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七人のドワーフと白雪姫
【1コマ目】ドワーフの家
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森の奥にぽつんとある一軒家。
そこに七人のドワーフが住んでいました。
ある日、七人が仕事を終えて帰ってくると、なんと、彼らのベッドに、可愛らしいお嬢さんがすやすやと眠っているではありませんか。
「ややっ、これは一体?!」
「俺、このひと知ってる。お城のお姫さまだ」
「そのような方がなぜこんなところに?」
「しかもなぜベッドで寝ている?」
七人は話し合いました。
「もしもし、姫君」
姫は「ん」と寝返りを打ちます。
隙だらけの声は甘えるよう。しかし目を覚ます気配がありません。
ドワーフ達は顔を見合わせました。
「姫。白雪姫様ですね?」
そう言ってひとりが肩に手をかけました。
「ん…」
ミルクの肌に薔薇の頬、そこに黒檀のまつげが妖しいほどの影を落としています。
小さなさくらんぼの唇は軽くゆるんで、まるで何かを待っているよう。
身じろぎをすると、豊かな胸がたゆんたゆんと揺れました。
「お城を追われたと聞きました」
「おつらい目に遭われましたな」
「王妃さまも性格きっついしねー」
「鏡の精もあんな性根だから?」
白雪姫が目覚めました。
この世の全てが吸い込まれそうな美しい黒曜石が七人の姿を写します。
「あなた達は?」
「森に住むドワーフでございます」
「えっ、ドワーフって小人さんじゃなかったの?」
「小柄な者が多いのですが、我らは異端でして」
そう、七人は普通の人間とまったく変わらぬ身の丈をしていたのです。いえ、むしろ中には普通より背の高い者もいるくらい。
しかも、シワシワでも年寄りでもありません。
皆、たいそう見目麗しい少年、青年、壮年ばかり。
白雪は頬を染めて、自分を取り囲む七人を見渡しました。
「そうだったの。驚いたわ」
いちばん年長の凛々しいドワーフが、白雪の手を取って言いました。
「行くところがないなら、どうぞここにおいでください」
「まあ、ありがとう」
「我らがお守りしましょう」
「寝るところも食事もあるからさ」
「たまに話し相手をしてよね」
「もちろんよ。家のことも教えてください。私にできることは手伝いますわ」
「そんなことは私達がするから、気にしなくてよいのです」
「そうですとも。それより飴をさしあげましょう」
「飴?」
「うん、僕らの飴だよ」
「きっとお気に召しますよ」
いちばん大柄なドワーフが姫の髪を大きな手ですくいます。
長髪の優美なドワーフは肩に手を置き、いたずらっ子のような少年がかけ布団をめくりました。
緑の目の青年の指が白雪の顎を持ち上げます。
「あの?」
「美しい白雪姫。あなた様に我らの飴をさしあげましょう」
「ドワーフの飴はひと味ちがうからね」
「味わってください」
そう言って、長身の青年ドワーフが、白雪の服の紐をほどきはじめました。
そこに七人のドワーフが住んでいました。
ある日、七人が仕事を終えて帰ってくると、なんと、彼らのベッドに、可愛らしいお嬢さんがすやすやと眠っているではありませんか。
「ややっ、これは一体?!」
「俺、このひと知ってる。お城のお姫さまだ」
「そのような方がなぜこんなところに?」
「しかもなぜベッドで寝ている?」
七人は話し合いました。
「もしもし、姫君」
姫は「ん」と寝返りを打ちます。
隙だらけの声は甘えるよう。しかし目を覚ます気配がありません。
ドワーフ達は顔を見合わせました。
「姫。白雪姫様ですね?」
そう言ってひとりが肩に手をかけました。
「ん…」
ミルクの肌に薔薇の頬、そこに黒檀のまつげが妖しいほどの影を落としています。
小さなさくらんぼの唇は軽くゆるんで、まるで何かを待っているよう。
身じろぎをすると、豊かな胸がたゆんたゆんと揺れました。
「お城を追われたと聞きました」
「おつらい目に遭われましたな」
「王妃さまも性格きっついしねー」
「鏡の精もあんな性根だから?」
白雪姫が目覚めました。
この世の全てが吸い込まれそうな美しい黒曜石が七人の姿を写します。
「あなた達は?」
「森に住むドワーフでございます」
「えっ、ドワーフって小人さんじゃなかったの?」
「小柄な者が多いのですが、我らは異端でして」
そう、七人は普通の人間とまったく変わらぬ身の丈をしていたのです。いえ、むしろ中には普通より背の高い者もいるくらい。
しかも、シワシワでも年寄りでもありません。
皆、たいそう見目麗しい少年、青年、壮年ばかり。
白雪は頬を染めて、自分を取り囲む七人を見渡しました。
「そうだったの。驚いたわ」
いちばん年長の凛々しいドワーフが、白雪の手を取って言いました。
「行くところがないなら、どうぞここにおいでください」
「まあ、ありがとう」
「我らがお守りしましょう」
「寝るところも食事もあるからさ」
「たまに話し相手をしてよね」
「もちろんよ。家のことも教えてください。私にできることは手伝いますわ」
「そんなことは私達がするから、気にしなくてよいのです」
「そうですとも。それより飴をさしあげましょう」
「飴?」
「うん、僕らの飴だよ」
「きっとお気に召しますよ」
いちばん大柄なドワーフが姫の髪を大きな手ですくいます。
長髪の優美なドワーフは肩に手を置き、いたずらっ子のような少年がかけ布団をめくりました。
緑の目の青年の指が白雪の顎を持ち上げます。
「あの?」
「美しい白雪姫。あなた様に我らの飴をさしあげましょう」
「ドワーフの飴はひと味ちがうからね」
「味わってください」
そう言って、長身の青年ドワーフが、白雪の服の紐をほどきはじめました。
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