゅ、と濡れた音がして、ぴくっと体が跳ねる。これって…まさかキスをされてるのでは?という疑問が頭の中をぐるぐると巡るが、生まれてから、誰ともキスをしたことのない俺には、断定はできない。自由な左手を前に出してみれば、明らかに、ネルの胸がすぐ前にあった。体勢を考えれば、明らかに…。

「んっ」

 れろっと、舌を絡められ、濡れた音が響く。動かそうとしても右手はぴくりともしないまま、きゅっと指を絡められた。左手で一生懸命、どんどんっとネルの胸板を叩くけど、ネルの…多分、舌、は、唇は、俺の舌に絡み付いて、離れないのだ。そして、───おかしな変化が、俺の体の中に起き始めていた。

「ん、はあ」

 俺とネルの唾液が、交じり合い、口の中で溶けていくに連れ、体の芯が火照るような、変な感覚。頭の中を舐められてるみたいな、痺れるみたいな、言いようのない信じられないほどの快感が、体中を駆け巡った。
 絡め取られた指先は、その快感に震え、覆われた瞳は、その手の平の中で、ちかちかと星を見せた。ネルの熱い舌が、上へ下へと、ゆっくりとねぶるように俺のことを蹂躙していく。

「ん、んっ ん」

 じん、と頭の中が、痺れる。
 漏れる吐息は熱く、もっと、もっと口の中を舐めて欲しくて、もっと、もっと、ネルに支配されたくて、体がガクガクと震え出す。ついに、力が抜け、かくんと膝が落ちかけた時、繋いだ右手ごと、腰を支えられた。その、腰に触れたネルの手にさえも、びくんっと大きく体が跳ねた。
 頭の中は、まっしろだった。自分が、なんでこんなことになってるのか、どうしてこんなことをされていたのかなんてことは、すっかり忘れて、ただ、ただの欲求だけが、俺の体を支配した。

「……も、もっと。もっとして、…」

 キスの合間にそう強請ってしまった俺に、ネルは何も言わなかった。
 でも、ネルはやめないで、続けた。くちゅりと唾液を絡められ、舌先を扱きあげるように吸われ、ひうっと小さく悲鳴をあげてしまった。もはや、全体重をネルに預け、自由なはずだった左手は、縋るようにネルの首に回されていた。ひくひくと体が震える。頭が、おかしくなる。

(なに……これ………俺、もう…)

 呼吸は乱れ、唇がちゅっと濡れた音を立てて離れた瞬間に、流れ込む空気にさえも体をびくつかせ、吸い込んだ空気ごと、また支配されて、───そして、突然、視界が開けた。
 どかされた手の奥、潤んだ視界の中、舞台俳優みたいな整った顔をしたネルがいた。ぱちっとあった視線をそのままに、最後に、ちゅ、と音を立てて、ネルが離れた。
 はあはあと、肩で息をしている俺とは違って、乱れた様子もなくて、俺は、とろっと溶けてしまった頭で、あれ…なんだったんだっけ…と、考えていた。
 よだれを垂らしたまま、ぽやん、と、目の前の、空色の瞳を見ていたら、ふっと高圧的な笑いを漏らしながら、言われた。

「……恥ずかしいね、ソーマ。…気持ちよく、なっちゃった?」
「…………え……あれ……」
「頭。痛いの治った?」

 そう言われても、俺は、しばらく、思考が追いつかなくて、今の、嵐のような出来事が、なんだったのかわからなくて、ぼうっとする頭を傾け、ネルのことを見ていた。
 ネルが、少しだけ、気まずいみたいな顔をして、それから、俺の腰にまわしてた手を、離そうとしたみたいだった。バランスを崩して、つい、胸に縋りつくような体勢になってしまい、「うわっ」と慌てた。
 それでようやく、その自分の声で、我に返ったのだった……。そして、どうやって家まで帰ってきたのか、覚えていない。



「…………あー…あー!あー!」

 俺は誰もいない自分の部屋で、思い出したくもないことを朝から思い出してしまい、悶えた。両手で顔を押さえて、声でかき消そうとして、余計に恥ずかしくなって、ごろごろと寝台の上で転がった。

(なにあれ!なにあれなにあれ!どういうことだよ?!)

 あの時は、ぼんやりしていて気がつかなかったが、「恥ずかしい」と言われたことも、ちらっと股間を見てそう言われたことも、思い出されて、俺は死にたい気持ちになった。あーとかうーとか、とにかく、思い出しては、意味をなさない言葉を口から吐き出しながら、俺は、少しでも冷静になろうと、水を飲み、考えた。

 ネルはおそらく、何かしらの不思議な能力を持っているのだろう。

 こんな仕事をしているくらいだ。あの異常なまでの身体能力然り、生まれつき、そういう不思議な能力を持っていたりするのかもしれない。なんせ、カラスが喋り出す職場だ。正直、不思議な力を持っていたとしても、そこまで驚くようなことでもない気がした。
 噂ばかりで、本当にそんな超能力みたいなことがあるのかはわからないが、そういう話は、昔から、巷に溢れているものだ。俺が、ネルに対して耳栓的な超能力を発揮しようと考えたみたいに。

(いや…でも、本当に?)

 実際に目にしてみれば、疑わしい。ここ数日、この、魔導技術が発展した世界の中で、御伽噺のようなことばかり起きているから、なんだかそれもありうるような気がしてしまうけど、もしも、本当に治癒能力なんてものがあるんだとしたら、それは、国宝級の能力な気がした。
 現に、俺の体は、信じられないほどスッキリしていて、頭痛なんてすっかり忘れてしまったどころか、もう二度と痛むことなんてなさそうな爽快感なのだ。
 だけど、───

(なんで…なんで、体が、あんなことになってしまったんだ……)

 かああっと顔に熱が集まる。鏡なんか見なくてもわかる。きっと耳まで真っ赤だろう。バッと両手で顔を隠す。何から隠れたいのかは、よくわからなかった。でも、とにかく何かから隠れたかった。
 副作用的なことだと、説明してくれたらよかったのに、と涙目になる。
 でもネルはあの時、俺のことを笑ったのだ。本当はそんなことになんてならないのかもしれない。だとすれば、きっと明日から、それをネタに揶揄われるに違いないのだ。
 憂鬱だ。ああ、憂鬱だ。

(あー…頼む!休日よ!明けないでくれ!)

 そして、ひとしきり悶絶した後、考えたのはやっぱり、ベスィのことだった。
 見た目も、あの狂気も、恐ろしかった。でも、きっと、結婚したかっただけの女の子だったはずなのだ。恋人を作り、楽しい時間を過ごし、いつかは結婚したいと思っていた、普通の女の子だったように思った。
 でもきっと、自分が死んだという自覚がなければ、みんなが、世界が、自分だけを除け者にしているように感じただろう。自分だけが、見向きもされず、恋人が欲しいという細やかな夢も潰えて。

(きっと…悲しかっただろうな…)

 ネルはどうして、ベスィに感情がないだなんて、嘘をつくんだろう。その理由は、本人が頑なに否定している以上、到底わかりそうになかった。
 でも、それにしても、吸血鬼に血を吸われて、知らない間に死んでしまって悪霊になってしまうって…

(…一体どういうことなんだろう…)


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