7 / 11
#7 禁断の口づけ
しおりを挟む
今日は何のタブーもない。
全身くまなく撫で、舐め、愛で尽くす。
店では禁忌の技も躊躇なく使い、蝶子の秘められた花唇をたっぷりと舐めあげた。
「ああああっ」
溢れ出る蜜をかき分けて核を吸い出し、舌先で転がしては舐め上げ、上下左右になぞって、優しく追い込みつづける。超絶技巧すぎて女を狂わせると仕事では封印された、禁断の口淫だ。
「あっ、あっ、やっ、あん、ああんっ」
罪な舌技を惜しげもなくふるわれて、蝶子はあっというまに溺れた。
しかも、そうしながらつぷりと挿入された指は、狙い定めていいところを可愛がりにかかっている。内側から腹に向かって押し擦られれば、外からと中からの熱が渦をまいて、もう頭が真っ白にスパークしてとまらない。
「あっ、いいっ、ひあっ、だ、だめっ、だめだめだめ、待ってお願い…っ」
「何がだめ?」
とろけるような甘い目と声。脳みそまで溶かすほどの。
「だって。こんなの、すぐダメになっちゃう」
「ダメになってください。今夜くらい」
「……」
わけもなく涙腺がゆるみそうになった。
これは“ごっこ”だ。わかっている。言い出したのは自分なのだ。
だからわかっている、はずなのに。
「ね、俺が全力であなたを溺愛する。だからぜんぶ任せて。ダメになって。どこまでも甘やかしてあげるから」
こんなの困る。無理だ。
感じるたびにときめいてしまう。とめられない。
びくん、びくんと、身体が暴走しはじめた。
「あ、あ、あ、あ、あああっ」
「可愛い。蝶子、愛してる」
ちがう。これは本心じゃない。
そういうプレイだ。
勘違いしてはいけない。
でも、とまらない──。
どんなに言い聞かせても、気持ちが暴走してしまいそうだ。
「ッ───!!!」
堪えようもなく快感が弾けた。
余韻に震え、脱力していく蝶子を、甘い視線が見つめている。
(あ……)
視線が熱い。熱くて、くすぐったい。
甘やかされるって、なんてくすぐったいんだろう。
そして、なんて気持ちいいんだろう。
蝶子は震える手で相手の肩に触れた。
「ね、座って?」
「え?」
「いいから」
ベッドに腰かけさせ、自分は床に膝をつく。
「蝶子さん、それは」
意図を察したDが、珍しくも狼狽した。
ちょっと気分がいい。
「そんなことしなくていい」
「いいから。させて」
「ちょ、……っ!」
猛々しくそびえ、先走りで濡れる男根に口づけると、ぴくりと震えて、少し大きくなった。素直な反応が愛おしい。
ぢゅっ──
音を立てて吸いつき、裏筋を下から舐めあげる。
亀頭の先まで登りつめたところで、小さな口に入るだけ受け入れた。
「う、く……」
熱い。弱い上顎をごりごりと刺激されて、腰のあたりにじぃんと甘い痺れが走る。
「ん、はっ、っ……」
何もせずとも息があがる。
舌を使うとまた口じゅうが暴れる熱杭に嬲られ、溢れた唾液が顎を伝って、したたった。
「はっ……」
涙目になって、手を添える。
見上げると、目で犯さんばかりの熱視線に射抜かれた。
かしずいた女が健気に尽くす、そんな姿がどれほど雄の征服欲をくすぐり、劣情を猛らせるか、冷静なときなら思いいたらない媟子ではない。なんとなれば、彼女の書く官能小説にはそんな扇情シーンが何度でも登場するのだ。
だが今は、そんな余裕は一切なかった。
ただただ夢中だった。
口の中には雄の匂い。
熱のこもる腰がひとりでに揺れ、胸の先は人肌恋しく凝って疼く。
「あ、ふ、ぅ……」
膨らんだ頬が掌に包まれた。外からそっと撫でられているだけなのに、口腔内がぞくぞくと粟立って、何も考えられなくなっていく。
「ほんとに弱いよね、口」
吐息まじりで愛おしそうに目を細め、両手で蝶子の頬を手挟んだ。
くるむように外から撫でる動きひとつが、まるで中を掻き回すのと変わらないほど蝶子を追い詰める。
「んっ、んっ、ん、う」
どこにも逃げ場はない。口じゅうが彼のものに征服され、支配される。だが、それも自らすすんでのこと。
なおも口を開き、もっと奥へと受け入れた。
うぐ、と息が逆巻いて、生理的な涙が溢れる。
「はっ、あ……」
壊れる。壊されてしまう。必死に守ってきた殻を打ち砕かれて。着込んだ鎧を剥ぎ取られて。
粉々のプライドのなかにこうして跪く、こんな隷属の悦びを蝶子に教えたのは、Dだった。
「あぁ」
背中の筋をずるずると抜き出されたように力が抜けて、知らず手が、己の秘所にのびていた。
「だめだよ」
はっしと腕が掴まれた。
「させない。俺がいてそんなこと」
ちゅっ、と額に触れるだけのキス。
「おいで」
それだけで達しそうな濡れた声と共に、ふわり、身体が引き上げられた。
全身くまなく撫で、舐め、愛で尽くす。
店では禁忌の技も躊躇なく使い、蝶子の秘められた花唇をたっぷりと舐めあげた。
「ああああっ」
溢れ出る蜜をかき分けて核を吸い出し、舌先で転がしては舐め上げ、上下左右になぞって、優しく追い込みつづける。超絶技巧すぎて女を狂わせると仕事では封印された、禁断の口淫だ。
「あっ、あっ、やっ、あん、ああんっ」
罪な舌技を惜しげもなくふるわれて、蝶子はあっというまに溺れた。
しかも、そうしながらつぷりと挿入された指は、狙い定めていいところを可愛がりにかかっている。内側から腹に向かって押し擦られれば、外からと中からの熱が渦をまいて、もう頭が真っ白にスパークしてとまらない。
「あっ、いいっ、ひあっ、だ、だめっ、だめだめだめ、待ってお願い…っ」
「何がだめ?」
とろけるような甘い目と声。脳みそまで溶かすほどの。
「だって。こんなの、すぐダメになっちゃう」
「ダメになってください。今夜くらい」
「……」
わけもなく涙腺がゆるみそうになった。
これは“ごっこ”だ。わかっている。言い出したのは自分なのだ。
だからわかっている、はずなのに。
「ね、俺が全力であなたを溺愛する。だからぜんぶ任せて。ダメになって。どこまでも甘やかしてあげるから」
こんなの困る。無理だ。
感じるたびにときめいてしまう。とめられない。
びくん、びくんと、身体が暴走しはじめた。
「あ、あ、あ、あ、あああっ」
「可愛い。蝶子、愛してる」
ちがう。これは本心じゃない。
そういうプレイだ。
勘違いしてはいけない。
でも、とまらない──。
どんなに言い聞かせても、気持ちが暴走してしまいそうだ。
「ッ───!!!」
堪えようもなく快感が弾けた。
余韻に震え、脱力していく蝶子を、甘い視線が見つめている。
(あ……)
視線が熱い。熱くて、くすぐったい。
甘やかされるって、なんてくすぐったいんだろう。
そして、なんて気持ちいいんだろう。
蝶子は震える手で相手の肩に触れた。
「ね、座って?」
「え?」
「いいから」
ベッドに腰かけさせ、自分は床に膝をつく。
「蝶子さん、それは」
意図を察したDが、珍しくも狼狽した。
ちょっと気分がいい。
「そんなことしなくていい」
「いいから。させて」
「ちょ、……っ!」
猛々しくそびえ、先走りで濡れる男根に口づけると、ぴくりと震えて、少し大きくなった。素直な反応が愛おしい。
ぢゅっ──
音を立てて吸いつき、裏筋を下から舐めあげる。
亀頭の先まで登りつめたところで、小さな口に入るだけ受け入れた。
「う、く……」
熱い。弱い上顎をごりごりと刺激されて、腰のあたりにじぃんと甘い痺れが走る。
「ん、はっ、っ……」
何もせずとも息があがる。
舌を使うとまた口じゅうが暴れる熱杭に嬲られ、溢れた唾液が顎を伝って、したたった。
「はっ……」
涙目になって、手を添える。
見上げると、目で犯さんばかりの熱視線に射抜かれた。
かしずいた女が健気に尽くす、そんな姿がどれほど雄の征服欲をくすぐり、劣情を猛らせるか、冷静なときなら思いいたらない媟子ではない。なんとなれば、彼女の書く官能小説にはそんな扇情シーンが何度でも登場するのだ。
だが今は、そんな余裕は一切なかった。
ただただ夢中だった。
口の中には雄の匂い。
熱のこもる腰がひとりでに揺れ、胸の先は人肌恋しく凝って疼く。
「あ、ふ、ぅ……」
膨らんだ頬が掌に包まれた。外からそっと撫でられているだけなのに、口腔内がぞくぞくと粟立って、何も考えられなくなっていく。
「ほんとに弱いよね、口」
吐息まじりで愛おしそうに目を細め、両手で蝶子の頬を手挟んだ。
くるむように外から撫でる動きひとつが、まるで中を掻き回すのと変わらないほど蝶子を追い詰める。
「んっ、んっ、ん、う」
どこにも逃げ場はない。口じゅうが彼のものに征服され、支配される。だが、それも自らすすんでのこと。
なおも口を開き、もっと奥へと受け入れた。
うぐ、と息が逆巻いて、生理的な涙が溢れる。
「はっ、あ……」
壊れる。壊されてしまう。必死に守ってきた殻を打ち砕かれて。着込んだ鎧を剥ぎ取られて。
粉々のプライドのなかにこうして跪く、こんな隷属の悦びを蝶子に教えたのは、Dだった。
「あぁ」
背中の筋をずるずると抜き出されたように力が抜けて、知らず手が、己の秘所にのびていた。
「だめだよ」
はっしと腕が掴まれた。
「させない。俺がいてそんなこと」
ちゅっ、と額に触れるだけのキス。
「おいで」
それだけで達しそうな濡れた声と共に、ふわり、身体が引き上げられた。
1
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる