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Dune…After that
しおりを挟むEarth...
よく晴れた日だった。
空には雲ひとつなくて、とても澄んだ青だった。ここがドームに覆われてるなんて、忘れるくらい。どこまでも広がる青が頭上に広がっていた。
「…あ、れ」
ぼんやりと見上げていた僕は、思いがけないものを見て声を漏らした。
「どうした? ハル」
怪訝に問いかけるソウに、僕は空から視線を逸らせないまま肩を叩いて指差した。
「天使!!」
「は?」
空には確かに何かが二つ飛んでいて、それは鳥のようだったけど、よく見たら人の形をしていた。
「え、なにあれ」
「だから天使だろ!?」
「いや、え? でもあれ、片翼…?」
「ん? ていうか…」
翼はひとつずつ。
そして、たぶん―――脚が無い。
人影の一つは、不自然に片脚がぶら下がっている。あれは恐らく、布地だけだ。きっと脚が、無いのだ。
少し傾いだように飛ぶ姿は、天使というより手負いの鳥のようだった。
天使も鳥も、いるはずないのに。
「あそこって、ドームの外かな?こっち側かな…」
「あの高さならどっちも有りうるが…」
「なんか、本当に、翼って自由の象徴みたいだ」
羽ばたく二人は支えあうように見えて、その一つずつの翼で、空の青の中に居た。
なんだかすごく綺麗に見えて、ずっと眺めていたいと思ったけれど、やがてそれはビルの影に消えて見えなくなった。どこかへ、降りていくのかもしれない。
「なんだろう、わかんないけど…」
倖せそうに見えた。
ソウは呟くように言った。
僕も同じことを思った。
片翼で空を飛ぶ、それが一人ではなく二人だったからだろうか。
脚のない鳥は、どこか平穏なところへ降りていけただろうか。
Dune
end.
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