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第四章 学園 前期生編 ~予測不可能な学園生活~
第五十九話 マリーの覚醒
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突然のロベルトの裏切りにより、Cクラスの生徒たちは動揺している。
「ロベルト、なんで、裏切ったんだ・・・?」
「裏切る? いやいや、そんなことは無いよ」
「何?」
「ただ単に、僕の興味本心さ。それに、マルクの野望とか全く知らないからね」
ロベルトはあほらしそうにそう言った。
「・・・意味が全く分からないが」
「つまり、僕は君たちと戦いたいんだよ。それだけさ」
「フン、ロベルトもそう言っているんだ。諦めるんだな!」
(マルクの奴、だからルールを何でもありにしたのか・・・)
ロベルトは知っての通り呪術使いだ。剣術だけでは都合が悪かったのだろう。
「レイド、どうしますか・・・?」
「どうするも何も、戦うしかないだろう。大丈夫だ、必ず勝つ」
――エレーヌにはそう言ったものの、実際ロベルトの実力が分からない。呪術がどれだけ強いのかが分からないのである。
「話は済んだか? それでは、さっそく始めるぞ!」
「マルク・・・ 絶対に後悔させてやる・・・」
「はっ! できるのならばな!」
こうして、レイドとマルクの戦いは切って落とされたのだった・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しばらくして、出場する選手が決まり、試合の準備が整った。
ちなみに、ルールは3対3の団体戦だ。
マルク側
先鋒 ヤン
中堅 ロベルト
大将 マルク
レイド側
先鋒 マリー
中堅 エレーヌ
大将 レイド
と、このような対戦表だが・・・
「あれ? ヤン? どこかで聞いたことがあるような気が・・・」
レイドは対戦表を見て少し首を傾げる。
「あ、レイド、あれですよ。ほら、入学試験第一回戦の・・・」
「ああ、使用人と一緒に出場していた・・・」
(正直、瞬殺過ぎてよく覚えていないな・・・)
「まあ、分からないぜ? もしかしたらものすごく強くなっているのかもしれねえぞ?」
「止めてくれ、私が不安になってしまうではないか」
今回、カインは出場していない。
話し合った結果、弓を扱うカインはこの戦いには向いていないと判断したのだ。
「マリー、大丈夫だ。お前は十分に強いぞ」
「何だろうな、レイドが言うと安心するよ」
「それより、その装備で大丈夫なのか? かなり軽装だが、確か前は全身鎧だっただろ」
「圧倒的な強さを目にして、私も変わろうと思ったのさ」
そう言ってマリーは自分の剣を一振りした。
剣も変わっており、レイピアに似た細い剣だ。
「両者とも、先鋒の選手は出てきてください!」
試合監督の声が響く。
「では、行ってくるよ」
「ああ、健闘を祈る」
マリーはそう言って、レイドの元を離れたのだった・・・
しばらく経った後、そろそろ試合開始の合図が出されようとしていた。
辺りは学園中の生徒、教師がこの試合を見ようと、沢山の観客でにぎわっている。
「初めましてだな、ヤン」
「・・・・・・」
「どうしたんだ? 挨拶の仕方を知らないのか?」
「・・・黙れ。お前を倒す。それが俺に与えられた使命だ」
「おお、何とも怖いことだ」
「・・・なあ、ヤンの印象がすごく変わっていないか?」
「はい・・・ まるで別人のようです」
レイドたちは観客席に座って試合を見守っていた。
ヤンは前の印象とは打って変わり、非常に暗い雰囲気が漂っている。
「よし、準備ができたな。それでは、先鋒戦を始める! よーい、始め!」
試合監督の一声によって、ついに火蓋が落とされた。
「うおおおおおおお!」
「いきなりもう突撃か・・・ 良し、受けて立とう!」
「おい、マリーの奴、正面から受ける気か?」
マリーは剣を前に出し、止まったままヤンの攻撃を待っていた。
「その軽装で・・・ 俺を舐めているのか・・・? ずたずたにしてやる!」
「さあて、できるのかな?」
「クソが! くたばれぇぇぇぇ!」
「ガキィィィィン!」
ついに、ヤンの剣とマリーの剣が交わった。
(ふっ! まともにやれば俺の方に分がある!)
実際、マリーは押されていた。
――いや、わざと押されていたとも言うべきか。
「っ! 何!」
「甘いな! 全力で攻撃したら、もう戻れなくなるぞ?」
マリーは一歩後ろに下がり、そして、思いっきり体をひねらしてヤンの攻撃を受け流した。
さらに、返す刀でヤンに切りかかった。
「くぅ!」
ヤンはマリーに体勢を崩され、非常に不味い状況だったが、何とか前に倒れこんで避けることが出来た。
「「「おおおおお!!!」」」
余りにきれいに決まったカウンターを見て、観客も盛り上がっている。
「クソォ・・・ まだだ、まだだ!」
「無理だ。私に隙を見せている時点で、君に勝ち目は無い」
「そんな戯言が俺に効くと思うなよ!」
(いや、この女は軽装、しかも情報によると魔法を使える・・・ これは・・・)
ヤンがそう考えたころにはもう遅い。
マリーはヤンのすぐそこに迫っていた。
「ひっ! ・・・ま、参った」
こうして、第一回戦はあっさりと決まってしまったのだった。
「ロベルト、なんで、裏切ったんだ・・・?」
「裏切る? いやいや、そんなことは無いよ」
「何?」
「ただ単に、僕の興味本心さ。それに、マルクの野望とか全く知らないからね」
ロベルトはあほらしそうにそう言った。
「・・・意味が全く分からないが」
「つまり、僕は君たちと戦いたいんだよ。それだけさ」
「フン、ロベルトもそう言っているんだ。諦めるんだな!」
(マルクの奴、だからルールを何でもありにしたのか・・・)
ロベルトは知っての通り呪術使いだ。剣術だけでは都合が悪かったのだろう。
「レイド、どうしますか・・・?」
「どうするも何も、戦うしかないだろう。大丈夫だ、必ず勝つ」
――エレーヌにはそう言ったものの、実際ロベルトの実力が分からない。呪術がどれだけ強いのかが分からないのである。
「話は済んだか? それでは、さっそく始めるぞ!」
「マルク・・・ 絶対に後悔させてやる・・・」
「はっ! できるのならばな!」
こうして、レイドとマルクの戦いは切って落とされたのだった・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しばらくして、出場する選手が決まり、試合の準備が整った。
ちなみに、ルールは3対3の団体戦だ。
マルク側
先鋒 ヤン
中堅 ロベルト
大将 マルク
レイド側
先鋒 マリー
中堅 エレーヌ
大将 レイド
と、このような対戦表だが・・・
「あれ? ヤン? どこかで聞いたことがあるような気が・・・」
レイドは対戦表を見て少し首を傾げる。
「あ、レイド、あれですよ。ほら、入学試験第一回戦の・・・」
「ああ、使用人と一緒に出場していた・・・」
(正直、瞬殺過ぎてよく覚えていないな・・・)
「まあ、分からないぜ? もしかしたらものすごく強くなっているのかもしれねえぞ?」
「止めてくれ、私が不安になってしまうではないか」
今回、カインは出場していない。
話し合った結果、弓を扱うカインはこの戦いには向いていないと判断したのだ。
「マリー、大丈夫だ。お前は十分に強いぞ」
「何だろうな、レイドが言うと安心するよ」
「それより、その装備で大丈夫なのか? かなり軽装だが、確か前は全身鎧だっただろ」
「圧倒的な強さを目にして、私も変わろうと思ったのさ」
そう言ってマリーは自分の剣を一振りした。
剣も変わっており、レイピアに似た細い剣だ。
「両者とも、先鋒の選手は出てきてください!」
試合監督の声が響く。
「では、行ってくるよ」
「ああ、健闘を祈る」
マリーはそう言って、レイドの元を離れたのだった・・・
しばらく経った後、そろそろ試合開始の合図が出されようとしていた。
辺りは学園中の生徒、教師がこの試合を見ようと、沢山の観客でにぎわっている。
「初めましてだな、ヤン」
「・・・・・・」
「どうしたんだ? 挨拶の仕方を知らないのか?」
「・・・黙れ。お前を倒す。それが俺に与えられた使命だ」
「おお、何とも怖いことだ」
「・・・なあ、ヤンの印象がすごく変わっていないか?」
「はい・・・ まるで別人のようです」
レイドたちは観客席に座って試合を見守っていた。
ヤンは前の印象とは打って変わり、非常に暗い雰囲気が漂っている。
「よし、準備ができたな。それでは、先鋒戦を始める! よーい、始め!」
試合監督の一声によって、ついに火蓋が落とされた。
「うおおおおおおお!」
「いきなりもう突撃か・・・ 良し、受けて立とう!」
「おい、マリーの奴、正面から受ける気か?」
マリーは剣を前に出し、止まったままヤンの攻撃を待っていた。
「その軽装で・・・ 俺を舐めているのか・・・? ずたずたにしてやる!」
「さあて、できるのかな?」
「クソが! くたばれぇぇぇぇ!」
「ガキィィィィン!」
ついに、ヤンの剣とマリーの剣が交わった。
(ふっ! まともにやれば俺の方に分がある!)
実際、マリーは押されていた。
――いや、わざと押されていたとも言うべきか。
「っ! 何!」
「甘いな! 全力で攻撃したら、もう戻れなくなるぞ?」
マリーは一歩後ろに下がり、そして、思いっきり体をひねらしてヤンの攻撃を受け流した。
さらに、返す刀でヤンに切りかかった。
「くぅ!」
ヤンはマリーに体勢を崩され、非常に不味い状況だったが、何とか前に倒れこんで避けることが出来た。
「「「おおおおお!!!」」」
余りにきれいに決まったカウンターを見て、観客も盛り上がっている。
「クソォ・・・ まだだ、まだだ!」
「無理だ。私に隙を見せている時点で、君に勝ち目は無い」
「そんな戯言が俺に効くと思うなよ!」
(いや、この女は軽装、しかも情報によると魔法を使える・・・ これは・・・)
ヤンがそう考えたころにはもう遅い。
マリーはヤンのすぐそこに迫っていた。
「ひっ! ・・・ま、参った」
こうして、第一回戦はあっさりと決まってしまったのだった。
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