【即落ち2コマSS】白雪姫と七人のドワーフ【R18】

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白雪姫と鏡の精2

【1コマ目】新しい世界

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その日、幼い白雪姫は、お城を探検しているうちに、入ることを禁じられた部屋に足を踏み入れてしまいました。

そこで鏡の精に出会ったのです。

鏡の存在に気づいたのは、どこからか声がしていたからです。
あーうーという呻き声です。
声をたどっていくと、えんじ色の幕の背後に大きな姿見がありました。
白雪はドレープたっぷりの重い幕をおそるおそるめくりました。
そこに鏡があり、その中では男の人が女の人をいじめていました。

男の人が女の人にのしかかって脚をつかみ、女の人は眉をしかめて呻いています。
なぜか女の人が男の人の首にしがみついていますが、きっと苦しいからでしょう。あるいは、裸を見られたくないからかもしれません。
そう、二人ともほとんど裸のような格好だったのです。

白雪姫は驚きました。
ですが、どうしてか目が離せません。
女の人はゆさゆさと揺さぶられて悲鳴をあげながら、なぜか脚を男の人にからめています。
見ているうちに、なんだかドキドキしてきました。
わけもなく動悸がします。頬もカッカしてきました。

その時です。
半裸で女の人にのしかかっている男の人が振り向いたのは。

黒曜石の瞳と目が合います。
あまりに美しさに、白雪は思わず見入ってしまいました。

「白雪姫か。こっちにおいで」
「どうしてしらゆきを知ってるの?」
「知ってるさ、可愛い白雪。だからおいで」

白雪はこわくなって逃げ出しました。
そうしないと、何かとりかえしのつかないことが起こりそうだったからです。


白雪のその予感が正しかったことはやがて身をもってわかりました。

次の日も、その次の日も、またその次の日も、ついその部屋に足がむかってしまいます。
扉の前で立ちすくみ、しばらくして立ち去る。そんなことが数日続いたあと、白雪はとうとうまたその禁じられた部屋に入りました。
今日は鏡の中には誰もいません。
その沈黙の鏡を覗いていると、ふわっと目が回るような感覚におそわれ、気がつけば鏡の中にいました。
鏡の中だとわかったのは、あの美しい青年が目の前にいたからです。

「ようこそ、白雪。私の世界へ」
「あなたは?」
「鏡のエルフだ。鏡の中にいる。だから嬉しいんだよ、こうして来てくれて」
「鏡さんは、ずっとここにいるの」
「ああ」
「え、かわいそう」
「そうでもないぞ? このようにして可愛い客人も来てくれるしな。だが、そうだな、そう言ってくれるなら、少し私と遊んでくれないか?」
「もちろんいいわよ。何して遊ぶ?」
「当てっこ。知ってる?」
「知らないわ。どんな遊び?」
「教えてあげよう。きっと夢中になる」

青年は美しく微笑みました。
あまりの美しさに白雪は頭がぼうっとしてしまいます。
ですが、どうしてそんな風になるのか、自分でもわかりません。
そのような美しさを「妖艶」と呼ぶのだと理解するには、白雪はまだまだ幼い娘だったのです。
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