上 下
14 / 25
二章 接吻

2 それでは見えない

しおりを挟む
※NTR/寝取られ、緊縛、視姦、目隠し。

 両手を頭上に結わえられ、寝台につながれた。

 ビリビリビリッ──

 下着を引き裂く鋭い音が、悪夢の幕開けを告げる。

「あぁッ……!」

 大きく割られた足を、腿につくほど押し込まれ、縛られた。
 下着を剥ぎ取られ、ぺたりと脚を折り畳まれて、これではあまりにも全てを義父の目に晒してしまう。羞恥で肌という肌が朱に染まった。

「い、や、……ぁ」

 どうしようもなく剥き出しにされ、あからさまな視線を浴びせられて。
 非情にも暴かれた可憐な秘花は、露出の刺激と見られる恥辱に耐えかねて、ぴくんぴくんと不規則に痙攣をくりかえした。

 灯りを背負った義父の表情は、はっきりとは見えない。
 ただ、強い光を放つ双眸が、彼女を射抜いて逃さない。
 精悍な体躯が寝台に濃い影を落とし、黒々と娘の足元まで届いていた。

「やめ……やめて……」

 膝を寄せても、肝心のところが隠れない。
 羞ずかしくて、せめて痙攣を止めたいのに、そう思うほど、反応してしまう。火照った顔と身体に、さらに熱がこもる。

 ぴくんっ、びくびくっ。

 脚が震える。熱い。羞ずかしい。困る。耐えられない。混乱を極めて、もうほとんど眩暈がする。
 なのに、駄目駄目と思うほど身体が熱を持て余してしまうのが羞ずかしく、そう思うほどに、また──。

「あ」

 義父が身じろぐたびに、かすかな衣擦れの音と共に、影が揺れた。
 そのわずかな音と光を、いちいち身体が拾ってしまう。
 熱く、甘く、火照ってゆく。

「いや……」

 こんな自分を、誰より夫に、知られたくなかった。

「あなた……見ないで……」

 どこにいるのだろう。
 彼女の位置からでは、夫の姿が見えない。
 彼から見えているのかどうかも、わからない。

 手がかりは、声だけだ。
 くぐもった唸り声は遠い。だが、この部屋の中であることは間違いない。
 こんな姿で拘束されて、羞ずかしく身をくねらせている、まさにこの部屋に、夫もいるのだ。

「お願い……」

 夫からの応えはない。
 代わりに聞こえてきたのは、義父の声だ。

「膝を開け」

 どこまでも堕ちろと。
 強い声が、鞭のように若妻を打つ。

「開くんだ」

 震える脚が、少しずつ開いていく。
 まるで見えない手にこじあけられるように。

「ぃ、やぁ」

 羞ずかしさが全身を這い上がって、肌をざわつかせる。
 そして羞ずかしさの奥からわきあがる、それだけではない、甘くとろりとした焦燥感。

「見な、見ないでぇ……!」

 じゅわん。

 めくるめく感覚に頭が白くなる。
 墜ちていく喪失感のなか、また鞭がとんだ。

「もっとだ。それでは見えない」

 ふるふると首を振る。
 義父は口をつぐみ、じっと彼女を見ている。いや、彼女の脚の間、その奥を──。

 じゅん……。

 信じられない思いで切ない疼きを感じている、まさにそこを、彼の視線がじっと見ている。

「ぅ……」

 初心な娘にとって、あまりといえばあまりに酷な背徳だった。

 まだ、十五歳なのだ。
 無垢な乙女は、半年前に相思相愛の恋人と結ばれ、嫁いできたばかり。大切に大切に愛され、優しさだけで慈しまれて、おずおずと花開き、ようやく清楚に咲き初めてきたところだった。
 そこへ、あの夜の事件である。まだその衝撃も生々しいものを。
 多感な年頃の、身体以上に心が、悲鳴をあげていた。

 だが義父は容赦なく乙女の花をこじ開ける。
 両膝をつかむと、躊躇も手加減も猶予もなく、大きく左右に開ききった。

「あああっ」

 抵抗しようにも、両手両脚を縛り上げられた状態では、上体を陸の魚のように跳ねさせるくらいしかできることがない。

「待っ、や、めてぇ……!」

 そして男の望むままに開いた両足首を、そのまま寝台につながれてしまえば、もうどこにも余地はない。

「ぃ、ぁっ」

 緊縛された若妻の身体は、あまさず開かれ、義父の目に晒された。
 男は静かに息をのみ、吐息とともに、呟きを落とす。

「これは、たまらぬ」

 人目はおろか、そんなふうに外気に触れることすらなかった、秘められた花なのだ。それが、猛る男の目の前に引きずり出されて、弱々しく打ち震えている。まだ薄く小ぶりな桜色の花弁が、時々たまらずふるっと身を震わせて、喘いでいる。さながら風の気まぐれに散らされる花か、神に捧げられた生贄か。
 この痛々しくも卑猥な姿に、たぎらない男などいるものか。尽きぬ征服欲をかきたてる。たとえ一度はほしいままに貪った獲物であっても。

「お前は、なんという……」

 男の凄艶な笑みが、娘を呑み込んだ。
 ただでも凄いほどの美貌に、揺れる灯火が濃い陰影を刻んで、ぞっとするほどの色香がしたたる。

「……っ」

 ひくん。

 頭の芯がとろりとしびれて、うまく考えられなくなっていく。
 どうしてこんな、という思いが徐々にもやの向こうに遠ざかっていく。

「美しい」

 ひくん……。

 ひとつ震えるたびに、じゅわん……と、奥から潤む。
 おぼれるほどのクッションを背に、汗ばむ身体が、反っては沈んだ。

「女神のようだな」

 私の女神、と。
 かさねた言葉は、ささやきほどの幽けさで。

 ぞくん。

 全身を走る甘い刺激に、肌がいっせいに弾けてざわめいた。

「あッ」

「奥までよく見える」

 男はやわらかく微笑んだ。
 いつもは涼しい切れ長の目元が、今は熱(いき)れて、溶けた鉄のように濡れている。見ているだけで、体の内側が灼かれそうだ。
 射抜かれているのか、魅入っているのか。また呑まれて虚っぽになった、一瞬の隙に。

 気づけば、目隠しをされていた。

「え……」

 縛られ、つながれ、とうとう視界まで奪われた。
 ざわわわっと全身が粟立つ。

 どくどくと早鐘を打つ鼓動が、鳴り止まない警鐘のようだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

好青年で社内1のイケメン夫と子供を作って幸せな私だったが・・・浮気をしていると電話がかかってきて

白崎アイド
大衆娯楽
社内で1番のイケメン夫の心をつかみ、晴れて結婚した私。 そんな夫が浮気しているとの電話がかかってきた。 浮気相手の女性の名前を聞いた私は、失意のどん底に落とされる。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

処理中です...