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第五夜 うずく女体

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 夜と夜の間は、夢うつつに過ぎていった。
 とろとろとまどろんでいるようでもあり、泥のような眠りにおちているようでもあり。
 引きのばされた白昼の闇の中、時間の感覚はもはや意味をなさない。
 抱き潰されるのが夜、眠っているのが昼。
 もはやその繰り返しだけがすべてだった。

 五つめの夜は、中をまさぐられながら始まっていた。

「あん!あんっ!」

大きく喘ぐ自分の声で目が覚めた。

「……えっ?」

 いつのまにこんなことになっていたのか、神の指に貫かれて、気づけば腰が浮いている。

「あと三夜で中イキを仕込んでやらねばならぬ」
「んああああっ」
「子宮もたっぷりとな」

 やむにやまれぬ事情があったとはいえ、望んで来たのだ。
 もう後戻りはできない。

 ざりっ──

「ひゃっ?」
「ん、ここか」
「あ、のっ……!」

 ざりっ、ざりっ──
 上に折り曲げた指で、内壁がゆっくりと刺激される。

「えっ、ちょっ、嘘、何…!?」

 指先がある箇所を通るたびに、おかしくなる。

 ざ──

「ひああっ」

 ざりっ──

「やああぁ」

 ざりざりっ、ざりざりっ、ざざざざざりっ──

「あっあっあっ、だめっ、それだめぇ───!」
「そんなことで夫を仕込んでやれるのか?」
「ああっ、ああっ、ああっ、あああっ」
「君が夫に教えてやらねば、君の夫は一生ここをこんなふうにしてくれぬぞ?」
「ひあ……」
「どこをどうされるのがより快いか、よく覚えて、夫に教えてやれ」

 ざりっ──

 そうしながら、もう一方の手は、指を広げて下腹部を押している。中を揺するようにぐっと押し込まれて、体の奥が震えるのがわかる。

「あああんっ」
「中もいろいろある。順番に教えるが、今夜はここだ」
「あっあっあっ、ああああああああああんっ」

 たまらない快感に襲われて、身体の奥がきゅんきゅんと啼きやまない。
 なのに、切なく絞られるようなもどかしさもある。

「んぁ、ああああ……、何これ、昨日までと、何か……ちがう……」

 うずうずとおさまらず、身体がよじれた。

 ぢゅぷっ、ずりり──

「は、ああああああああぁっ……」

 ビクビクンッ……!

 雷に撃たれたように跳ねる身体。自分でもどうにもできない。
 ビクン、ビクン、ビクン、と。微弱な痺れが全身を駆け抜けては、退いていく。

 だが、足りない。

「んん、あうぅっ」

 うずくばかりで、もどかしさがつのる。

「あ、ん、これっ」
「これが快いか?」
「い、いい、けど、……ああっ!」
「けど?」
「あ、あんっ」

「言わねばわからぬ」

「そ、んな……こと」

 無理、言えない、と、首を振る。

「ならこのまま続けよう」
「んっ、はぁっ」

 ざりっと擦られて、ビクッと跳ねる。
 同じリズムで延々繰り返されて、逃げ場のない快感が、奥に溜め込まれてゆく。
 解放されたがって、不穏な気配を高めてゆく。

「やだ、もうこれ、無理、怖い……」
「言えばよい。ねだってみろ」

 ぢゅぷっ、ざりっ、くちゅ、くちゅん──

 我慢くらべで、処女が神に敵うわけがなかった。

「お願い……、もう、いかせて。苦しい……」
「どうしてほしい? どこをどうされて、イキ狂いたい? 言ってみろ」

 手を止められ、腰が勝手にくねくねと揺れてしまう。
 たぶんもう、最初のような達し方では満足できない。
 欲しいものは、そうではなくて。

「なか、を、もっと、……して」
「どんなふうに?」

 きっとこの先に、まだ知らない扉がある。
 そこに何があるのか。どうすれば扉は開くのか。

「わかん、な……お願い、もう……いかせて……」

 もう何も考えられない。どうにでもして欲しい。

「わかった。ではぐちゃぐちゃに掻きまぜて、いきっぱなしにしてやろう。それでよいか?」

 そう言われた言葉だけで、身体が啼く。奥が震えて、こぽり、こぽりと、蜜があふれる。
 わけもわからず、こくこくとうなずくのが精一杯だ。

「もう嬉しそうだ。こんなに締め付けて。素直な身体だ」

「お願い、早く、もう……。して。ぐちゃぐちゃに掻きまぜて、いかせて……」

 ねだるように、腰が浮き上がった。
 突き出された花唇に、神が顔を寄せる。

「中だけでいいのか? ここは?」

 小さな豆にふっと息を吹きかけられて、のけぞった。

「ふあぁぁっ! それ…もっ、して……」
「胸は? 乳首も舐めてやろうか?」

 言われただけで、胸の先がチリチリと泡立った。

「して。ぜんぶして」
「欲深いことだな?」
「ああんっ、もう、もう、はやく……、おねがい」

 動きの止まった指を求めて、腰がねっとりとうねり、沈んでは浮く。

「可愛いらしいことだ。いいだろう」
「ああ……」
「ただし、求めたのは君だ。もういいと言っても止めぬ。受けきれ」
「っ……」

 そして、望んだとおりのものを与えられて、女は声が枯れるまで喘ぎつづけた。
 不感症だったはずの未通の花嫁が甘くさえずる淫らな声が、いつ果てるともなく夜を濡らす。

「ああああああっ、ああああああっ、あああああああああああああああっ……!!!!!」
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