魔力無し、チート婚約者ができる ~インテグリー=フェイス 婚約者は裏ボスだった!? 死の運命を変え、ゲーム本編をぶっ壊す!~

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第五章 覚醒

第八十八話 エピローグ

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 ――ロマンが倒されたことにより、人類と、黒き魔獣との戦争は終結を迎えた。
 各地に群がっていた黒き魔獣は次々と姿を消していき、本来の生き物が回復を遂げる。

 そして、一番の戦功を挙げたレイド、そしてバイセン家の人たちは、王都へと向かうのだった・・・


「いや~ 王城でのパーティーなんていつぶりだろうね~」
「多分、10年ぶりとかじゃないか?」

 両親のラジ、ソニア、ロイクとエレーヌ、そしてレイドの5人は馬車に揺られながら話している。
 
「パーティーっておいしい料理が沢山出ますかね」
「さあな、俺は参加したことが無い」

「あ、すみません・・・」
「ふっ、まさか初めてのパーティーが主役なんて思ってもいなかった」

 レイドはバイセン家の人間として参加することになっている。
 これで、ユーラル家は完全に潰えたわけだ。

「レイド君、改めてお礼を言わせて欲しい。よく頑張った。そして、エレーヌを見捨てなかったことに、感謝だ」
「ふふふ、やるわね~」

 ――あの戦いで起こったことは全てラジに話した。
 カインは、いなかった人間として扱われている。

「俺は・・・ 当然のことをしたまでだ」
「おお! 格好いい! 俺も一度は言ってみたかったな」

「やだ、あなたも昔は結構カッコつけてたじゃないの~」
「・・・妻の方が強かったがな」

「褒めるのが正直つらかったわ~」
「ぐふっ、、、」

 ソニアの会心のメンタル攻撃により、満身創痍のラジだったが、何とか持ち直した。

「ご、ゴホン・・・ そろそろ王都に着く。屋敷が用意されているので、そこで着替えをしよう」
「・・・確か、俺の分も用意してくれたとのことで。ありがとうございます」

「いやいや、もう俺の息子なのだからな! はっはっはっ!」
「ロイク~ いつになったら貴方も連れてくるの~?」

「ま、まあ・・・ なるようになるんじゃないかな?」
「いいや無理よ~ 自分から行かないと! 今日勝負よ!」

「え、ええ・・・」

 ロイクはうなだれている。何故なのか・・・?


 
「その・・・ レイド?」

 エレーヌが間を開けて、話しかけてきた。

「ん? どうした?」
「えっと、私、晴れて腕にあった紋章が消えました。だから、だから・・・」

「・・・?」

 段々とエレーヌの顔が少し赤くなっていき、もじもじとし始める。
 ソニアが察しろという顔をしているが、全然分からない。

「ん? エレーヌ、どういうことだ?」
「こらっ、貴方がそれを言っちゃいけないでしょう~!」

「あっ、止めろ、殺さないでくれソニア!」

 ラジもよく分からないようだ。

「・・・まあ、着いてから言います」
「お、おう・・・」

 もしかしたら、申し訳ないことをしたのかもしれない・・・



 
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 時は過ぎ、王城でパーティーが開かれる時間となった。
 レイドは今まで着たことも無い、豪華なコートを身にまとっている。

(・・・なんか慣れないな)

「ふふふ、そんなに珍しいものかしら?」
「あ、いや。こんなのは初めてで」

「そう~ 後もう少しでエレーヌも来るはずよ」



「・・・お待たせしました」
「ん! エレーヌ・・・」

 エレーヌは上品さと落ち着きのあるドレスを着てやってきた。

「腕・・・ なるほど、そう言うことか・・・」
「ふふっ。似合ってますか?」

 ドレスの袖を短くしたようだ。紋章の痕も、きれいさっぱり無くなっている。

「・・・・・・」
「・・・そんなに見ないでください」

「え? あ、ああ・・・ すまない」

「よし、では全員そろったようだな。では向かうぞ!」


 ラジたちは王城の廊下を歩いていく。
 
「エレーヌ、緊張しているのかい? じゃあ、兄である僕と手を・・・」
「嫌です」

 エレーヌはすぐにレイドと手を繋いだ。

「ロイク、次エレーヌに何かしたらお仕置きよ~?」
「ひ、ひぃ・・・」

 ロイクはこの言葉で大人しくなったようだ。
 ついに大きな石扉の前へと着く。

「レイド、君が前に出るんだ」
「え? 俺ですか?」

「当たり前だろう? 君が主役だ」
「主・・・ 役・・・」

 ――覚悟を決めるんだ!

 ――ギィィ・・・
 扉が、厳かに開かれる!




「「「おおっ!!」」」

 大勢の人々が、拍手を持って、温かくレイドたちを迎え入れた!


 群衆の一番前に、国王が杯を持って立っている。

「よし・・・ そろったようだな。今日は無礼講だ! 皆、存分に食事を楽しむがよい! 英雄レイドに、万歳!!」
「「「万歳!!!」」」


 再び、辺りに拍手が舞い上がった!
 レシティアにロベルト、エマやミゲルなども見受けられる。


「よし、レイド! 沢山食べますよ! 今日一夜限りです!」
「おい・・・ 食欲だけはあるんだから・・・」

「良いじゃないですか!」
「あ、ちょっと待ってくれ・・・!」



「ちょっと! 早く食べに行くわよ! スイーツがなくなっちゃうわ!」
「おい! それより先にレイドの元へ・・・!」

「また後よ!」

 ――レシティア、ロベルト・・・


「ふふーん! 私がレイドたちを導いてあげたのよ!」
「「「わぁ! すごいですね!!」」」

「え? そう? え、えへへっ」

 ――エマ・・・


「ロイク君、学園の教師にもう一度なる気は無いかね?」
「ん~ レイドがバイセン家を継ぐんだったら考えるよ~」

「あ、ちなみにエレーヌも教師に・・・」
「もちろんなります! やらせてください! 是非!」

 ――ロイク、ミゲル・・・


 
 様々な人に助けられ、レイドは無事、死の運命から逃れることが出来た。
 運命が少し違うだけで、様々は未来が生まれるのだ・・・


 これは、そのうちの1つのお話。
 ここらで、締めくくるとしよう・・・





 
 ――インテグリ―=フェイス 完
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