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第ニ章 運命との戦い

第二十話 魔剣の力

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「侵入者、ハッケン! 侵入者、ハッケン!」
 そう言いながら現れたのは、からくり仕掛けの兵士だった。

「まさか、魔導人形ですか!?」
 エレーヌが驚愕する。
「魔導人形? こいつらはそう言うのか!?」
 レイドは剣を魔導人形とやらの方へ向けながら、エレーヌに聞き返した。

「奴らは古代兵器です! 魔力で動く人形ですよ!」
「くそ! 凄い量だ! この数じゃさすがに不味い! さっさと離脱するぞ!」
「ええ、 ・・・痛っ、あ、足が・・・」

 どうやらエレーヌは先ほどの崩落に巻き込まれた際、足をくじいてしまったようだ・・・
「は、走れそうにないです・・・」
 エレーヌが青ざめる。

(くそ! こうなったら!)
 レイドは追いかけてくる人形を尻目に、エレーヌの方へ駆け寄った。
「な、なんですか!? ああっ!?」

 レイドはエレーヌを抱きかかえると、全力で反対方向へ走り去る。
「ちょ、ちょっと! 痛いです! もうちょっとマシな持ち方は無かったんですか!?」
「今はそれどころじゃないだろ!」

「侵入者、ハッケン! 排除、スル!」
 人形たちは依然として追いかけてくる。そろそろ真っ暗になってきた。
 これじゃ逃げることもままならない・・・

「エレーヌ! ここら周辺を照らしてくれ!」
「!? ・・・・分かりました!」
 エレーヌは即座に杖を光らした。だんだんと建物の構造が見えてくる。

 レイドは、狭い通路を見つける。 これで追手の数を減らせるだろう。
「あそこの狭いところに逃げる!」
「ええ!? か、壁に当てないでくださいよ!」

 レイドは一目散に入る。
「きゃああああ! 怖いです!」
(いちいち注文が多いなあ!)
 そう声に出す暇も無い。しばらくの間、レイドたちは逃げ回るのだった・・・


「ぜえ、ぜえ、ぜえ・・・ も、もう大丈夫か・・・」
 レイドは肩で息をしながらも、何とか周りを見渡す。

「と、とんだ災難でした・・・」
 エレーヌはレイドに担がれたまま、ぐったりするのだった。
(なんか今まで気づいていなかったけど、なんかエレーヌからいい匂いがするなあ・・・)

「レイド? 早く降ろしてください」
「あ、ああ。い、今降ろすよ」
 そう言って、レイドはそそくさと肩から担ぎ降ろす。

「追手はいませんよね・・・」
 エレーヌは周りを見計らいながら、自身に治癒魔術を施す。
 杖が緑色に光った後、エレーヌの足は完全に回復したようだ。

「ふう。レイド、助かりました・・・ 感謝します」
「ああ。それよりも、だいぶ内部まで来てしまったようだな・・・」

 今レイドたちは、遺跡内にあった小部屋で人形たちの追跡をしのいでいる。
 部屋の中にはどうやら沢山の本が保管されているようだ。

「これは・・・ 何語でしょうか・・・」
 エレーヌがその中の本の一冊を手に取り、ぺらぺらとページをめくってみる。
 何語か分からず、一部が擦り切れておりまともに見ることもできない。

「私たちが知らない言語ということは、相当昔のものなんでしょう・・・ これは大発見ですが、今はそんなことを言っている暇はありませんね・・・」
「・・・いつまでもここにいることはできない。早くここから脱出する方法を探さないと・・・」

 レイドがそう言っていると、どうやら追手が追い付いてきたようだ。
「侵入者、ソウサク! 侵入者、チカクニイル!」
「!? くそ、もう嗅ぎつけてきたか・・・」

「侵入者、ハッケン!」
 勢い良く扉から2体の人形が飛び出してきた。
「おららああああ!!」
 先手必勝! 先に叩き込む!

 レイドは剣で勢いよく人形に叩きつける。
「ギギギ・・・」
 どうやら一回では倒れなかったようだ。ならばもう一回!

 レイドが1体の方へ夢中になっている間に、もう1体が既に魔法を詠唱し始めていた。しかし、レイドはそれに気づいていない。
「レイド! 危ない・・・! それ!」

 エレーヌがとっさにもう1体の方を魔法で攻撃した。
「!? エレーヌ! 助かった!」
「一人で戦いに行かないでください! 今は私が付いています!」

 そうだ、今は仲間がいるんだ。協力すれば、倒せるかも!
「おらああああ! くたばれ!」
 レイドは再び人形に切り込む。
「ギギギ!」
 
 人形も反応し、お互いの剣が交わる。
 ギリギリギリギリ・・・
 剣が火花をあげている。
(こいつ、なんて力してやがる!)

 徐々にレイドが押されていく・・・
「ギギギ・・・」
「させません!」

 エレーヌは詠唱が終わった大型魔法を繰り出す。
 人形の下に、魔法陣が浮かび上がった。そして、棘が飛び出し、人形を串刺しにした。

「ギガ!? ・・・・・・ガ」
 一体の人形はこと切れたようだ。
「ガガガ・・・」
 もう片方の人形は、また魔法を唱え、そして発射した。

(・・・エレーヌの反撃が間に合わなかったか!)
 そうしている間にも、魔法は止まらずこちらへ向かってくる。避ける暇など無いようだ。
(こうなったら!)

「うおおおおお!!」
 レイドは剣で魔法を迎え撃とうとしたのだ。余りにも無謀。だったのだが・・・

「!?」
 突如として、今持っている剣、インテグリーが光りだした! そして、人形が放った魔法をみるみる吸収していく・・・!

(な、何が起こっているんだ!?)
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