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第三章 学園入学編 ~崩壊した本編~

第四十六話 クラス対抗魔獣狩り大会!!

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 ”電撃地獄”の訓練を初めて一カ月が経ち、ついに魔獣狩り大会を迎えた。
 生徒たちは今、森の入り口に集まっている。

「た、助かったぞ・・・ 今日であの地獄が終わるのだな・・・」
「マリー、大変そうだな」

「・・・あれをレイドは昔からやってきていたのか。とんでもないな・・・」

 マリーは感心している様子だ。
 他のCクラスの生徒も鍛え上げられており、まるで軍隊のような様相である。

「おい・・・ あれ、Cクラスだよな? 何故あんなにやる気があるんだ・・・?」
「わからねぇ・・・」
 他のクラスの人たちも皆、噂しているようだ。

「よーし、Cクラスの皆~ 集まったな~」
「「「ロイク先生! お疲れ様です!」」」
 Cクラスの生徒は一斉に返事をする。

「さてと・・・ 今日は待ち望んでいた魔獣狩り大会の日だよ~ これが終わったら、”訓練”も終わり!」
「「「よっしゃあぁぁ!!」」」

「・・・でも、今回負けたらまだ続けるつもりだよ?」
「「「キャァァァァァァ!!」」」

「死にたくない死にたくない・・・!」
「おい、やっぱりCクラスはおかしくなったんじゃねえか?」

 そうしている間に、ロマンがやってきたようだ。

「お前ら集まったな? 今から魔獣狩り大会を始めたいと思う。まあ、どのクラスが勝つかは明確だが・・・」
「けぇ、何だよあいつ。Aが勝つと確信してやがる」
「カイン、ここは我慢だ。後であいつの悔しがる顔が見られる」

「ルールはいたって簡単だ。倒した魔獣の量、等級で競う。以上だ!」

「もしかしたら、焼き尽くしたら分からなくなるかもしれませんね」
「どんな魔術を使うんだよ? 大型魔術は止めてくれよ?」
「・・・分かりました」

(エレーヌ、これは絶対に分かっていない顔だな・・・)
 先が思いやられるレイドだった・・・

「よし、Cクラスもチーム分けをしようか。手分けして魔獣を狩るんだよ~」

「よし、エレーヌ。頑張るぞ」
「分かってます」

「エレーヌと同じチームか・・・ チッ」
 ロイクから何かが聞こえた気がした・・・

 てなわけでできたチームがこんな感じだ。

 チーム1
 ・レイド ・エレーヌ ・ロベルト

 チーム2
 ・マリー ・カイン など


「ロベルト、これが初の共闘になるな」
「うん、よろしく頼むよ。レイド!」

 全員が準備できたのを見届けて、ロマンがカウントダウンを開始した。

「それでは・・・ 始めろ!」

「「「うおおおおおおおおおお!!!!」」」
 一斉に走っていくCクラスの生徒たち。

「俺たちも後に続こう」
 そう言ってレイドたちも森に入ろうとしたが、思わぬ客が来たようだ。

「ケッ、Cクラスの生徒はとても大変そうだな?」
「マルク・・・ ファブリス・・・ 何の用だ?」

「いや、心配しに見てきてやったのさ。我らがどうせ圧勝してしまうからな!」
 すると、マルクは前回とは別の魔導具を取り出した。

「これが何かわかるか? そうかそうか! 分からないだろ!」
「いや、まだ何も言っていな・・・」
「これはな、周辺の魔力を探知する魔導具だ。これを使えば一瞬で魔獣の居る場所を割り出すことが出来るのさ! どうだ、この高度な魔術は!」

「さすがはマルク様! ”魔力無し”には到底扱うことは出来ないだろうな。ガハハ!」
「何を・・・」
「待ってください。レイド」

「どうした女? 俺の物になる気が起きたのか?」

 エレーヌはそれを完全に無視したあと、杖を取り出す。
「Μαγεία... κάνω τους γύρω μου να εμφανίζονται και να μου δίνουν πληροφορίες!」

「おい、何をした! 女!」

「レイド、左手辺りに魔獣が集団でいるようです。そこを潰しに行きましょう」
「ああ、分かった。いくぞ、ロベルト」
「うん、今行くよ!」

「ちょっと待て、今の、探知魔術だとでもいうのか!」
「おい、女! 待てよ!」

 マルクとファブリスの声を無視して、レイドたちは森の方へ入っていったのだった・・・


「・・・見つけました。やはりフォレストウルフの群れですね・・・」

 フォレストウルフ、森に住む狼だ。凶暴だが、特に強いというわけではない。

「よし、エレーヌ、こっそり魔術を打てるか?」
「いや、もう気づかれましたね・・・」

「ワオーーォーン!!!」
 フォレストウルフの一匹が遠吠えをあげた。

「ああ・・・ これは数百匹来るパターンですね・・・」
「ええ・・・ そんなにめんどくさい奴だったのか」

「僕がある程度削っておくよ、こう見えても呪術師だからね」
「・・・呪い系か。音も無く行けるな」

「バルゥゥ!!」

「一気に襲い掛かってきました!」
「くそっ! 戦闘開始だ!」
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